輪廻転生 地獄巡り 1
人は死んだ後、七日七夜の後に例外なく三途の川を渡ってあの世へと戻って行きます。
その三途の川を渡る際に以下の方法で渡っていきます。
①船に乗ってゆったりと過ごしながら渡るか?
②裸足や草履などの履き物を履いて自分の足で渡っていくか?
③激流のような流れに呑み込まれながら必死になって泳いで渡っていくか?
それによってその後の道筋が違まっていきます。
①と②なら最後の審判を受けることはありませんが、仮に③の場合は情け容赦ない処置が行われます。
必死になって泳いで渡ったあと、そこからさらに罪人としての扱いを受けます。
まずは両手に縄をかけられ、さらには足枷と首枷をかけられる者もいます。
罪の重さによっては地獄の責め苦を担当する獄卒に両腕をガッチリ抑えられて、そのまま最後の審判が行われる閻羅庁に送付される者さえいます。
そういった者は特別扱いを受けるので、閻羅十王による最後の審判を受ける前から凄まじい拷問を受ける事になります。
ちなみに地獄は下記の八層からなっています。
(1)なかなかのものだね(-_-;) 第一層 想(等活)地獄
(罪業:殺人、虚偽、虐待、食べ物を粗末にする行為など)
(2) さすがは地獄だね^^; 第二層 黒縄地獄
(主な罪業:不義理な行為、他の者を陥れる行為、意図的に病気を蔓延させるなど)
(3) これって無理ゲー 第三層 堆圧(衆合)地獄
(主な罪業:第一、第二の中でも特に行いの酷いもの、改心する余地がないもの、自殺者)
(4)かなりハードモード 第四層 叫喚地獄
(主な罪業:自殺者、快楽目的で命を奪ったもの、淫欲者(婦女暴行殺人を行ったもの)など)
(5) まさに地獄(・・;) 第五層 大叫喚地獄
(主な罪業:第四層の中でもとりわけ行いの悪いもの、第四層から逃げ出した者など)
(6)終わったわ 第六層 焼炙(しょうしゃ)地獄
(主な罪業:悪霊となった者、生きながらに鬼となった者、食人行為を行ったものなど)
(7) 恐怖だね 第七層 大焼炙(だいしょうしゃ)地獄
(主な罪業:第六層の中でもとりわけ行いの悪いもの、改心の余地のないものなど)
(8) 最終刑場 第八層 無間(別名:消滅)地獄
(主な罪業:救いようがない悪人、悪行を行ったもの)
罪人と言っても多くの者は比較的罪が軽く、罪業の内容と本人か否かの簡単な審議で行き先が決まります。
行き先としては
第一層、想(等活)地獄
もしくは
第二層、黒縄地獄
が主となります。
第三層、堆圧(衆合)地獄
はその中でも悪質だと判断された者(要は脱走したり、抵抗した者)が送られることになります。
第一層~第三層までは
「自分が犯した罪と向き合い、真摯に反省と謝罪を重ね、被害者の苦しみや悲しみと向きあってこの世における一切の罪穢れ(要は己の欲望)を無くす努力を行っていく」
あるいは
「この世に生きる罪人の縁者が罪人の減罪(死者の冥福)を願って六条の功徳(別項参照)を積み上げる」
この積み重ね次第では地蔵菩薩とその配下にある者達(生前の功徳により神格などを与えられた者、高僧や人徳者など)が助けてくれるそうです。
いわば反省と謝罪、やり直しをする為のあの世における更生施設と言ったところです。
以下、六条の功徳
利徳=自分の為に行わないこと
優(勇)徳=他人に対する優しさ、勇気ある行い
功徳=人の為になる心、行い
人徳=人に慕われる心
天徳=嘘をつかない、人を騙さない、傷つけない、犯さない、快楽目的で命を奪わない
冥徳=死者を悼む心、行いなど
第四層から下層となると本人や縁ある生者がどんなに頑張っても定められた期間が終わるまでは許されることがないようです。
例えば中程度の罪業の者(例えばシリアルキラーもしくは自殺者)は
第四層、叫喚地獄
もしくは
第五層、大叫喚地獄
へ送られることが多いようです。
さらに罪が重いもの(転生しても同じ罪を繰り返した者)は十王達が徹底的に審議を行います。
殆どの場合、行き先としては
第六層、焼炙(しょうしゃ)地獄
となります。
その中でも特に悪質性が高いと判断された場合は
第七層、大焼炙(だいしょうしゃ)地獄
へと送られることとになります。
最も罪が重く、救いようがない罪人と判断された場合は最終刑場となる
第八層、無間(別名消滅)地獄
へと送られる事になります。
ではここから先は第一層、想(等活)~第八層、無間(消滅)地獄までの各地獄がどんなものか?をできるだけ詳しくご説明する為に小説形式で書いていきます。
なお、それぞれの地獄に付随する十六小地獄の名前は仏教の経典「正法念処経」が伝える名前で書かせていただきます。
同じような地獄が続くため単調で飽きがくるかもしれませんが、地獄とはそういうものだとご理解下さい。
ご注意とお断り:話の内容上、かなり陰惨で生々しい描写になると思います。
これより先は妊産婦の方、恐怖映画(特にグロイ系)などが嫌いな方はお勧めしません。
登場人物の説明
影鷹:この物語の主人公。
神や仏から悪鬼悪霊、死霊などを斬る事ができる神剣を持つことを許された霊能者。
死んですぐは記憶が混乱しているが、納得がいかなければ神や仏を相手に平気で噛みつく存在としてあの世においては有名。
案内人:この世における人生と言う旅を終えた者(死者)が道に迷わないようにあの世に案内する役目にあるもの。
閻羅十王の部下。
人によって見える姿が違いますが、本作では性別不明の黒服を着た人物としています。
獄卒:閻羅十王の部下で地獄における責め苦(拷問)を担当する役人。
そのうちの一人が今回、影鷹の地獄巡りの案内役兼お目付役を務める。
審議官:閻羅十王の部下で最後の審判における審議を実質的に執り行う役人。
閻羅十王:秦広、初江、宋帝、五官、閻羅、変成、泰山、平等、都市、五道転輪の十人の王。
地獄を司り、生前において罪を犯した人間(罪人)の最期の審判を行う。
その審判は公正無私にして一切の情と言うものはない。
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