TAT(主題統覚検査)/性格検査・投影法 (診療報酬450点)
1.概要
TAT(Thematic Apperception Test)は日本語では「主題統覚検査」と呼ばれる投影法による心理検査です。
1935年にモーガン(C.D.Morgan)とマレー(H.A.Murray)による論文で紹介され、1943年にマレーが手法を完成させました。
本検査はマレーの「欲求-圧力理論」に基づいています。
この理論は人間の欲求と外的な圧力とを二元論的に分けて考え、パーソナリティを欲求と圧力の相互作用で捉えます。
詳しく言うと、受検者が「葛藤状況をどのように認識し、どのような対処行動を行うか」といった性格・行動傾向から、パーソナリティを明らかにしていく検査です。
個人的な感想ですが、ちょっと無理があるんじゃないかなと思っています。
2.図版
本検査は、様々な場面が描かれた絵を見せて「絵を見て、その絵から思い浮かぶ物語を作って話してください」と伝えてから開始します。
図版は葛藤場面が描かれた30枚と白紙1枚が準備されています。検査者が30枚の図版のうちから10数枚を選んで使用します。
この時点でおわかりと思いますが、ふわっとしています。
図版の多くには人物が描かれていますが、何枚か人物が描かれていない図版もあります。
例えば図版1は子どもとバイオリンの図で、家族に関するテーマです。図版2は農場と女性(正面向)と男性(背面向)の図で、家族や対人関係に関するテーマです。
そうです!検査名の「Thematic」「主題」は図版が表すテーマのことなのです!
こうやって具体的なイメージを持てるとすぐ覚えられますね。
3.実施法・解釈法
マレーの原法では、図版を20枚使用し、2日間にわけて1日10枚ずつ行います。
が、この方法で実際行われることはほぼありません。現在では1日で行なわれる事がほとんどです。
図版は比較的自由ではありますが、受検者の性別と年代に対応したものを使用します。
例えば3枚目の図版は「図版3BM」となっています。
Bはboy、Mはmaleの頭文字で、少年と男性向けの図版となっています。
呈示順番は基本的には図版の順番どおりで、TATへの導入として重要である「カード1」を最初に呈示して始まります。
各図版における、初発反応時間(最初に内容のある反応語が出るまでの時間)は測定しておきます。
TATの分析は、受検者の語り(物語)の内容を精査していきます。
分析・解釈方法には、マレー式、ベラック式、戸川式など様々な方法があり、標準的な方法は未だないです。
4.製品
日本版はほぼ欠品状態で、検査としては絶版状態ですね。
感想
製品販売が行われていないことからも、実際にはほぼ使用されていません。
試験には出るかもしれないので、イメージだけは持っておきましょう。
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