ワークライフバランスからの卒業

心のどこかではまだ、嘘なんじゃないかと思っている自分がいて、もう2か月以上が経過しているのに、「嘘の可能性」にも備えていた。上司や周囲からかけられる言葉によって、確実にその日は近づいていると分かってはいても。

そんな自分に、昨日と今日ではまったく違う変化がおとずれた。それは、会社のトップに立つ人からその言葉を聞いたからだ。君もいよいよだな、頼んだよ、と、それが決定事項であることに疑いの余地など無い響きで。当然のように、しかし力強く、その言葉をかけていただいて、これまで再三にわたってモチベートしてくださった上司や担当役員の方には全く他意はないけれど、やっぱり「トップの一言」があるのと無いのとでは、この話のリアリティというか、いよいよ実話なのだという確信度合いが、けた違いに跳ね上がった。1日が過ぎて、今日もまだ「嘘でした」という話が出ないまま終わったということは、また少し、実話へと近づいたのか。毎日の終わりに、今日も撤回がなかった、また今日も撤回されなかった、次の日も、その次の日も、なかなか嘘だとは言ってくれない。そうやって、この話が撤回される確率が毎日少しずつ下がっていき、結果的に当日を迎えて、結果論として自分はそのリアルを受け入れていくのだろうと思っていたが、そういう時間に比例した自然な受け入れ方とは異なり、現実が突然ショートカットで目の前に迫ってきたような感覚。

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