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仕事への没頭が労働者の健康に与える影響とは?職場での健康行動を科学的に解説


はじめに

あなたの職場の健康管理、大丈夫ですか?

「仕事に熱心な人ほど、健康管理もきっちりしている」──そう思っていませんか?
実は、仕事への没頭(Work Engagement, WE)は、必ずしも健康的な行動を促進するとは限らないのです。本稿では、職場での健康管理に欠かせない「仕事への没頭」と健康行動(特に食生活)の密接な関連性を探り、なぜ仕事に集中しすぎると不健康な食習慣に陥りやすくなるのかを解説します。

例えば、「職場でバリバリ働く上司が、昼食は毎日ラーメンやおにぎりだけで済ませている」という光景を目にしたことがあるかもしれません。このようなケースは、仕事への高い没頭度が健康行動を損ねる典型例です。意外にも、仕事に対する高い熱意が「不健康な食生活」や「塩分過多」を引き起こし、身体に負の影響を与えるリスクがあるのです。

さらに、研究データによると、社会経済的地位(SES)が低い労働者において、この傾向は特に顕著です。なぜなら、長時間労働とストレスにより、安価で手軽に食べられる高塩分食品(例:カップラーメン、ファストフード)を選びやすくなるからです。

仕事への没頭と健康行動の関係

最近の研究では、仕事への没頭が高い人ほど、MUFA(不飽和脂肪酸)やPUFA(多価不飽和脂肪酸)食物繊維など健康的な栄養素を多く摂取する傾向がある一方で、塩分摂取が過剰になるリスクもあることがわかっています。特に低SES層では、仕事に熱中しすぎることで、高塩分の食品を手軽に選んでしまいがちです。

なぜこうした傾向が生まれるのか?
それは、仕事に対する熱意とストレス管理が密接に関連しているためです。仕事への没頭が高まると、ストレスの解消や疲労回復のために、高エネルギー・高塩分の食事(例:揚げ物、加工食品)を選択しやすくなります。

ここまでで少し疑問が湧いてきませんか?
「じゃあ、職場で健康的な行動を促進するにはどうすればいいの?」と。

この疑問に対する答えと、職場で実際に使える健康管理の方法を、次の有料記事で詳しく解説します!特に、リハビリや看護の専門職の皆さんには、職場の健康支援プログラムを効果的にデザインするための実用的なアプローチをお伝えします。

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