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『聴く力』〜実習生が求められるコミュニケーションスキル〜


※今回一番伝えたいことまでは『無料』で読めますので、ぜひ、ご覧下さい!


はじめに

どうも、はせがわです。


いきなりですが、これを読むあなたに質問です。


実習が「辛くない」と感じることの
できる方法があるって知っていましたか?


『実習』という単語をみると多くの方は

「辛い」
「寝れない」
「孤独」

といった言葉が連想されるかと思います。

慣れない土地で、慣れない人と触れ、慣れない言葉をたくさん聞き、課題の量も多く、寝る時間も減ってしまう、、、


このように学生にとってはかなりのストレス環境となる実習は、あまりいいイメージを持ちづらいものです。
それに加えて、理学療法士は職人気質で、いわゆる体育会系の名残も強く、指導者-学生の関係では“パワハラ”と捉えることのできるものが未だに横行している傾向も。。。




そんな実習を「辛い」と感じずに過ごせるとしたら、、、


そんな実習を「楽しかった」と言えるようになるとしたら、、、


そんな技があるとしたら、、、




どうでしょうか?


実は、私自身、実習でかなり痛い目に会いました。
とある実習では、21時過ぎても終わらないフィードバック、提出しても真っ赤に修正されて戻ってくる課題、私の耳にも聞こえるほど大きな声で言われる陰口、、、
まさに絵に描いたような『辛い実習』を経験したのです。


いまだに思い出すと辛いのよ…

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その実習は学校の先生の計らいによる【実習期間の延長】を経て、なんとか合格したものの、それがなければ私は理学療法士の道を諦めていたことでしょう。

そんな私だからこそ伝えることのできる、実習を「辛くない」ものにできる工夫があるのではないか。

そう考えて、臨床では『教育』についても学びを深めていきました。
そして、私自身が指導をする立場になってやっと気づいたのです。

”この業界の実習問題はそう簡単に解決しないぞ”と。



「辛い」実習になりやすい理学療法実習

冒頭でも少し触れたように、この理学療法士業界は、「辛い」実習になりやすい要素がたくさんあります。
現在、その防止策として、実習指導者になるためには厚生労働省の認可する条件をクリアする必要が課せられるようになりました。
これが一定の抑止力につながればよいのですが、、、

現状ではまだまだ普及しているとは言い切れない状況にあるため、全ての「辛い」を取り除くことはなかなか難しいと考えられます。
だからこそ、少しでも「辛くない」ものにするための対策が、指導者側だけでなく、学生さん側、つまり、あなたにも必要なのです。



「辛い」実習を過ごさないための鍵は『コミュニケーション』である。

そこで私が注目したのが『コミュニケーション』です。
というのも、あなたが話すことになる相手がCE(臨床教育者)、その他のスタッフ、患者様など多くの場合 “目上の方”となるからです。
ただでさえ、孤独にアウェイの地へ乗り込んでいる身で緊張しているのにも関わらず、なかなか普段接することのない身分の方々と話すとなると、うまく話すことができないのも無理はありません。

しかも、それが自分の進退に関わるとなれば、余計に身が固くなってしまうのも訳ないですよね。

だからこそ、多くの学生さんは「なにを話せばいいのかわからない」と困ってしまったり、「コミュニケーションが苦手だ」と思ってしまったり、、、
なにかとコミュニケーションに対してネガティブになってしまう機会が多くなるのです。


一方で、「いい実習にするには学校で習った理学療法の知識が大事!」という考えも必要です。
臨床の現場では、学校で習った知識が応用されて『治療』という形となっているのは明らかですからね。


しかし、知識というのは宇宙のように広大で、沼のように深いものです。
その知識を何年も第一線で活躍する臨床家ですら、日々勉強しているというのに、
学生さんに対して、それを求めるというのも変な話ですよね。

また、実習に関する研究の中でも、実習は勉強面よりも、コミュニケーション面で辛さを感じたというデータもあります。
つまり、学生さんにとって『コミュニケーション』は、実習において『理学療法の知識』よりも大きな壁となると言っても過言ではないのです。

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かくいう私も、不合格になりかけた実習で、コミュニケーションに対して苦手意識を植えつけられた学生でした。
当時はCEから「はい、この患者さんと少し喋ってみてね。」といきなり患者様と二人きりにされたこともあります。
今でもよーく覚えているのですが、あのときは本当に地獄のような時間でした。
たった数分のことだったと思いますが、CEが帰ってくるまでの時間が永遠に感じられるくらい長かったのです。

