仕事について
はじめに
最も大事なことは「余計なことをしないこと」
とくに大学1、2年生の子達はしっかりわかっていてほしい。
それ以降で新卒ベンチャー行くやつはやべえよ。
世の中のいわゆるメディアに出ている大人たちは声高にいう、ビジネスインフルエンサーなどがよく「今の若い子達は発信力を身につけてほしい」と。
嘘です。
本当に業界で食えてる人は皆黙々と仕事をしています。
発信力なんか必要ないです。死ぬほど金を稼いでいる人はSNSもあんまりやりません、youtubeも出ませんし、得体の知れない雑誌のインタビューも載らないし、noteなんかやりません。
僕が一緒に仕事をしている弁護士や弁理士は特に顕著で、彼らはSEO手付かずの非常に簡素なHPとメアドしか持ってないです。理由は簡単で、集客の必要がないからです。
僕はとある上場企業と元JA◯COの役員さんからのご紹介でお仕事受けていただきました。また、元財閥系商社の出身の方々にもよくみられるのですが、優秀なPMほど全くSNSとか手付かずです。まあ高級料亭とかと一緒ですね。
あとは某和の虎とかに出てくる人とかスタートアップ、あるいは医学生インフルエンサーなどは、その前評判の割に実務能力に疑問符がつく方ばかりでした。
特にSNSの厄介なところは指向性のある人間関係がマーケティングの関係上醸成されやすく、容易くエコーチェンバーを作ります。
わかりやすい話で例えると、反ワクやフェミニズム、SDGsやインパクト界隈と呼ばれている人たちです。乱暴な言い方をすればスタートアップもそこに入ると思います。〇〇さんと仲の良いグループを中心としたコミュニティが形成されやすいです。
なので、迂闊に王道から外れないでください。
今も昔も英語の勉強や大学の勉強を頑張り、一流企業から内定をいただき、そのうえで40,50,60になってはじめて一艘の船として漕ぎ出してください。
体験談
僕はあなた方がおそらく憧れるであろうトロフィーを乱獲しまして、医療系のベンチャーで幹部として活躍し、学生には分不相応な給料をいただき、コンサルや代理店でお仕事をさせてもらい、ビジコンを総なめして起業して、一流VCから資金調達して五年目になります。
でも学校の人は誰も知らないし、テレビや大手医療系メディアの取材は断ったし、ビジコンに出たのは創業前の一年だけでした。SNSもほとんど動かさず、HPも全く作りませんでしたし、会社もギリギリまで自宅で、電話番号も載せていませんでした。VCからのしつこい出資の申し出も「HPを見ました!」(嘘乙)とか「PR見ました」(うちが出してない)とかテンプレかどうかがよくわかり、楽しかったです。
とはいえキラキラしたものに憧れるのはやはり若者の特権ですが、内面の成熟は下積みによって培われ、その後初めて脚光をあびる方がよほど自然です。
不自然に脚光をあびると、すぐに馬脚を露わす羽目になります。だから真っ当な社会人から忌避感を持たれがちなんです、スタートアップ村は。
口先だけのFake野郎が多く、二言目には良い挑戦だった。です。
まじでろくなもんじゃないです。
大手広告代理店時代に某化粧品メーカーの広告案件にアサインされて結構先輩のコピーをボコボコに添削しました。理由は簡単で詐欺だからです。本当はそんな性能ないのに、厳密には嘘をつかなければいい、みたいなスタンスで仕事をするのが本当に嫌でした。
羊頭狗肉という言葉をご存知でしょうか?調べればわかるかと思いますが、羊肉(高価)をだしますよと言って狗肉(すごく安い)を提供する料理店のことです。
ところがどっこい、スタートアップは話盛るやつしかいません。まじでろくなもんじゃないです。(2回目)
最近ワイドショーに出てる若い人も増えてきました、テレビもまた広義のメディアになります。つまり、タレントはなんらかの主張の代弁者になるわけです。
代理店時代によく上司に連れまわされてCM撮影やら番組の打ち合わせやらで色々お話聞きましたが、あれも一種の創作物で、穿った言い方をすると演者も一つの画材にしかなりません。自分で考えてしゃべることなど少ないです。
なのでテレビ取材を断った理由もよくわかると思います。
ポジショントークの片棒担ぎをやって小銭をもらうなんてはずかしくてできませんし、Z世代が医療課題を斬る!!なんてしたら俺の医療機器を誰が買うねん。
メディアに出る意味とは?
経営においては本質的には承認欲求を抑えて、コンバージョンの高い施策を打ち続けることが最も大切です。結論、ビジネスとは多変数関数で、利潤を最大化するために色々な変数の最大最小をいじるという行為です。
真面目に大学受験をしていた鉄緑生ならば、多変数関数の最大最小問題を骨の髄まで叩き込まれているのでわかるはずですが、変数自体の数は定数とみなして可能な限り少なくしてからどんどん式変形して最大最小を見つけた方がいいです。
赤字を最小化して、黒字を最大化する一つの数式です。
代理店時代の上司はずっと口癖のように流入の多い動線から着手しろと言っていました。
仕事もそうです。
発信力を身につけるよりも目の前のクライアントに張り付いた方が報酬が上がったりサービスの性能は向上します。
闇雲なポジショントークに惑わされないでください。ようわからんイベントで講師や登壇者、審査員を務める人がバチくそ無能なことなんてざらです。意外と全然稼げてないです。第一、ちゃんと本業で稼いでたら、時間対効果が悪すぎるので僕みたいに全部断ります。
余談
社団法人とかクソみたいな業界団体を立ち上げるアホが最近増えてきました。ビジネスの周りをブンブン飛ぶ蠅みたいなものです。冷静に金を稼ぐためでなければ、この資本主義の世界においてはそもそもの存在の是非を問われます。助成金にしがみついて生きるポエマーの自己弁護集団でしかなく、得体の知れないSNS投稿のために時間と善意を搾取されることが多いのでそういう香ばしい奴らとは距離を置いた方がおすすめです。
あと最近、VCのファンドの償還期限が迫ってきたり、n号ファンドの組成ができないVCも増えてきたんで、Evilなことをする馬鹿が多いです。特に渋谷。
具体的な言及は避けますが、昨今の潮流だとついに大学生に起業を勧めるどころか高専、高校生に起業をさせようとしています。
僕は以前例の彼のAIイベントに登壇した際に(なぜか当時は出資されていないしAIを使ってもいなかったが気に入られていたので)、慶應高校とSFCの2回生から連絡をもらって、ご飯に連れて行ったら、目をキラキラさせながらビジネスモデルの壁打ちを頼まれました。中身がクソなのはもちろんですが、それ以上にそこのGPと話した際にそのネタ×AIならいつでも投資すると言われたそうです。タームシート(のような非常に稚拙な覚書)を見たら中々なことが書かれてました。
日米修好通商条約かと思いました。
真人間と商売をしたければ、自分が真人間になるしかないです。
最後になりますが、下積みのない人間の息の短さはオ◯ラジが教えてくれましたね。オリ◯ジはレギュラー番組が一年で0になったそうです。中田◯彦の末路から考えると、迂闊な冒険をすると信者ビジネスでしかお金を稼げなくなるものです。未経験で起業なんて馬鹿な真似はやめて、おとなしく勉強して仕事を覚え、少しづつ一人でできることを増やして、サプライチェーン的なものが作れて描けるようになってきたら独立しましょう。
結論
自分の会社の利潤を最大化する施策以外、一切しない方がよく、メディア出演は想像よりも百害あって一利なし。女にモテるくらいか?利点。ゼロに近いな。