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MMPI (Minnesota Multiphasic Personal Inventory)

○ミネソタ多面式人格目録

 ハザウェイ(Hathaway.S.R.)とマッキンレイ (Mokinley、J.C.)が、精神障害者に対する医学的診断に、客観性を与えるために考案し作成した550項目からなる質問紙性格検査。
 健常者と精神疾患をもつ者で有意差があった質問項目で構成され、臨床場面で多く活用されているが、適用範囲を広げて一般の人に対するパーソナリティ検査としても利用される。
 10の臨床尺度と、回答の歪みや虚偽・脚色、精神的な混乱を検出するための 4の妥当性尺度で構成されており、質目項目が多いため実施に時間がかかり、 被験者の負担が大きい。
 「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3件法。

10の臨床尺度

心気症(Hs):身体や健康に対する過度の神経症的関心。
抑うつ性(D):無力感、自己嫌悪、気分の変化などを表す。
ヒステリー性(Hy):自己中心性、心理的未熟、身体的訴えの多さ。
精神病質的偏倚(Pb):社会的不適応、規則受容の低さ。
性度(MF):男性らしさ、女性らしさ。
偏執性(Pa):関係妄想・被害妄想の抱き易さ、猜疑心。
精神衰弱(P+):強迫観念、不安、自己疑念。
統合失調症(Sc):社会的孤立、妄想、無感動。
軽躁性(Ma):道徳の欠如、利己主義、活動過剰。
社会的向性(Si):社会的内向者と社会的外向者を判別する。

4の妥当性尺度

?尺度(疑問点):
 「どちらでもない」と答えた項目の数。
 正式回答が減ると解釈が困難になり、規定数を超えると妥当性に問題ありと判断される。

L尺度(虚構点):
 社会通念上望ましいとされているが、実行困難な項目。
 自分を実際以上によく見せようとする態度を測定する。

F尺度(妥当性点):
 標準化集団で10%以下の回答率となるような健常成人において稀にしか出現しない項目。
 質問文の理解不足、自分を故意に悪くみせる態度、統合失調症、非協力的態度を測定する。

K尺度(修正点):
 項目分析によって心理的弱点に対する防衛的態度を問う項目。
 防衛傾向や歪曲傾向を測定し、臨床尺度に修正を施す際にも用いられる。

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