急に患者様と話せって言われたって、気軽に話せる話題もないし、発言には気を付けなきゃいけないし、、、

なーんて考えていたら、本当に頭が真っ白になるんですよね。

結果、一言も発することができず、ただただ訪れる気まずい沈黙。。。
全身から冷や汗が吹き出し、そこに座っていることを頑張るしかできませんでした。


ほかにも、私とCEとの関係性が良好なものとはいえない実習もありました。
実習では、学校のようになんでも手とり足取り教えてくれるものだとばっかり思っていた私は、CEから発せられる言葉を待っていたのですが、CEからは「なんかある?」という一言。

そんなことを聞かれても、私もなにを発言していいのかわからなかったので、「大丈夫です」と答えるほかがありませんでした。

むしろ、心の中では「この人はあんまり教えてくれない人なんだなー」なんてことすら思っているほどでした。
今となってはそれが“ヤバイ学生”の代表的な行動だったと思えますが、当時は本気でそんなことを思っていたのです。

もちろん、そんなこんなしているうちに、CEからは【消極的な学生】【やる気のない学生】という負のレッテルを貼られ、不合格をちらつかされるほどに。。。


実は、私が体験したこういった『コミュニケーション』に関するトラブルは、この業界では珍しいものではありません。
同級生や同僚、Twitter上でも、実習の話を聞くと、私の経験など可愛いものだと思える程の、とんでもない話が出てくる出てくる。。。

あなたも先輩から嘘だと思うような、実習の噂を聞いたことがあるかもしれませんね。
もちろん、こうした“困る経験”をすることも、生きる上では大事だったりする場合もありますが…
ただ、実習でわざわざこの種の辛さを経験しなくてもいいのでは?と思うのは私だけでしょうか。

患者様との関わり方とか、その人に合った理学療法プログラムを立案するとか、プログラムの修正をするとか、、、

そういったことで困る経験なら大歓迎ですよね。
臨床でも必ずぶつかる壁ですから、学生の時に乗り越えられたら、こんな嬉しいことはありません。
せっかく現役の臨床家からマンツーマンで教わるという絶好の機会ですから、120%活用して、今後の理学療法士人生のためになるような悩みを抱えていきたいものです。


ということで、このnoteでは私の経験をふまえて、実習で出会う様々な方との『コミュニケーション』を円滑にし、良好な関係性を築くためのコツやテクニックをシェアしていきます。
これを読むあなたが、『コミュニケーション』の土台作りへの一歩目を知り、いい実習を受けることができる一助になれば幸いです。

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このnoteを読み進める上での注意点

と、ここまで

”いい実習生”になるために必要なのはコミュニケーションスキルだ

と提示してきたわけですが、人には個性があります。
なので、このnoteを読んで「これならできそうだな」と感じる人も「無理がある」と感じる人もいることでしょう。

至極当然なことだと思います。

ここに書かれているのは、数あるうちの1つのコミュニケーションスキルに過ぎませんし、実習を楽しむものにする、数ある方法の1つに過ぎません。
ここまでを読んで「合わないな」と思ったら、以下に書かれたスキルを無理して身につけて実習に臨むよりも、自分に合ったスタイルで臨むことをおすすめします。
実習は人生の中では短期決戦であるとはいえ、ある程度の期間があるわけですから、なるべくストレスの少ない方法を選択していきましょう!
ただ、実習で役立つコミュニケーションの1つではあるので、もし、今は「合わないな」と感じた人でも、実習中に困ったら、あなたが取る1つの選択肢としてぜひ試してみてくださいね。




コミュニケーションスキルを磨こう!

さて、まえおきが長くなりましたが、ここから本題に移っていきますね。


まず知っておいてほしいことは、『コミュニケーション』は学ぶことのできる技術であるということです。

つまり、コツやテクニックを知れば、コミュニケーションに対して苦手意識を過剰にもたなくてもよくなるのです。

『コミュニケーションスキル』という言葉があるように、決して先天的な才能やセンスだけでコミュニケーションは完結しません。


ということはですよ。。。




先輩、後輩、はじめましての方、目上の方...
あなたの思い描く”誰とでも話せるコミュニケーション上手な人”は、その裏で失敗と成功をなんどもなんども経験しながら磨き上げた上で得ることができた“コミュニケーション上手”という評価なのです。

あなたを指導するCEも、毎日のように何人もの患者様、スタッフと話し、それを何年も続けてきたからこそ磨かれた理学療法士としてのコミュニケーションスキルを持っています。
私自身、理学療法士として働いてからは、学生の時以上に多くの方と話すことになりました。
しかも、自分の興味がある分野の話だけでなく、医療の話はもちろん、政治やスポーツ、社会問題や経済、歴史、芸術、趣味、音楽、それに、かなりセンシティブなことまで、、、幅広いテーマで話す機会が増えました。

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臨床の場では、似た者同士で集まっていた学生時代とは違い、本当にさまざまな価値観、人生観を持った人と出会うからです。
そうなると、全くの無知であった話題や、苦手な話題、理解が追いつかない話題、時には、嫌悪感を抱く話題などにも言及しなければならない場面が訪れることになるのです。

