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神経性疼痛と筋・筋膜性疼痛に対するTENS治療の効果と適用方法
TENSとは、Transcutaneous Electrical Nerve Stimulationの略で、皮膚上から電気刺激を与えることで痛みを緩和する治療法です。神経性疼痛と筋・筋膜性疼痛に対して効果があるとされており、機器のHz(周波数)、パルス幅(μ秒)、刺激強度(mA)を適切に設定することが重要です。
※更新日:2024/05/26
初めに
神経性疼痛と筋・筋膜性疼痛は、その原因と症状が異なるため、適切に鑑別することが大切です。神経性疼痛は、神経の損傷や疾患によって引き起こされる痛みで、しびれやピリピリとした感覚、電撃痛などが特徴的です。一方、筋・筋膜性疼痛は、筋肉や筋膜の過度な緊張やストレスによって生じる痛みで、重だるさや鈍痛を伴うことが多いです。
疼痛の種類を鑑別
疼痛の種類を鑑別するためには、以下の点に注目します。
痛みの質
神経性疼痛: しびれやピリピリ感、電撃痛などが特徴です。これらの痛みは、特定の神経経路に沿って感じられることが多く、痛みの質が特異的であるため比較的鑑別しやすいです。
筋・筋膜性疼痛: 重だるさや鈍痛が主体です。この痛みは、広範囲に及ぶことがあり、特に筋肉の硬結やこわばりを伴います。
痛みの分布
神経性疼痛: 特定の神経支配領域に沿って分布することが多いです。例えば、坐骨神経痛は下肢に沿って痛みが広がります。
筋・筋膜性疼痛: 筋肉や筋膜に沿って広がる傾向があります。例えば、首の筋・筋膜性疼痛は首から肩にかけて広がることがあります。
痛みの誘因
神経性疼痛: 特定の動作や姿勢で誘発されることがあります。例えば、椎間板ヘルニアによる神経圧迫が特定の動作で痛みを引き起こすことがあります。
筋・筋膜性疼痛: 過度な筋緊張やストレスによって引き起こされます。例えば、長時間のデスクワークで肩や首の筋肉が緊張し、痛みが生じることがあります。
随伴症状
神経性疼痛: 感覚障害や運動障害などの神経学的症状を伴うことがあります。具体的には、しびれや筋力低下がみられることがあります。
筋・筋膜性疼痛: 筋肉の硬結やこわばりを認めることが多いです。触診すると、特定のポイントに強い痛みを感じることがあります(トリガーポイント)。
これらの点を総合的に評価することで、疼痛の種類を適切に鑑別することができます。必要に応じて、医師や理学療法士など専門家の診断を受けることをおすすめします。
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