リショクとリコンとリテンション
人事ではない人は読んでも共感できないと思うのでおすすめしません。
人事やってる人にはちょっとでも共感してもらえたらうれしい。
そんな話をします。
会社に隷属している人とか、忙しくて私生活に不満足な人たちとか、あるいは周囲にそういう人間だって思われてるんだろうな、と自虐的に揶揄して使う言葉に、”社畜”という表現があるようだ。
でも、実は逆なんじゃないか、ってよく思う。大企業の偉い社長が、かわいそうな弱き労働者を強制労働させて搾取する、そういう強弱関係を前提とした法律や価値観を疑ってかかる人は少ないが、「宣言」こそないだけで、実はもうとっくにそんな時代は逆転していて、イヤなら他へいけばいいという人が圧倒的多数を占めている現実に、まるで誰もが気づかないふりをしているかのようだ。そして、「そんなイヤだったら辞めればいいのに」と思われるような、なのになぜか辞めずに会社や職場をクソだとかオワコンとかいってバカにしてるような奴が、悲劇の主人公気取りで、会社を「家畜」化して好きなだけサンドバックのようにして毎日殴ってやがる。
人事の人ならみんな思ってることがある。
「なぜこの国はいまだに、社員の離職は自由で、会社から離職させることは不可能だ、などという不平等条約が撤廃されないんだろうか」
女性からの離婚はできるが、男性から離婚することはできない、って法律だったらどう思うか。むろん、男性のほうが平均収入が多いんだから弱者保護の観点からも当然だろう、といった理屈も完全な暴論とまでは言わない。だから、仮にこんなルールがあってもいいんじゃないか、いや、よくないんじゃないか、という価値観の論争は、ここではどうでもいい。そんなことよりも、シンプルに、何が起こるかだけを想像してみてほしい。
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?