海藻とチョコレート(カカオ)との出会いを全身で受け止める@サロン・デュ・ショコラ2023
ここのところすごいインプットが続いていて、アウトプットしないとヤヴァイというよくわからない危機感に襲われてこれを記しておく。
会場は新宿伊勢丹「サロン・デュ・ショコラ」
今年で何年目になるのかと思ったら21回目だそうです。日本最大級のチョコレートイベントと謳われております。バレンタインデーに合わせたイベントだと思っていたら、新宿は1月25日が最終日。
いずれにせよ超人気イベントで、整理券も配られると聞いていて恐ろしくて近寄れないとずっと思っていた催事でございます。
今回は、知人の友廣 裕一さんの海藻をつくっている会社シーベジタブルが出店とのことを聞きました。海藻しかも青のりとカカオ!?と聞いても想像がつかないそれは体験してみないとわからないじゃないか!ということで、行ってみることにしました。初日や週末は整理券なしでは入れないようですが、平日昼間は想像したほどの混雑ではありませんでした。とはいえ、十分にたくさんお客さんいらしていたとは思います。
シーベジタブルって何?
海藻を養殖し販売&海藻を使った商品・レシピの開発をされています。日本では当たり前に食用にされている海藻ですが、海外ではほとんど食する習慣がないそうで世界的には新しい食材として注目を浴びているそうです。(という日本の消費は右肩下がりの傾向)
この海藻とその養殖の話が、めちゃくちゃ面白い!のですが、これは、ぜひシーベジタブルのページをご覧くださいませ。
新宿伊勢丹の気合い!
頭の中の妄想では、B1の食料品売り場かと思っていましたが、6階の催事フロアが会場でした。けっこうびっくりだったのが、物販だけでなく、イートインの充実っぷりが半端ない!というところです。
いろんなところから溢れてきますが、伊勢丹のディレクターの方のチョコレートの市場と文化を育てる意気込みに満ちておりました。
数々の魅力的なチョコレートを横目に目指すは海藻! ほんとにここにあるのかいなと思いましたが、ありましたありました。
食べてみた海藻 meets カカオ:昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド
メニューは3種類あったのですが、全部でお願いして最初に出てきたのがこちら。鮑の貝殻に盛り付けられています。
上に載ってるひらひらしたのが、昆布とヒロメ。セミフレッドの中身がすごいんですが、なにぶん混ざっているので「口の中でこれはあれかな?」と想像しながら味わいました。なんといっても、昆布の旨みがいろんな食感や香りを包み込んで美味しくしている!という感じです。
昆布に限らず海藻って塩味のイメージが強いですが、よく考えみたら寒天も天草で甘くして食べるかな。もちろん旨み=甘みですが、こういうの体験してみるまではわからんなぁとあらためて感じました。
そうそう、隣でロバの耳で聞いた情報によると、鮑は海藻を食べて育つそうですが。とりわけ茶色の褐藻が好物だそうでこの主役の昆布に合わせてこの器にしたそうです。
食べてみた海藻 meets カカオ:赤い海藻とカカオパルプのミルクムース
二皿目の主役はトサカノリ
ジュースにつけ込まれた香り豊かで甘酸っぱいトサカノリのシートの、水分量で変化していく様が楽しい!そして、桜の葉のオイルがいい仕事をしていました。ここにも青のりのパウダーがカカオパウダーと一緒にかかっていてたこ焼き?ぽいイメージですが(笑)その味わい香り共にすっかり馴染んでおりました。
食べてみた海藻 meets カカオ:すじ青のりのチョコレートケーキ
最後が、すじ青のりのチョコレートケーキ
青のりは香りが強いぶん、用途が限られるイメージが強いのですが、、。この中に厚切りのキウイフルーツが入っているのですが、そのキウイは青のりパウダーを纏っておりまして、まぁなんと美味しいことでしょう!!正直、キウイはちょっと苦手なんですがこれはほんとうに美味しかった。世界一幸せなキウイフルーツを食べてしまった!と思った次第です。これはもう泣けました。
上の丸いチョコレートは、海をイメージして虹色に輝くように加工されているそうで、あ、あったあった分光シートを使うんだ!
上にパラパラと載っている細い緑が松の新芽でこれはドイツ松(オウシュウトウヒ)だそうですが、調べてみると黒松の新芽も食べられそう。「陸の牡蠣」と言われているというブログもありますね。
爽やかな酸味とグレープルフルーツのような香りがある食材で、これはまた食べてみたい、今度松を見かけたら食べてみたい気持ちに(笑)
食べることとアートと身体拡張
どのお皿も、食べたことがない食材や調理法でこれはもはや「食べる」というより「体験して、感覚を更新する(身体拡張)」といったほうがフィットする気がします。これは、海藻に限らず珍しい味覚や食感に触れるとこう感じることが多いです。
また、こういうレシピを考えるというのは明らかに「デザイン」「設計」で、もはやこれはアートといって齟齬はないと思いました。食べて体になるアート体験。
アート分野に食の体験がジャンルとして確立されるとよいなぁとぼんやり感じました。一方で、アートが特別ではない未来がくるとよいなぁとも思っています。なんとなくだけど、受け手側のアウトプットのパターンがあるとよいかもだなぁ。
海藻についてもうちょっと知る
一口に海藻というものの、色によって3つに分けられるそうで。
緑色=緑藻(りょくそう)
水深の浅い場所に生息する。緑色の色素を多く。
赤色=紅藻(こうそう)
最も水深の深い場所に生息する。赤色の色素や藍色の色素を多く持つため、赤色や紫色に見える。
茶色=褐藻(かっそう)
緑藻よりも深く、紅藻よりも浅い中間の範囲に生息する。緑色の色素と赤色の色素を合わせ持っているため、2色を混ぜた茶色に見える。
褐藻が一番深いのかと思ったら違った! なるほど。
https://athleterecipe.com/column/21/articles/201906210000515
海のワイン
これは、カカオではなかったのですが、海藻と水と砂糖だけでえ発酵して作られたワインはテイクアウトで提供。爽やかな酸味で、いっぱいなお腹にほっとするドリンクでした。
機嫌良く生きる・はたらく
今回の体験は、さらにお皿の外側のはたらく人たちの機嫌の良さもまた心のこと線に触れました。
シーベジタブルの方々だけではく、おそらく伊勢丹社員の方々、他のブースの方々も積極的に来場者に声をかけているし、ほどよい距離で言葉をかわす空気感に「すごいなー」と思わず唸ってしまいました。
思わず立ち止まったブースのシェフが気軽に声をかけてくれたり、ともひー(友廣 裕一)さんの声がけや対話の様子をみているだけでもなんとも気持ち良いコミュニケーションを感じるだけでも個人的には、お得!な時間&空間でした。
それぞれのいい資質をあつめてこういうふうに表現できる企画力ってすごいなぁ、、ということもあらためて感じた次第です。敬服いたします。感謝。
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