
原田智亜美さん ワンマンライブ「あの日の続き」@下北沢SEED SHIP(2023年7月19日)
原田智亜美さん ワンマンライブ「あの日の続き」
@下北沢SEED SHIP 2023年7月19日

【セットリスト】
01. 終わらない恋
02. 青の狭間
03. 眠れぬ夜は君のせい(カバー:MISIA)
04. あなた色
05. 夢のあとさき
06. アクアテラリウム(カバー:やなぎなぎ)
07. 透明になれなかった僕へ
08. 春、静かに降る雨
09. ホタル
10. 明日の僕は今を生きる
11. 八月のまぼろし
12. 瞬きの宇宙 銀河の世界
13. シグナル
14. あなたがここにいてほしい
15. 見えない星に照らされて
16. Spot light
智亜美さんのライブの直前、発表されたSHEED SHIPのアナウンス。
現状の有観客でのライブの営業形態を2019年8月いっぱいで終了するとのこと。
ひときわ暑い夏ですが、いかがお過ごしでしょうか?SEED SHIPスタッフ一同も水分補給等に気をつけつつ、この暑さを乗り越え、乗りこなしたいと思っております!
— SEED SHIP (@SEEDSHIP) July 19, 2023
さて、本日はお知らせがあります。 pic.twitter.com/ScWqFsvI36
自分が原田智亜美さんに初めて出逢ったのもSEED SHIP。
2019年3月17日(日) SEEDSHIP 8周年記念 CD「ふね」レコ発企画ライブでだった。
この日は、直近で亡くなった義父(奥さまの実父)の告別式の日でもあった。
実は義父が亡くなる前は、この日はシンガーソングライター山崎あおいさんの札幌でのライブに遠征していて、日曜日の昼頃に羽田に戻り直接SEED SHIPに向かう予定で、原田智亜美さんのステージには間に合わないはずだった。(その時は、智亜美さんのことは存じ上げませんでした。)
しかし、義父の逝去で予定を変えて土曜日に札幌から帰宅し、日曜日早朝からの葬儀となった。当然SEED SHIPにも行けないと思っていたけど、葬儀の終了後、奥さまが「時間もあるし間に合うならライブに行けば?」という言葉に押されSEED SHIPへ。
そして運命の出逢いとなった。まさに亡くなった義父からのギフテッド(笑)と後に感動となった出来事。
そんなSEED SHIPが、直接ライブを聴ける場所でなくなるのは自分にとっても悲しい。
それは智亜美さんにとっても、数多くの想い出を宿す場所であるだけに感慨深いことだと思う。
ライブの冒頭から、抑えきれない感情が滲みだしているのを感じた。


「01. 終わらない恋」から始まったライブ。
ピアノの沙予さんとの初めての共演も2019年3月17日。そこから多くのライブを共にし素晴らしいサポートを受けることになる。終わらない恋から始まるセトリのライブも珍しい。もうこの曲を聴いただけでちょっと泣きそう…
「02. 青の狭間」この曲を聴くと必ず、夕暮れの海岸の岩場に佇み、ひとり夕暮れを待つ情景を思い起こす。歌の世界観とそれだけ近いのか遠いのかは分からないけど、そこに海の藍と空の青が静かに混ざり合うという情景が脳裏に浮かぶ。終盤のピアノがとても好き。
「03. 眠れぬ夜は君のせい(カバー:MISIA)」は、智亜美さんがSEED SHIPで初めてカバーした曲とのことで、この日に今の自分でもう一度カバーしたいということで選曲された。
自分は、このカバーを聴くのは初めて。どんなカバーでも智亜美色に染めてしまうマジックを感じた。
このカバーを歌う前に、智亜美さんは急にステージを離れ楽屋へ。その間を沙予さんに無茶振りで任せると…人前で大声を出すのがいちばんの苦手との沙予さん。それでもオーディエンスと絶妙なコミュニケーションをこなし、なごみのひと時なった。ライブ中のこの笑顔はかなり貴重。

