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「育成」を考える:中野信治さんのF1解説のすすめ。日本人としての強さを育てる。

※この記事は全文無料で読むことができます。

2020/08/02

こんにちは。HACOです。

「育成」について考える時に、自分の専門分野以外のさまざまな分野の育成に目を向けると気づきが得られることがあります。自分の好きなことは、より深く知ろうと興味を持つことも容易かなとも思うので、楽しみながら学べるという点でもおすすめです。

さて、本日はシルバーストーン・サーキットでのF1「第4戦イギリスGP」の決勝日。来週も、シルバーストーンでの「第5戦70周年記念GP」となっています。COVID-19の影響で2020年のF1カレンダーも大きく変更になっています。何より日本GPがないのが寂しい限りです。

「育成」の話しということで興味深いチャレンジが、鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS)で始まっています。

DAZNのF1解説では、おなじみの「中野信治」さん。SRSの副校長だけでなく、現在はスーパーフォーミュラ、スーパーGTの監督も。

中野信治さんのDAZNでのF1解説は、ぜひとも聞いてもらいたいです。

最近は、忙しさもあって予選と決勝ということが多いかなと思いますが、フリー・プラクティス(フリー走行)がおススメです。

決勝のレースでは、目の前で起こっている事象の解説がテーマで、もちろんレースの解説もドライバー視点・監督視点・育成視点と多角的な解説となるので勉強になります。それ以上に、フリー・プラクティスや予選、決勝のスタート前の時間は余白が多いので、当時の話しや現在の育成の話し、そして、モータースポーツの未来の話しなど、いろいろな話がきけるので興味深さが物凄いです。

モータースポーツの未来について語るときの、「育成」の視点については思慮の深さを感じます。いろいろなことを考えながら、F1の世界でもチャレンジしていたんだろうなと思います。「考える力」が魅力なのかもしれません。

そして、何よりも楽しそうに話してくれるスタイルは嬉しくなります。未来について、困難があってもチャレンジしていくということが言葉からあふれています。お客さんの映像の中に、未来のドライバーかもしれない子供たちが映った時のうれしそうな感じは聴いているこちら側も嬉しくなります。

前振りが長くなっていますが、上記のインタビュー記事の中でも、育成について下記のような語りがあります。

「世界で戦って欲しいんですが、外国の人になって欲しいというわけじゃないです。国際人になって欲しい。日本人であるということにまず誇りを持って欲しいし、それを忘れてほしくない。欲をいえば、自分の国の歴史も語れるようになって欲しい」
「日本人としての強さとか、そういうモノを持った人が、国際人として世界と戦えるようになって欲しいんです。そういう人は、日本人全員が応援してくれる。そうしなければ、日本のモータースポーツを変えることができないと思っています」

こういう人間を育成していきたい。そういうドライバーを育成していきたいという思いが強く感じられる言葉です。

「日本人として」という部分は大切にしていきたい価値観だと思います。

また、世界に壁ができそうないまですが、インターネットの普及後に世界の距離は縮まっています。良くも悪くも境界線は曖昧になってきている側面もあります。だからこそ、「日本人として」という価値観もより大切になってくるのではないかと思います。自己主張・自己表現することが苦手だったり、しないことに価値を感じたりするような文化も大切な価値観です。自分たちの価値観を大切にしながら、違う価値観の社会でも適応できるような力が必要になってきています。

「人間力」の大切さも記事の中で語られています。

 スクールで目指すこと、それは”人間力”を培うきっかけを与えることだと、中野は改めて説明する。

「”人間力”と言うと抽象的ですが、それが全てだと思います。頭で考えるんじゃなくて、基本的なことが当たり前にできるようにしたい。その上で、自分で考える力があるかとか、聞く力があるかとか、突破力があるかとか……そのあたりは自分自身の問題です。それに気付けなかったら、そこで終わり。ただ、気付くきっかけを与えてあげて、そこから先は生徒次第……というところまで持っていければと思っています」

速いだけのドライバーでは、トップにはいけない。速い車を手に入れるためのスキル(コミュニケーションやマシンのセットアップなど)が必要で、それができていたのが、ミハエル・シューマッハだったと。

そして、「気づくこと」「気づく力」ですね。

その「気づき」のきっかけを生み出す環境をつくっていくということは、どんな「育成」の場でも同じだと思いました。

昨日の解説の中で、若手ドライバー、ゲーム世代のドライバーについて、eスポーツやシミュレーター、ゲームの活用についての話しがありました。いまは、実車に乗らなくてもトレーニングができると。それを、自分でもやってみて、最初は違うなと思ったけど、繰り返していくうちにメリットもあることが理解できてきた。自分の時代にもあったらよかったのになーという言葉にも。

