初めてづくしの日本転倒予防学会
10/7-8に京都で開催された日本転倒予防学会。こちらに初参加してきました。
しかも今回は、“ころやわ”でお馴染みの(株)Magic shieldsさんのお手伝いも兼ねて初めて企業側での参加。
私は(株)Magic shieldsさんのHPにてコラムを担当しており、メールやオンラインMTGでのやりとりはあったものの、社員の方々とリアルにお会いするのはこの日が初めてでした。
そんな初めてづくしの学会だったわけですが、参加したことによる気づきや感想をこの記事で綴っていこうと思います。
それでは、よろしくお願いします。
*この記事は5-10分で読めます。
日本転倒予防学会について
まず、前提として…
日本は長寿国であるが故に高齢化率が21%を超えて“超高齢社会”になった。
国内の要介護の要因を見ると、約12%が「転倒・骨折」であり、日本において転倒は社会的課題である。
以上のことから、日本転倒予防学会は、
を目指しているようです。
実際に今回の学会では、医師、看護師、理学療法士、作業療法士といった医療専門職だけでなく、ベッドなどの福祉用具を扱う企業、建築関係者、工学系の研究者も多く参加しており、多角的に転倒予防に対して考えを出し合う機会となっていました。
また、日本転倒予防学会では、“転倒予防指導士”や“日本転倒予防学会推奨品”を独自で設定しており、転倒予防の裾野を広げる活動をしています。
初めての企業展示
さて、今回の学会では初めて企業側で参加したのですが、率直な感想がコチラ。
「“ころやわ”、めっちゃ人気やん」
学会会場の入り口を入ってすぐ、第一会場の真横に“ころやわ”の展示ブースがあったのも関係しているのでしょうが、ひっきりなしに来場者が立ち寄って話を聞きにきてくれました。
ちなみに、“ころやわ”も“転倒予防学会推奨品”なのです!
私も理学療法士の端くれですので、転倒のシステムや、ころやわがどう優れているのか、は理解できていますが、その場で人様に説明するというのはなかなか難しい…。
企業ブースに立っていると、他者から見たら“会社の人間”なので、普通に商品の説明を求められますから。
今となってはいい経験だと思えますが、当日は緊張しっぱなしでした。
途中、ポスター発表や講演を聞きに抜けたのでずっといたわけではありませんが、合計4時間ほど企業ブースにいたでしょうか。
(腰が痛い…)
多くの方々とお話しましたが、既に導入されている施設の方も多くいらっしゃいました。その方々は新商品の“ころやわマット”(厚さはこれまでの約半分、衝撃吸収は変わらず)に興味を示していました。
また、学会の講演でも“ころやわ”は取り上げられており、「講演を聞いて気になってきました!」という方もいらっしゃいました。
興味深かったのは、ブースに来られた方の多くが看護師さんだったこと。
看護師さんは日夜患者さんのすぐそばで働いているので、院内転倒には最も遭遇するのです。そもそも、私たちでも転ぶので、患者さんの転倒をなくすことは実質不可能なのですが、病院の上層部からは転倒を起こさないよう言われます。
そして転倒が起きると、仮に患者さんに怪我はなくとも事故報告書を書いて、安全対策を考えて、と仕事が増えるというハードモード。
その現実を考えると看護師さんが“ころやわ”に興味を抱くのも大いに納得できました。
私も病院勤務時代に転倒防止カンファレンスに4年間従事していたので、懐かしく感じたと同時に、当時に“ころやわ”があれば違った“今”を送っている患者さんがいるのかもしれないと思いながら、来ていただいた看護師さんとお話をさせていただきました。
気づきと在宅分野への還元
私は現在、訪問リハビリに従事しているのですが、今回の学会で訪問看護やリハビリに従事している方にお会いすることがありませんでした(あくまで私がお会いした中では、です)。
在宅場面でも、利用者さんの転倒にはよく遭遇します。しかし、意外にも骨折に至ることはあまりありません。
私は病院勤務時代にはかなりの数の「転倒して骨折」という受傷起点の患者さんを見ていたので、「転倒したら骨折する」と思っていましたが、実際は「転倒して骨折する」人は、転倒者の氷山の一角だったわけです。
この事実が今回在宅分野の方々が学会に少なかった理由の1つかもしれません。つまり、
「在宅で転倒は、特別なことではない」
先ほど述べたように、院内転倒が起こると患者さんに怪我がなくてもスタッフの仕事はかなり増えます。
ましてや、院内転倒で骨折が起こると、治療を巡って患者・家族間とトラブルにもなり得ます。
それに比べると、在宅で転倒が起きた時の手間はそれほどではありません。
しかしながら、それは在宅分野で転倒予防が要らない理由にはなりません。
転倒で人生がガラッと変わる方がいらっしゃるのは変わりないからです。
なので、元気なうちから転倒予防、骨折予防。
運動やビタミンDの摂取といった生活習慣、そして、“ころやわ”のように骨折させない環境づくり。
このような転倒予防の概念が、在宅分野で広まることを願って、こちらの記事を締めくくりたいと思います。
おわり。
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