「04. あなた色」ここからギターの設楽博臣さんと二人だけで3曲を披露。
あなた色は、SEED SHIPで開催されたワンマンライブ「0℃」で、設楽さんのギターで歌った限定音源が販売された。
その音源の生での再現となる演奏と歌が、約5年の月日を経て実現した。
遅くなりましたが原田智亜美ワンマンライブ「0℃」お越しいただきありがとうございました。8年越しのワンマンライブ、とっても楽しくて幸せでした。本当に幸せでした。サポートのVn.ぱなえちゃん、Pf.山崎周之さんありがとう。私今日一番楽しかったです✨
— 原田 智亜美 (@Sheis_C8) November 3, 2018
また明日、ゆっくりお話しさせてください。 pic.twitter.com/R27ezHQY3n
「05. 夢のあとさき」今年の1月31日GRAPES KITASANDO 7th Anniversary 新曲書き下ろし企画「緊張」で、初めて披露された曲。これまで、ピアノアレンジのみで歌われていたので、設楽さんのギターで聴くのは初めてでとても新鮮だった。
設楽さんが、自分の席のすぐ前で、その演奏、指使いに目が釘付けとなってしまった…

「06. アクアテラリウム(カバー:やなぎなぎ)」
初めてこのカバー曲を聴いたのは、2019年8月12日「向江陽子マンスリー企画『Place to meet ~Final~』」@横浜O-site。
12日の横浜O-siteさんでの向江陽子ちゃん企画、Place to meet Finalでのライブ写真いただきました💐
— 原田 智亜美 (@Sheis_C8) August 17, 2019
ノビスさん(@nobis2017 )撮影お疲れさまでした!
たくさんありがとうございます。
ソロステージ💐 pic.twitter.com/9ZpZTQ6hI2
この日もアコギ1本の素晴らしい演奏で、向江陽子さん、饗庭純さんと智亜美さんがコラボ。そのコーラスの美しさは鳥肌もので、今でも脳裏に鮮明に残っている。
その次はSEED SHIPでピアノで智亜美さん一人によるカバー。
そしてこの日、3度目のアクアテラリウムを設楽さんの素晴らしいギターで聴くことができた。この曲は、最早 智亜美さんの代表的なカバー曲と言えるだろう。
「07. 透明になれなかった僕へ」ここから沙予さんのピアノと設楽さんのギターの二人体制でのサポート。
いつも通り、ピアノによる綺麗なイントロが始まる・・と、沙予さんもう一度やり直しに・・笑。
気を取り直して再び美しいイントロから歌い始め、設楽さんのギターも加わる。この曲がピアノとギターで披露されるのは初めてだと思う。最後はギターの美しいハーモニクスで締めくくられた。本当に美しい曲で大好き。
「08. 春、静かに降る雨」やっぱり、この曲もギターが入ると演奏に厚みが増して歌が引き締まる。特に間奏に入るリードギターが素晴らしかった。たぶん、この曲は自分が一番聴いている智亜美さんの曲だと思う。なぜなら、スマホの着信音に使っているから。
「09. ホタル」ちょうど季節にピッタリなホタル。智亜美さんの曲の中でも一番Popな曲と言えると思う。夏の夜空に儚く舞うホタルが見えるよう。智亜美さんもピアノとギターで歌うホタルが好きだと言っていた。
「10. 明日の僕は今を生きる」音楽を続けてきて、さまざまな出来事、出会いと別れがある中、前に向かって歩き続ける決意を表すような曲にいつも感じる。ピアノとギターで力強く背中を押されるような気持になった。

