リハにおける目標設定
リハを行う際、意欲的な方とそうでない方がいらっしゃいます。
「もう先が長くないから無理はしたくない」
「今日はしんどいから動きたくない」
1度は聞いたこともあるはずです。
人によっては、
「最後のトイレから2-3時間空いてますから、1度いきませんか?」
などの対応で、離床がスムーズに行える場合もあります。
また、本人が会話の中で、よく話題にする質問を投げかけると、
数分話が止まらず、途中で運動を提案すると
そのまま受け入れてもらえることも経験します。
そこで、今回紹介するのは、目標設定についてです。
リハに対する患者さんの動機づけの回答になります。
1位は機能的側面
その次は、目標設定・「参加・活動」を考慮した合目的な練習となっています。ある書籍の中で、上肢に重度麻痺のある方に、数カ月機能練習を行い、時間をかけて何とか着替えが出来るようになったが、実生活では実用性に乏しく、活動を見据えていなかったことを悔やんだとの記載がありました。
上肢麻痺における生活場面での導入は
代償動作の排除・許容の観点もあり、とても慎重にならざるを得ません。
更衣・食器把持・ズボンの上げ下ろし・洗体・
服薬時の開封・歯磨き・手洗いなど
生活場面で上肢を使用する機会は沢山あります。
PTに馴染みにある移乗場面でも、装具の着脱が出来ないと
自立には至りませんし、歩行獲得だけ目標にすると
それが達成できなかった場合、トイレ動作での
下衣操作が半分しかできないということもありました。
では、目標設定をどう設定していくか。
目標は個人のライフスタイル・要望に大きく依存するため、
課題は個々に合わせて段階的に設定していく必要があります。
-2を現状のレベルとし、0を目標。+2は飛躍的な回復を想定したものです。SMARTも意識します。
Specific(具体的)
Attainable(測定可能):行動変化の証拠
Relevant(関連性):現実的であり達成可能
Time-determined(時間指定):妥当な期間
これ位なら出来そうだ。と目標を立て患者さんと共有し、
そこに向けて練習→導入→次の目標へ
理論的にはそうですが、失敗体験があると
中々先に進まないこともあります。
上司の臨床をみて、いつも思うのですが、
患者さんの現状の能力を見極め、
あと少し頑張ればできる課題・時折失敗も交える
自身で修正可能な課題は粘り強く求める
出来たことを褒める
これをもの凄く感じます。
特に1番大事なのが、最初の能力の見極めです。
明らかに難しいことを強要しても、無理なものは無理です。
ただ、能力が上がると可能なこともあります。
日々の臨床で、「少し難しいことを積み重ねていく」
これをきちんとするから、
沢山の患者さん達を回復させてきたんでしょう。
「諦めずに、とことん練習しなさい」
言われた名言を1つ紹介して終わります。
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