信頼関係の構築がなによりも大切なリハビリテーションを提供する理学療法士としても、チーム医療の一員としても、社会人としても、せっかくの話題を発展させずに「わからない」とばっさり切ることは避けたいところです。
特に相手の方が出してくれた話題というのは、信頼関係を構築したり、リハビリテーションに役立つ情報を収集したりする上では、重要な役割を果たす傾向にあります。

なので、「正直苦手だ」と思う相手とも同じ時間を過ごさなければならない状況が頻回に訪れるのです。

つまり、我々臨床家にはどんな相手とも良好な関係性を構築するために、様々な話題に対応できる力が求められています。
誰しも共通の話題がある方には親近感を覚えますよね。
そうした親近感こそが良好な関係性を結ぶ上での大きな一歩。。。

となれば、コミュニケーションスキルは“いい臨床家”になるためにも、身につけておきたいものであることは明らかですよね!



必要以上に関わらないことも素晴らしいコミュニケーションスキルの1つ

しかし、これを読むあなたはまだ学生です。

いろんな人から全ての話をちゃんと聴くことのできる“聖人”のような人を、いきなり目指すのはかなりのハードルがあります。

だからこそ、そのハードルを超えるために、実習を『練習の場』として活用してみましょう
また、実習では、そういった相手でもストレスをなるべく感じないように付き合う方法を、《見学》という形で、CEを通じて体感してきましょう


とはいえ、注意してほしいのが、学生さんは、現時点では関わるのが嫌な相手(たとえばパワハラをしてくるCE)がいたら、“必要以上に関わらない”という選択肢をとってもいいとおもいます。
それも1つのコミュニケーションスキルですからね。

我慢して自分が壊れるくらいなら、距離を保ちましょう。
そういった関わり方も社会人としては、必要になってきます。
これからいろんな人と出会い・関わることになると思いますが、もちろん、合う人もいれば、合わない人もでてきます。
長い人生です。
反面教師にしながら、次の出会いを気長に待ちましょうね。


ただ、、、
一般論としてこれだけは覚えておいてください。

《一時の感情で相手を拒絶してしまうと、新社会人としては先が思いやられます》

好き嫌いなどの一時の感情で、自分の可能性を過度に狭める必要はないと私は思います。
そういう人でも理学療法士としては、臨床で活躍できている・患者様を笑顔にしているという面があるので、もしかしたら、長く関わっていく中で、違った一面が見えてくるかもしれませんし、そもそもあなたの思い違いかもしれませんからね。

なので、CEがあなたにとって苦手な人でも、様々な耐性がない今は、”一種の社会勉強”だとおもって距離を保ちながら、限界を迎えない程度に、付き合ってみるのも手なのかもしれませんよ。
そんなときは『実習をスムーズに進める』という目的で、実習だけの関係性と割り切って乗り切るのがおすすめです!

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はせがわ流”コミュニケーション上手になる秘訣”

では、ここからはコミュニケーション上手になる秘訣をお伝えしていきます。


その秘訣とは、

『敬意』と『興味』を持って聴くこと

これに勝るものはありません。


この2つは、私が数十冊のコミュニケーションに関するハウツー本を読んだ際に共通してみられた秘訣です。
必ず意識しましょう。
この2つの秘訣に沿った行動ができれば、あなたの実習ライフは安泰なものになることでしょう。


そしてあらかじめ断っておきますが、今回のnoteで目指す実習生さんに求められるコミュニケーション上手とは『どんな話題でも対応できて、次々と話題提供のできる人』ではありません
そういった方もコミュニケーション上手と言われますが、それには本を読んだり、勉強したり、たくさん人と話したりするなど多くの人生経験を積む必要があります。
さすがにそんな達人芸を、このnoteを読んで今すぐに習得するのは厳しいものがありますよね。

そうした上手さは今後身につけていくとして、
ここでは『教えてもらえる人』という”聴く”ことに徹したコミュニケーション上手な人を目指していきましょう

そうすることで、CEからは理学療法のことを教えてもらえる可能性が広がっていくのです。
また、それだけでなく、患者様からはリハを進める上で有用な情報を教えてもらうことができるようになるでしょう。



学生さんが目指すべき『教えてもらう人』とは?

『教えてもらえる人』になるためには?
それを紐解くためにも、CEの立場になって想像してみてください
※以下の例の中には学生さんにとって、嫌な表現だと感じるであろう箇所もありますのでご了承を。



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最後まで読んでいただきありがとうございました! このnoteはレッドブル片手に作成したものです。 サポートいただいたお金は、執筆時の”翼”としてありがたく活用させていただきます!