「11. 八月のまぼろし」今まさに来る夏を歌う。真夏の空に高く届く歌声に、憧れを永遠に追い求めるような気持がこみ上げる。
「12. 瞬きの宇宙 銀河の世界」いつもながら壮大な銀河が目の前に広がるようなファンタジーを思わせてくれる。できれば、ピアノとギターのアンサンブルでアウトロ長めバージョンを聴きたかったけど、通常の長さだった。まあ、それも良し。
「13. シグナル」ライブも終盤に差し掛かり1曲1曲を愛おしむように歌う。古くから歌い継ぐ シグナルもとても感情がこもっている気がした。
「14. あなたがここにいてほしい」原田智亜美さん Oneman Live "3℃" @下北沢440 2023年4月18日の時に、設楽さんが智亜美さんのために書き下ろして提供した曲。久しぶりにライブで聴けた。
会えなくなってしまった愛するひとに、ただただ傍にいてほしいという気持ちを切々と願い歌う。智亜美さんによると目の前に映画のスクリーンのように物語が展開するのが、この曲は特に強いとのこと。こんなに綺麗で切ない曲を書ける設楽さん。それを見事に歌い上げる智亜美さんの強い絆を感じる曲だった。
「15. 見えない星に照らされて」この曲も長く歌われている名曲。この日は晴れた夜空も、星は見えたか見えないか… そんなことには関係なく智亜美さんの歌声は夜空を駆け巡る。
気になった方は、MY SONGで一発どりしたYouTubeをぜひご覧あれ。
「16. Spot light」アンコールなしの宣言とともにこの日のライブの最後に選ばれた曲はやっぱり Spot light。ここで Spot lightにまつわる秘話がSEED SHIPの想い出とともに披露されたが、それは会場に来たひとだけの心にしまっておいた方が良いと判断し、ここではあえて書かない。ちなみに、自分は Spot lightで思い浮かべるのは何故か、闇夜の灯台の灯り・・
この日のSpot lightは、アウトロが長めバージョン。ピアノとギターのアンサンブルが最高に綺麗で見事。アウトロ長めバージョンだったのは、智亜美さんが曲の世界と共にSEED SHIPでの想い出に暫し浸るための時間だったのではないだろうか… SEED SHIPで行う智亜美さんのワンマンライブはこれが多分最後ということで、いつも以上にエモーショナルに歌い上げた後、最後に目に少し光るものが見えた。
智亜美さんのワンマンライブは今まで
「0℃」2018年11月3日 @下北沢SEED SHIP
「1℃」2020年3月6日 @Yokohama O-Site
「1.5℃」2020年12月29日 @下北沢440
「2℃」2021年10月18日 @下北沢440
「3℃」2023年4月18日 @下北沢440
といずれも「℃」が1℃もしくは0.5℃ずつ上昇する正常進化を続けていたのに、なぜ今回は「あの日の続き」とタイトルが変わったのかが謎でした。そして「あの日」とはいったいいつなのか… と始まる前に感じた疑問。
終始、SEED SHIPとの想い出を振り返り、最初からエモエモだった智亜美さん。この日、配信を行わなかった理由も、コロナ前に行われていたトラディショナルなライブのかたちを大切にしたいという思いからのようでした。
そういう部分もあって、この特別なワンマンライブに「あの日の続き」をライブタイトルにしたと感じました。
そして智亜美さんの「あの日」は、沙予さんと初めて一緒にSEED SHIPでライブを行った日、自分が智亜美さんと初めてSEED SHIPで出逢った日でもある「2019年3月17日」だと聞きました。
それを聞いてとても幸せな気持ちになりました。
歌も演奏も素晴らしいライブ。そしてSEED SHIPに纏わるお話をたくさん聞けたことも記憶に残る素敵なワンマンライブでした。
ありがとうございました。

Vo:原田智亜美さん
と素晴らしい演奏をしてくれた
Pf:岡島沙予さん
Gt:設楽博臣さん

そしてSEED SHIP土屋さんと智亜美さんのツーショット

最高の笑顔を見せてくれた原田智亜美さん
写真(※)は、ノビス Nobis Naito @nobis2017さん撮影。