いま何が必要かということにオープンで、それを取り入れられる力も重要なことです。監督がコーチが新しいことや目の前の変化について、考えることがなくなったら危険ですからね。

迎合するのではなく、適応は大切です。考えること体験することから。

指導者の立場の人たちの「人間力」「適応力」を育成することも非常に大切なことです。これは、問題といっていいのかもしれません。これまでの経験にとらわれてしまって、いまの変化に「気づけない」ということに陥っていることが多くあるような気がします。どの分野でも。

そんな、「中野信治」+「佐藤琢磨」という体制でのチャレンジとなるSRSの「育成」の取り組みは注目です。

「人間力」「適応力」は「こころの育成」にも関わる部分なので、自分にも大きく関わってくることなので勉強になります。最先端の科学技術のマシンと人間の融合の世界での「育成」も同じようなところに行きつくというお話し。

ホント人間というのは興味深いなと思います。


ここからは、ちょっとした思い出になります。

F1のテーマソングといえば、下記の動画のフジテレビT-SQUAREの「TRUTH」が定番の方が多いかと思います。そして、1994年は誰にとっても、忘れられないシーズンじゃないでしょうか。

このオープニングのCGも大好きでした。サイバーフォーミュラのアニメも似たような感じになっていて。

長らくフジテレビ、フジテレビNEXTでF1中継をみてきましたが、現在は、DAZNでの視聴がメインとなっています。テーマ曲は大人の事情がたくさんあるのはわかりますが「TRUTH」がいいなと。

ドライバーでは、やはりアイルトン・セナ。その後、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネンとフィンランド人ドライバーが押しですね。

日本人ドライバーの一押しは中野信治選手です。何故かというとうまく言えない部分もありますが、タイミングも重要だったのかもしれません。自分でF1日本GPに行けるようになった時だったということ。もちろん走りも好きのですが、走り方というか、その雰囲気や態度が印象的でした。それこそ、日本人的だったのかなと。佐藤琢磨選手は、もう少し自己表現が表に表出している感じという対比で考えるとそうだったのかもしれません。当時は、リジェからプロストにチームが変わってオールフランスのチームの内情などはよくわかっていなかったですが、負けてほしくないといつも応援していました。内なる闘志で戦っている印象を持っていました。

個人的に印象的な出来事は、1998年11月のF1のブリジストンタイヤ鈴鹿合同テストの時。タイヤテストを見に行ったというのもなかなかですが、その時に、S字か逆バンクあたりの誰もいないところで、中野信治さんともう一方(メカニックの方かな)が、観客席からコース上のマシンをみていました。仕事中でよくないかなと思いながら、帽子にサインをしてもらいました!!当時は、いまよりもっとF1の敷居が高い感じで、ドライバーとの距離も遠かったです。そういうブランディングでもあったと思います。

あの時の感覚は、いまでも覚えていて、ホントに数十秒の時間だったと思いますが、あの時の接触がなかったら、いまの感じ方も少し違ったかもしれません。

ソーシャル・ディスタンスという言葉の持つ意味は深いです。科学的な言葉ではないですが、接近することでわかることもあります。もちろん離れることで気づけることもあります。人との距離は「人間として」「人間力」として大切なことなんだと思います。遠くても、近くても。

少ない時間の出会いだったわけですが、画面越しではなく、直接に会うことができて本当に幸運でした。

F1のブランディングは、リバティ・メディアが買収後は、お客さんとの距離が近くなり、よりエンターテイメントとして誰でも楽しめるものになってきたというのは、中野信治さんの解説でもよく聞くことです。ルイス・ハミルトンの変化も相乗効果のような気がします。

ただ、、、、ロゴは以前のものがよかったですが、エンターテイメントとしての方向性はよいのではないかと感じています。

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上記の1994年~2017年のF1のロゴは、カニッツァの三角錯視のように、Fと1の間の空間の部分が「1」に見えてくるのが秀逸なロゴでした。


「育成」について、何か書こうと思いましたが、結論は「中野信治さんのF1解説を聴こう!」「フリー走行や予選、決勝前の余白の時間がおススメ」ということになってしまいましたが、それも間違えではないので、今回はこの辺で(笑)


最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。

それでは、また。

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