幻覚や妄想の捉え方②

幻覚や妄想は、発病のときに現れて、治療によって改善すると思われています。その誤解を、少し解いておこうと思います。
ア、幻覚や妄想は、サポートさえあれば、自然に回復します。
イ、幻覚や妄想の治療に使われる薬剤(抗精神病薬)の副作用に、幻覚、妄想があります。
ウ、抗精神病薬をのんでも幻覚や妄想が改善しないのは、薬が合っていない、足りないのでなく、幻覚や妄想が現れる原因にアプローチしていないからです。

簡単に、ア、イ、ウの説明をしていきます。
ア、幻覚や妄想は、サポートさえあれば、自然に回復します。そもそも、サポートなしでも、幻覚や妄想は形を変えていくことが多いのです。すなわち、初めは侵襲的な(本人をおびやかす)内容が多いのですが、やがて親和的になり(助言したり、占いのようなことを告げたり)、それから耳鳴りや音楽のようなものになる、というパターンです。これは、病状を自分の中に取り込んでいく(幻覚や妄想を受け入れる)過程で起きるのですが、病状を、消さねばならないものと捉えると、なかなか楽な形にはなっていきません。そこで、サポートが必要になります。どんなサポートかというと、「標準治療など受けなくても回復する」と信じさせてくれる人が、周りにたくさんいるということです。大前提が、「100%医師の治療が必要な病気」だと信じていると、自然回復はあり得ません。
イ、ウ、については、次回に続きます。

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