拝啓 10年前のあなた
10年前の私、中学生ですね。
月日は流れて、もう私に中学生の面影はないけれど、心の中には中学生の頃の意志がまだ残ってる。
今はその意志、あなたに向けて、言葉を紡ぎたい。
中学生の頃のあなたは、とにかく学校が、そして教師が嫌いだった。
いじめから守ってもらえず、何かしらトラブルがあれば教師まで加担する始末だった。
そんなあなたは、反面教師的に考えて、教師を目指そうとした。
その道のりは挫折もあれば喜びもあった。
そして、10年後の今、あなたの意志を守った私は教師になります。
あなたが嫌い、憎んだその存在に。
私があなたに言えることは、そう多くはない。
ただ、10年前、あなたが道を外れず踏ん張ったから今がある。
あの時、死ぬことを選ばすにいたから、あなたの意志を持ち続け、貫き通すことができた。
教師になること、なぜいじめが起き続けるのかを問い続けること、今の私を形作るのはあなたなのだ。
忌まわしさを纏い続けるあなたが、私の中心に居続ける。
それすらも、私だと思えるのは、他ならぬあなたの意志の強さだ。
最後に、10年前のあなたが、私と同じ時に生きていたら、学校が楽しい、と言ってくれるように、教師の仕事に励みたい。
とかく、私はあなたに言いたい、ありがとう。
Maki