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世の中に溢れる効果のない「なんちゃってリハビリ」に気づいている人へ

どうもあけましておめでとうございます。

本年もPhysio365をよろしくお願いします。

朝5分サクッと読めて臨床力がアップするマガジンを目指して^ ^


では本年1発目のタイトルは「なんちゃってリハビリ」です。

・ただ患者さんを寝かしてマッサージ(徒手療法ではない)
・「お散歩しましょう」という誰でもできる横について歩く歩行訓練

つまりリハビリと呼べないようなリハビリです。2013年あたりに理学療法士協会の半田会長が話したことです。


もしなんちゃってリハビリが日常的になっている場合はマジでやばいです。

一番問題なのは職場全体がこのような感じで、誰も「なんちゃってリハビリに疑問を持たない」ことです。


そんな職場や人にこのコラムを見せてあげてください。(全文公開にしています。)


本当になんちゃってリハビリはあるのか?

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なんちゃってリハビリという言葉はリハビリ現場を視察した理学療法士協会半田会長がお話したことです。

では実際の現場レベルではどうなのか?ほんとにそんなリハビリあるのか?

ここからは吉田の体験でいきます。

はい、あります。


・ただ寝かせてマッサージ→よくあります
・ただ散歩する→よくあります


はい、本当に現場レベルでよくあります。大きな病院でマンモスなところほど起きやすいです。(誰かの目が届かないから)

なぜこのようなことが起こるのか?

考えられる要員はいくつかあります。

・勉強していない→わからない→だからルーティン化する
・単位で給料が決まるので、成果主義ではない→臨床頑張っても給料が変わらない
・やる気がない
・職場の雰囲気


などなど。多分もっとありますね。全てを一気に解決するのは難しいですが。少しでも今回のコラムが誰かのセラピストに火をつけられたら嬉しいです。


そもそも僕らは人を治す知識と技術をもったプロフェッショナルだ

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言葉の使い方をあえて荒々しくしていますが。「治す」って言葉。

もちろん医療行為をできるわけでもないし、「治す」って言葉は使ってはいけないです。でも。

患者さんからすれば

・関節の動きが変わって動くようになった
・痛みがなくなった
・できなかった動作ができるようになった
・歩けなかったのに歩けるようになった

これは患者さん目線からは「治った」という感覚です。

実際。理学療法士は確実に人の体へ変化を与えることができます。

・解剖学、運動学、生理学の深さ
・論文を読むことができて科学的根拠を元にリハビリができる
・バイオメカニクスを深く知っている
・先人が積み重ねた知識と技術を受け継ぐことができる(学問の強み)

このような武器があります。(他にもめちゃあります)

しっかりとこの武器を組み合わせれば、

相手の痛みや悩みを変えることができるのです。あなた自身の手で。

素晴らしい仕事です。


1回のリハビリで即時的な変化を出そう

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これも臆せずいうのであれば。

1回のリハビリでちゃんと相手に価値が伝わるような「変化」を出しましょう。


もちろん、変化が出しにくい疾患や環境もあります。

その場合は、その理由を論理的に説明できるようにしてください。(それがリハビリの実施計画書です。誰に説明しても納得が得られるくらいの計画を立てていますか?関節の可動域はどれくらいで変わりますか?筋力は?それらは論理的に説明できるはずです)


なぜ変化が出ないのか?
なぜ変わらなかったのか?
そこに科学的な根拠と行動があれば納得できます。
でもただ寝かせてマッサージしたり散歩していても。
何も変わりません。


それはプロフェッショナルなリハビリではありませんし、プロのセラピストでもありません。相手の貴重なリハビリ回復時間を奪っているだけです。


誰でもできるようなことを国家資格をぶら下げてやるべきではありません。圧倒的な勉強をしてきたプロだからこそできることをやりましょう。


「勉強をする時間がない」は全てを放棄していることになる

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ただ卒前教育だけじゃ臨床に必要なことはまかなえません。

常に勉強することが必須になります。

でも
「勉強する時間がない」
「休日を勉強に当てたくない」
「勉強してもお金にならない」

という返答が返ってくることがあります。1つずつ厳しく返しますw

1「勉強する時間がない」→これだけネットで情報があり増えているんだから、時間はいくらでもある。時間の使い方の問題。
2「休日を勉強に当てたくない」→平日効率よく勉強すればいいし、勉強会に行かなくてもネットと臨床で勉強できる
3「勉強してもお金にならない」→そもそもセラピストは儲かる仕事ではないので、お金目的だけなら違う仕事をしたほうがいい

です。

そう。勉強するのは責務です。(鬼滅の刃)

セラピストという資格をもらった以上、勉強していくことがあなたの責務。

その勉強はダイレクトにお金には変わらないかもしれない。

でも人を「治す」力になります。

それはAIやIoTやロボットにもできないことです。

今後最後まで残り続けるのは。

最後のインターフェイスが人間でできるサービスです。

理学療法士はその1つだと思います。


高い仕事満足度ランキング2位になっている現状と理由

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そもそも論ですが。理学療法士ってめちゃんこ楽しいし面白いし、やりがいのある仕事です。

2007年のシカゴ大学の約5万人の男女を集めて30年かけて職業リサーチを行った研究です↓

もっとも満足度の高い仕事BEST5
1聖職者
2理学療法士
3消防員
4教育関係者
5画家、彫刻家

です。はい、2位に入っています。

実は人間の仕事の満足度は給料ややりがいでは決まりません。(これは科学的な論文でわかっています)


仕事の満足度をあげる要素は・・・

他人をきづかい・他人に新たな知見を与え・他人の人生を守る

これが仕事の満足度をあげるのです。

つまり他人の生活に直接影響を与えられる仕事が満足度をあげるのです。

そうそう。理学療法士は結構最高な職業です。



魔法が使えるセラピストになってください

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僕は10年以上前に出会った臨床現場のセラピストを見て「魔法」だと思いました。

・10年以上杖だけで歩いていた脳卒中の患者さんが杖なしで歩いたとき
・痛くてあがらなかった1年以上の肩関節周囲炎が20分で上がるようになったとき
・インソールだけで装具が外れたとき

僕が最後に見た実習の現場で初めて「プロフェッショナル」を知りました。


でもそれは「魔法」ではなく、何十年も積み重ねた知識と技術と情報を組み合わせた彼らの「リハビリ」でした。


これから理学療法士になる方。

理学療法士に希望がもてない方。

もうやめようと思っている方。

魔法のようなリハビリを手に入れるまで諦めないでください。

その力はたくさんの人を幸せにすることができます。

たくさんの人を救うことができます。時間はかかります。勉強も必要です。

でもどんな科学技術もまだそこには到達できません。

可能性のある力であり、分野です。

もっと可能性を信じてくださいね。


ではでは。

可能性がわからなくなったらいつでも連絡ください。

臨床見学したい場合も相談ください。

ちゃんと評価〜治療〜運動をロジカルに説明していきます。

もし説明できないor論理的ではないことを始めたら。

理学療法士の資格は返上します。

だからなんちゃってリハビリなんてものは返上していきましょう。

本物になるために。


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