【理学療法士国家試験】診療記録"SOAP"について
理学療法士国家試験で出てくる内容を解説。
今回は診療記録に使われている"SOAP"についてです。
近年の国家試験では連続して出題されています。私は養成校時代に聞いたことがなかったので、知らない受験生の方もいるのではないでしょうか?
そのような方のため、今回はSOAPについて解説していきます。
動画でも解説しています。
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この記事を試験勉強に使っていただけますと嬉しいです。
このように第57回、第58回と続けてSOAPに関する問題が出題されています。
SOAPで診療記録を記載することがスタンダードになり、国家試験でも扱うようになったのでしょうか?
SOAPに関しては、私が養成校時代に学校で習ったこともなければ、過去問を勉強したときに出てきた記憶もありません。
友達の実習先がSOAPでの記載だったと雑談で聞いてSOAPの存在を知り、最初に就職した先がSOAPでの記録をしていましたので、今ではわかりますが学生だったら全然わからなかったと思います。
そんな診療記録"SOAP"に関して簡単に解説をしていきます。
SOAPの構造
SOAPは
S:Subjection
O:Objection
A:Assessment
P:Plan
の各英単語の頭文字です。
次に各英単語の意味とSOAPの使い方を解説します。
Subjection:対象者からの訴え(痛い、動かない、苦しい等)
Objection:客観的な情報、事実(関節可動域、息切れスケール等)
このふたつをもとに
Assessment:評価、統合と解釈(関節可動域が低下していて〇〇ができない等)
を行い
Plan:治療、介入プラン(関節可動域運動、ストレッチ等)
に繋げるといった構造になります。
このように各項目に何を書けば良いかを覚え、各項目に合致した内容を記載できれば理学療法士国家試験的にはOKです。
就職先でSOAPを使っていれば嫌でも使い方を覚えるので、細かいことは覚えなくてもOKです。
記載例
発症1ヶ月後の脳卒中患者のリハビリの記録を例にします。
S)左手がしっかり動かない。茶碗が持てない。
O)意識クリア。発症から1ヶ月。麻痺側上肢機能〇〇、可動域問題なし、筋緊張高い(MAS:3)
A)発症後1ヶ月で回復傾向。筋緊張を抑制しつつ上肢のEXを行うことで上肢機能向上、茶碗を持てる程度の回復が期待できる。特に〇〇筋の筋緊張抑制と▲▲筋の促通が重要と考える。
P)〇〇筋のスタティックストレッチ、▲▲の電気刺激療法
簡単ではありますがこんな感じになります。
初回であればもっと書く内容は多いかもしれませんし、毎日関わっている中で変化がなければ書く内容はもっと少ないかもしれません。
重ねてになりますが、各項目に何を書けば良いかを覚え、各項目に合致した内容を記載できれば理学療法士国家試験的にはOKです。
実際の問題の解き方
この問題ではSOAPそのものについて問われています。SOAPについて知っていれば解ける程度の問題です。
1と2が説明が逆なので1と2は正しくありません。
3と4も説明が逆なので3と4も正しくありません。
消去法的に5番が正解になります。
次の問題
この問題ではSOAPの"A"のことを聞かれている問題です。
1と3は客観的な情報なので"O"になります。
2と4は介入プランなので"P"になります。
5はOの情報をもとに解釈をしているので"A"になります。
この問題も消去法的に5が正解になりました。
まとめ
以上、受験生の皆さんの参考になれば幸いです。