ADHDの過剰診断によって引き起こされる問題
昨今、ADHDという名前はより身近な物になってきた気がする。
芸能人がADHDであることを公表したり、実際に診断を受ける数が増えたことで知名度自体は上がってきているだろう。
実際、僕の周りにもADHDの人はいるし、僕自身そうかもしれないと思った事すらある。
しかし、精神疾患の診断を下す時に用いられるDSM-5によると、世界人口の内、ADHDの診断を受けている子供は約5%、大人に至っては2.5%である。
恐らくアメリカやヨーロッパを主にしたデータなので日本での割合には多少の際はあるだろうが、それでも思っているよりは少なく見えるかもしれない。
何故なら、普段の生活の中でも、ADHDだという人に会う確率は他の精神疾患に比べて高いからである。
しかし、精神医学の世界ではADHDの過剰診断が問題になっている。
過剰診断とは、本当はADHDではない人に対して、症状が似ているというだけでADHDの診断を渡してしまう事である。
実際、ADHDの症状を区別する事は容易ではない。
特に子供となると、注意力の散漫や落ち着きのなさを専らADHDのせいにしてしまうのは危険である。
また、ADHD以外の精神疾患の症状によって似たような症状が現れる事もある。
なので、症状だけで全てをADHDで片付けてしまう事は危険である。
そもそも、精神疾患の診断の信憑性すら疑われている。
DSMやICDにおいても、主観的で個人的な経験を客観的、科学的な事実でカテゴライズし、同じカテゴリだと区別してしまうのはどうかと思う。
特に日本は世界と比べても診断が適当だ。
少し前に聞いた話だが、日本ではうつ病の患者に対しては障がい者年金が出ない。が、双極性障害の患者に対しては支給される。
なので、双極性障害の症状なんて出ていないうつ病患者に対して、障がい者年金がもらえた方がいいでしょ?というだけで双極性障害だと診断を出す医者もいるそうだ。
そんな国で精神医学が発展し、精神疾患への理解が深まるとは到底思えない。
過去に診断の危険性については少し述べたが、診断というのは細心の注意を払って出されなければならない。
診断によって症状が悪化する事もある。人は思い込みによって胃の血すらも奪われる。
ブアメードの水滴実験は非常に有名であり、身体に何の異常もなくとも思い込みだけで命を落とす事例が数多く報告されている。
本当はそうではないのに、ADHDの診断をもらうだけで人はそう思い込む。
そして、苦しむ必要のなかった症状に苦しめられることだってある。
もし自分もADHDだと思っている人や、ADHDの診断を実際にもらっている人も一度疑ってみた方がいいだろう。
絶対はないので確実な事は言えないが、本当にあなたがADHDなのか、本当にあなたの前頭前野に異常が見られるのか、きちんと知っておいて損はないだろう。
ADHDの過剰診断によって引き起こされる問題。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?