足底筋膜炎症例の歩行動画分析!評価・治療・インソール処方についてのポイントについて!(無料公開)
どうもです!足部特集の1ヶ月はどうでしょうか?
どんどんリクエストお待ちしております。
さて今回は先週の歩行分析の方法を用いて実際の症例動画をみてみましょう!
今回は足底筋膜炎の症例さんの歩行分析を丁寧にみてみましょう。
足底筋膜炎の病態について
どの疾患もそうですが。データベースは非常にたいせつ。すでにわかっていることやデータ、病態を知っておくことは基礎です。
足底腱膜とは踵骨隆起前内側突起〜基節骨底、底側靭帯との間にある組織。
主な機能としては足の内側縦アーチに関与し足部の安定性を担います。特に歩行立脚前〜中期にかけて足趾の屈筋群と共に緊張を高めて足部の衝撃吸収を行う。
足底腱膜炎は特有の症状があります
・朝起きた後の一歩目が痛い
・長い時間座った後の一歩目が痛い
・歩いていた方が痛みは楽になる
・爪先立ちで痛くなる
痛くなる場所としては
踵に近い部分
土踏まずの部分
がもっとも多いです。圧痛もあるので確認してみましょう。
足底筋膜炎の原因になる3つの要素
いずれも足底腱膜に「伸長ストレス」が加わることが問題。
1内側縦アーチの低下
アーチが沈み込み低下してしまうと足底腱膜に伸長ストレスが加わることが原因。
主に立脚中期に加わるストレス。じゃあなぜ内側縦アーチが低下してしまうのか?
足部内在筋の機能低下(指の力が使えない)
距骨下関節の過回内
距舟状骨の過回内
などの理由が複雑に絡んでいます
2踵の離地が早い
歩行立脚後半に踵の離地が早期に起こり、蹴り出し足の足趾の伸展が過剰になる。これによって足底腱膜に伸長ストレスが加わるパターン。
主な原因は下腿三頭筋の伸長性低下。
下腿三頭筋が短縮すると踵骨を前方に傾斜させて結果的に足底腱膜にストレスを加えやすくなる。
3踵の離地が遅い
歩行立脚後半に過剰に背屈して足底腱膜に伸長ストレスが加わる。
原因は
・足関節の過剰な背屈
・アーチ機能の低下
・距骨下関節、距舟関節の過回内
のいずれかです。
足底腱膜炎の治療
上記のように原因が3つに分かれます。つまり治療も3つに分かれるということ。
1内側縦アーチの低下→足部内在筋トレーニング、距骨下関節・距舟関節の回外誘導
2踵の離地が遅い→足部の過剰な背屈、アーチ形成トレーニング、距骨下関節・距舟関節の回外誘導
3踵の離地が早い→下腿三頭筋のリリース、ストレッチ(特にヒラメ筋はよくやりましょう)、MP関節の過剰な伸展
となるわけです。
だから「足底腱膜のストレッチ」だけではよくならないのです。またアーチの形成には母趾と足趾、後脛骨筋トレーニングが重要です。
原因を見極めて治療を的確に!
という基礎をしっかり叩き込んだ上で臨床に臨みましょう。
はい、ここからが本番です。
足底筋膜炎のクライアント歩行・片足立ち動画
まずはこの歩行を分析してみましょう。
吉田の歩行分析通りいきますよ。
1立脚期から分析
2立脚の初期、患部からみる
3患部のメカニカルストレスを捉える
4側方へのブレ、リズムの崩れを見る
5どの層に問題があるかを分析する(初期、中期、終期)
この通り進めると
1立脚期をみる→うん。右側の立脚期に着目
2立脚初期と患部をみる→初期の足底〜足関節をみてみる
3メカニカルストレス→距骨下関節がかなり回内している
4側方へのブレ、リズムの崩れ→下腿が外側にぶれる。リズムも崩れている
5どの層に問題があるか→立脚初期
こうなります。
最強にシンプルにしています。
で、わかったことは
・右側立脚初期に外側に下腿がぶれる(距骨下関節が過回内)
ってことです。つまりこれがメカニカルストレスとして足底に伸長ストレスかけてるんじゃないの??って話になります。
ほ〜・・・あれ?歩行分析だけだと足底筋膜炎の原因の3つにキレイに当てはまらない??
そうです、これが臨床です。
歩行分析だけではキレイに判断できることは少ないです。
クライアントさんへの具体的な介入
というわけで問題点を整理すると
1歩行分析→右側立脚初期に外側に下腿がぶれる(距骨下関節が過回内)
2触診→アキレス腱周囲、下腿三頭筋のタイトネス→踵離地が早い
3触診→内側縦アーチ低下
この3つのストレスを回避すれば足底腱膜に加わる痛みも変わるはず・・という仮説で介入しました。
評価は以下の3つ↓↓
・問診
・歩行分析
・触診
問診、歩行分析で立てた予測を触診でより確かな評価にしていく感じですね。
触診にて
・kager`s fat padのタイトネス
・下腿三頭筋(特にヒラメ筋)のタイトネス
・距骨下関節の回外制限(過回内)
・内側縦アーチの低下
を確認して施術をしました。
全部で問診〜評価〜治療まで1時間。
介入は1回だけですが、セルフケアを続けており、現在も痛みなく問題なしです。よかったですね^ ^
はい、なんとなくわかった人もいると思いますが。症例はPhysio365ライターのヨシモトですw
普通に施術とインソール作成希望できました。かなり前の事ですが(^ ^)
無事で何よりです。
もしインソールで処方するのであればここにパッドを入れる
最初、クライアントさんからインソール処方をお願いしていたのですが。
吉田は足部の状態、靴を履く頻度、痛みの程度から総合的に判断して
まずは施術→よくならなかったらインソール
で治療方針を提案しました。
結果。
インソールまで処方することなく終わりました。
もし吉田がこのクライアントさんにパッドを処方する場合は
この3つを軸にします。
・立脚初期の外側のストレスを回避→立方骨にパッド処方
・アキレス腱の伸長ストレスを回避→後足部にパッド処方(踵離地を早める)
・内側縦アーチの補助→載距突起にパッド処方(距骨下関節の過回内防止)
パッドの処方も超シンプルにすると
「避けたいストレスを回避する場所にパッドを貼る」です。
これも次回あたりに説明していきたいと思います!!
※今FreePTsalonのインソールチームでパッドを使用したカスタムインソールを作成しています!完成次第お知らせしますね^ ^
まとめ
・足底腱膜炎に影響する3つの要素を理解(内側縦アーチの低下、踵離地の遅いor早い)
・歩行分析をシンプルにまとめる(立脚、患部、ストレス、層分け)
・あくまで歩行分析は主観的な評価。その他の理学所見から総合的に判断する
・パッド処方の場合について
を説明しました!
ぜひ参考にしてみてね!!
ではでは〜〜!!
ライタープロフィール
WeeklyPT&POSTさんで面白い取材になりました!また後日WeeklyPTで!
吉田直紀
理学療法士・ピラティスインストラクター!代々木・つくばで自費リハビリを展開。その他メディアとして月間10万PV「Reha Rock」、理学療法士のオンラインサロン「Free PT salon」を運営。Physio365編集長。
運営ブログ:Reha Rock
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