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整形クリニックで働く人が知るべき?臨床で活かせる脳科学4選(スペシャルライター古後)

今回はスペシャルライターの古後さんです!!

ではどうぞ↓

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こんにちはライターの古後です!

いまや整形分野に勤めているから脳科学をしらなくても良い!

というのは

ナンセンスです。


これは私自身が

整形クリニックで働いていて

機能解剖学や関節運動、バイオメカニクスあたりを中心に勉強しました。

それはごく自然なことだと思います。(それが悪いわけではありません)


・・・・・・が、しかし!!


なんかうまくいかない。。ということが多々あります。

そこで回復期勤務時代に勉強していた脳科学がもう少し活かせないだろうかと考えました。そんな模索をしながら、私が実際に整形外科の臨床で活用してきた脳科学をご紹介します!



1.リハビリ効果を持続させる運動学習

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リハビリを実施した時はすごくよかったのに、別日に再評価したら元に戻ってた・・
そもそも来院頻度が少なくてリハビリ効果を蓄積できていない・・・

なんて経験一度はあるのではないでしょうか??

そんな時に知っておくとよいのが

運動学習理論です!!!

人が運動(スキル)を学習していく過程として、

①認知段階
②連合段階
③自動化段階


という順序をたどっていくので、それぞれの段階に合わせた戦略をとる必要があります。


①認知段階

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認知段階とは何を行うか理解し、言語的に戦略を考える段階と言われています。(英語で考えるとWhat)

認知段階ではわかりやすい課題を用いて、理想的な運動を示した上で、視覚を中心とした外的フィードバックを用いることが必要とされています。

セラピストによる教示やフィードバックは学習に効果的か?
谷浩明 理学療法学21(1) 69-76 2006

理想的な運動って何?...

って思うかもしれませんが、目標の共有(動機付け)というところが重要です!いわゆるHOPEの確認をきちんとしましょう。

また、健側の動きを見てもらったり、自らがお手本を示すというのは、理想的な運動として提示しやすくなります。



○フィードバックの方法

”鏡”を用いたものが一般的です。

※視覚的に捉えるのが難しい場合などは動画を撮影して見せるというのも有効ですね。(許可はちゃんと取ってくださいね^_^)

視覚でフィードバックをするのですが、さらにそこに言語的なフィードバックも加えます。


○フィードバックのタイミング

運動遂行中に比較的頻度よくおこなうのが学習初期では有効です。ただし…毎回フィードバックをすることが学習に有効なわけではありません。

学習初期においても、毎回の外的フィードバックを与えるよりも、2回に1回のほうが以後のパフォーマンスは良いと言われています。
(運動学習のABC 大橋ゆかり 文光堂)

言語的フィードバックの付与タイミングの違いが運動学習に与える影響
山本良平 理学療法学30(5) 765-769 2015


○認知段階の脳はどうなっているのか

学習初期では前頭前野がワーキングメモリーを担います。
感覚情報に依存した学習ともいわれています。

※前頭前野とは
考える、記憶する、アイデアをだすなどの人間が人間らしくあるために最も重要な働きを担っています。

ここが損傷されていると、易怒性や性格変化、記憶障害や行動障害などがおきます。前頭葉萎縮による認知機能障害などがわかりやすいですかね。
(なので認知機能が低下している場合は運動学習理論は適さないです)

その前頭前野が担うワーキングメモリーとはいわゆる作業記憶というやつで、入ってきた情報を脳内にメモ書きして、その情報を整理し、不要なものを削除することです。

運動学習初期においては必要な感覚情報を取り入れて不要な情報を削除した状態で学習につなげていくという状態です。

情報のリテラシーを高めていっている状態ですね。


②連合段階

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連合段階とはどのように行うか、様々な連略が試される。
(英語に置き換えるとHow)

連合段階では認知段階よりも視覚フィードバックを減らし、固有感覚によるフィードバックを徐々に増やしていきます。


固有感覚によるフィードバックとは固有受容器によるもので、皮膚感覚や位置覚・運動覚、前庭感覚などが含まれます。

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