キックバックでヒヤリ
久しぶりに専門的な話しを少し。
チェンソーを使用しているとキックバックという現象にあう事があります。
一般的にはお金の払い戻しやリベートなどの金銭に関係したものや手動式エンジンのクランクを回す際の反発力が知られていると思いますが、チェンソーの場合切っている方向と逆の方向に瞬間的に弾かれる現象です。よくあるのがバー先端上部に対象物が当たった際にチェンソーバーが右手ハンドルを軸に上方向に跳ね上がる現象です。
チェンソーを身体正面に縦に振り下ろす向きで使用した場合、キックバックが起きると自身の身体の方に向かってチェンソーバーが跳ね返ってきます。
この時身体がチェンソーに近いと跳ね返ったバーが身体に当たり大怪我に繋がるわけです。
高速で回転しているチェンソーがこのキックバックを起こすとどんな経験者でも防ぐ事は出来ません。
実は私もつい先日キックバックによる事故を起こす所でした。
私の今の現場は切捨て間伐で、立木は熊カキばかりで素性も悪いものばかり立ち枯れも多い倒木もあるそんな山です。サコ沿いは立ち枯れが多いので自然と間伐率が高くなってしまうんですが、そんな中倒木の下になっていた枯れ木の根元付近を切っていた時に弾かれたようにチェンソーバーが自身のところに跳ね返ってきたんです。
そうです。枯れ木と思って切った木は枯れて無い生木が倒木の下敷きになっていて切った瞬間に反り曲がっていた反動でチェンソーバーが弾かれたという訳です。
私はその時切りながら次の作業の事を考えていて弾かれた瞬間は「あ!」って感じでバーがフェイスガードの下側と少し鎖骨に当たった感じがして直ぐに怪我がないか確認しました。
幸い全く怪我は無くフェイスガードも無傷でした。
チェンソーにはチェーンブレーキという慣性ブレーキが備わっています。
一瞬の衝撃が加わると高速回転しているチェーンにブレーキがかかるようになっているのです。
このブレーキによって私は事なきを得たという事です。
最近知り合いがチェンソーで怪我をしたばかりで怪我や事故については特に意識していたはずなんですが、こういった油断や集中力が途切れた時が危ないんです。
今回はチェーンソーの安全装備に助けられた結果になりました。
いくら安全に注意をはらっていても絶対は無いわけで、その為にも安全装備や道具の整備点検は時間やお金には代えられないと感じた次第です。
明日からもご安全に!