ポイ活卒業後の進路について
好ましくないポイントは、〇円分の価値を利用しようとすると、その利用先の相場自体が他より高く、実質的にはかえって余計な出費を喚起されてしまっただけ、というのがまず代表例とされる。その点は百も承知の「上級者」は、余計な買い物をしてしまって本末転倒とならぬよう、絶対に失敗しないための選択を熟考し、1つは航空マイルに還元して「旅行」という人生の満足度に寄与するのだ、として定量物を定性化し、損得勘定の外側へと論点を昇華させてしまうか、もしくは逆に、最も定量価値を損なわないもの、すなわち「現金」に還元するところまでこだわるか、大別してこれら2つのコースに行き着く。
「どうせ出費をするなら、少しでもその一部がリサイクルされて戻ってくる仕組みの上にのせておきたい」という、ポイ活はそんなメンタルによって下支えされて始まる。
やがて、0.1%でも還元率の高いほうへと徐々にマニアックになっていき、あれこれサイトの会員になって、せっせと時間を使い始めるも、ふと、他に興味のあるものや趣味ができたりすると、「あれ、なんでこんなことに時間を使っていたのかな」と冷静になり、無駄に増えたあちこちのカードやサイトからのメルマガも煩わしくなってきて、いまどのサイトに何ポイントあるのか、ルーティンも乱れてくるとともに、やがては失効したり、ポイント交換の下限値に至らず使えないままだったりして、ますます興味関心が薄れていき、あれほど「漏れなくムダなく網羅した」はずのポイント包囲網のあちこちに、数円から数百円ずつのポイント墓場ができていく。
こんな現象に陥ることなく、何年もの間、ずっと最新の情報をチェックし、少しでも「効率的」なポイ活ルートを追いかけ続けている猛者たちもたまにはいるが、そういう人に共通しているのは、ブログを代表とした各種SNSでその実績を公開している、という点である。つまり、猛者たちの動機はもうポイントによる還元そのものではなく、「そのように賢く生活している自分を承認してくれる方々からの承認」が動機の主たる部分を占めているから続けているのであり、またそこでの「承認」もアフィリエイト的に何らかの形でお金になる仕組みがあるので、それら全部ひっくるめての生態系を自分の中で確立しているといえる。
そこまで築き上げるまでのモチベーションはなかなか続かないだろうな、と考える一般的な、たとえば自分みたいな人間は、いまあらためて「出費したものが一部還元されるシステム」の存在を、どう考え直せばいいのか。そこに最も算入せねばならない変数は、「自分のやる気が続かないことを前提として」という要素なのだ。月々の作業量を極小化し、そこにもっていかれる思考時間をできる限り0に近づけるとともに、それでいて、いつの間にかとられている手数料などの、「放置コスト」もかからないこと。この状態をつくる、いわば経営がめざすのと同じようなことを、ここでもやる、ということになる。
たとえばクレカであれば、会費は永年無料か、もしくは損益分岐の条件があったとしてもその条件は特に意識することなく自動的にプラス側を満たせる、といういずれかに絞ることが必要で、「あれこれやれば実質、元はとれます」みたいなものは、その思考に割く時間をなくしたいので、持たないようにする。例えば「誕生月にまとめて〇〇すればオトク」みたいなのが断捨離の代表例で、これに縛られると思考がそこへもっていかれるので、カットする、一方で、例えば「投信自動買付による」というケースは、一度設定すれば思考がいらないのでOK、と、こういう風に。基準は、思考の一部を占有されるかされないかで分ける。最悪、自分がそこに興味を持たなくなった時でも大丈夫だろうか、と考えるわけだ。
そんなわけで、今がまさにその「興味の持てない状態」に近いはずなので、この自分でもできる程度の最低限のルーティンを検証し、さらに削れる部分は無いか考えるために、順番に書いていこうと思う。自分のためのメモなので、役に立つ可能性はかなり低いこと、予めここに宣言する。
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