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原田智亜美さん 「Oneman Live "1℃"」@ Yokohama O-Site レビュー(2020年3月6日)


「Oneman Live "1℃"」 @ Yokohama O-Site


シンガーソングライター 原田智亜美さんが 2020年3月6日、Yokohama O-Siteにてワンマンライブを開催しました。

新型コロナウィルス感染がまさに拡大しつつある状況、多くのライブが自粛要請で中止・延期される中、このライブも心配されましたが無事開催となりました。会場のO-Siteも客席の間隔を広めにとり、観客も全員マスク着用、アルコール消毒でできる限り万全の体制が取られました。


薄い藤色のドレスを纏った智亜美さんがステージに登場すると「C」のアカペラからスタートしたライブ。この曲には、智亜美さんの歌に対する原点を感じます。この時点で、このライブが特別なものであることを感じ取れました。

続いて、「あなた色」「口癖」とライブでもお馴染みの曲を切々と歌い上げ序盤をしっとりと盛り上げてくれました。


ここでオープニングのMCを挟んで、「見えない星に照らされて」「ホタル」と繋ぐ。スローバラードの曲からミドルテンポの曲に繋ぐことで、ライブ序盤のメリハリがくっきりと浮かび上がる展開へ。


「青の狭間」は陽子さんのバイオリンで始まる。青を主体とした幻想的な照明が、曲の印象とシンクロしたかのようなイメージを演出しました。


「誰も知らない」は、バラード曲が多い智亜美さんの曲の中で、珍しくアップテンポで感情をストレートに揺さぶるような激しい曲。普段のライブではピアノのみの演奏が多いですが、この曲に陽子さんのバイオリンが加わると、曲の世界観と相まってスピード感と緊張感が高まりが素晴らしいアレンジとなりました。


MCで「スタンド花を引っこ抜きました!」と笑いを誘った後、「今年は厄年です」と自転車で転んでインフルエンザにも掛かったと告白する智亜美さん。さらに悟朗さんに促されてワンマンライブ前に入院したことを白状させられる展開に。

無事にワンマンライブにたどり着けて本当に良かったです。


「1月30日」唯一家族(お父様)のために書いたという優しさ溢れる曲から「それ以上もその先も」へ。

そして悟朗さんがピアノからエレピへ移動し「終わらない恋」へ。ピアノ演奏でのバージョンも良いけど、エレピとバイオリンが加わったアレンジが、この曲のもつ切なさをより鮮明にしてくれました。


MC。限定ポストカード、ハンドタオルと限定音源CDとグッズの紹介。ポストカード、売り切れで買えませんでした・・

MC後は終盤戦。一気にラストまで歌い上げてくれました。


「サジタリウス」は、限定音源CDにも収録された新曲で、詩曲はギタリストの設楽博臣さん。

星座(射手座)をモチーフにした楽曲は、智亜美さんがもつ世界観にピッタリ。最後のリフレインの部分でコールアンドレスポンスもできるミドルテンポの貴重な曲。


続く、「今宵、月に導かれ」は、陽子さんとのコラボ曲。ファンの多くもこの曲の魅力を知って大人気。

この曲もアップテンポで、スピード感と緊張感が魅力の曲。陽子さんは、デュエットとバイオリン演奏と素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。


「春、静かに降る雨」、悟朗さんと智亜美さんで作り上げたこの素晴らしい曲を、悟朗さんのピアノで聴けたことはやはり感慨深いものがありました。悟朗さんのピアノは、やはり曲の神髄を知り尽くしたように繊細で、智亜美さんの呼吸に合わせるかのように奏でられました。智亜美さんも、いつもより深く、その世界に入り込んで歌ったように感じました。


「シグナル」と「Spot light」、この2曲は、智亜美さんにとっても特別な思いがある曲だと感じます。この日も本当に丁寧にしっとりと歌い上げてくれました。音域の広がり方や感情の抑揚の表現など、歌えば歌うほど、聴けば聴くほど、この二つの曲の奥深さと素晴らしさを実感します。


そして、本編最後の曲は「八月のまぼろし」

この曲もライブで何度も聴きましたが、残念ながら音源化されていない曲。夏の空に突き抜けるように響くような、伸びやかな歌声は智亜美さんの大きな魅力のひとつ。この日の歌声も素晴らしいものでした。

そして、歌い終わると・・ 突然、居なくなりました(笑)


本編が終わった?と感じた観客は大きな拍手でアンコールをリクエスト。

再びステージに戻った智亜美さん、悟朗さん、陽子さん。

智亜美さんが、FMで「春、静かに降る雨」がオンエアされることを嬉しそうに告知して、いよいよフィナーレ。


「タイトル未定曲」、ワンマンライブに至っても、まさかのタイトルが決まっていなかった新曲。智亜美さんも心得ているのか「ファンの方に叱られる」と控えめに言っておりました。

よく智亜美さんは、自分の曲は聴き手によって曲の解釈・理解が異なるというようなことを言います。

この曲は、多くの人との関わりの中で愛されながら曲を作り、歌ってきたこと。そしてこれからもずっと同じように、「歌うこと」を続けていく・・ という力強い決意の表れであると勝手に思い込ませていただきました。


そしてアンコール2曲目、最後の曲「瞬きの宇宙 銀河の世界」

この曲も、多分 智亜美さんにとって特別な存在なのだろうと想像します。限定音源CDにもセルフカバーとして収録されています。活動開始10周年の節目となる大切なワンマンライブの最後の曲。そこには、智亜美さんの世界観で根源的な宇宙の壮大さや未来、希望の光みたいなものを感じずにはいられませんでした。


こうしてライブは、多くの原田智亜美ファンを魅了して無事終了しました。

あらためて、考えてみると特筆すべきは、秀逸なセトリとライブ構成。

バラードが主体の智亜美さんだけど、「ホタル」や新曲「サジタリウス」というアップテンポの曲を上手く配置して飽きさせない構成を演出したと思います。 中でも「誰も知らない」と陽子さんとデュエットの「今宵、月に導かれて」は、ライブの肝と言える重要な展開を担ったと思います。また、終盤MC後に「サジタリウス」から「八月のまぼろし」まで6曲を一気に歌い切った圧倒的なパフォーマンスは言葉にならないほど感動しました。


悟朗さんのピアノと陽子さんのバイオリンというシンプルな編成でしたが、お二人の正確で魅力あふれる演奏は、智亜美さんのボーカルを最大限際立たせる素晴らしいものでした。

本当に、この素晴らしいライブを開催してくれた原田智亜美さん、中野悟朗さん、向江陽子さんに心から感謝いたします。


【セットリスト】

1.C

2.あなた色

3.口癖

4.見えない星に照らされて

5.ホタル

6.青の狭間

7.誰も知らない

8.1月30日

9.それ以上もその先も

10.終わらない恋

11.サジタリウス

12.今宵、月に導かれ

13.春、静かに降る雨

14.シグナル

15.Spot light

16.八月のまぼろし


En-1.タイトル未定曲

En-2.瞬きの宇宙 銀河の世界


Vo: 原田智亜美さん @sheis_C8

Pf: 中野悟朗さん @goro1229

Vn/(Vo): 向江陽子さん @yokovvpa


写真: ブログ中の写真はシンガーソングライターの坂本タクヤさん @saka___taku が撮影し公開されたものを使用させていただきました。素晴らしい写真、ありがとうございます。



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