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IEのサポートが終了

こんにちは。
PHR事業開発部の中島です。

米Microsoft 社の Internet Explorer(IE)が遂に明日の2022年6月16日にサポートが終了します。

6月15日時点でIEを開くとカバー画像のような画面が表示されます。
IEのサポート終了後には、IEを開こうとすると Microsoft Edgeが起動するようになります。

現在のIEの最終バージョンである IE11 は9年前の2013年にリリースされました。
Microsoftはかつて自社製品のIE6を「腐った牛乳」と呼んだこともありますが、IE11は当時の記事と同じ9年前の牛乳です。

「IE6は9年前の腐った牛乳」――Microsoftがアップグレード呼び掛け - ITmedia NEWS

IE11がリリースされて移行、HTML5、CSS3、E6などの普及が進みWEB標準技術に追いつけていません。また、JavaScriptの実行速度が遅かったり、TLS1.3やHTTP/2にも非対応です。

古いシステムを使用している自治体や企業向けにEdgeにはIEモードが搭載されていますが、IEモードのサポート期限は2029年までです。
あくまでもシステム移行までの猶予期限と捉えるべきです。

Microsoft 社 Internet Explorer のサポート終了について:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

IEでの苦労

新卒で入社した会社にはWEBデザイナーとして入ったわけですが、WEBサイトをコーディングしている時にいつも頭を悩まされるのはIEでした。

CSSの仕様通りに書いても正しく動かないのです。そこで CSSハック などを駆使して、まずはモダンブラウザ向けに書いてその後IE用に追加で手直しするなどの対応が必要でした。

特にIE5~6のあたりはかなりひどく、テーブルやスペーサーGIFを駆使したテーブルレイアウト、テーブルとCSSを組み合わせたハイブリッドレイアウトなどを使ってなんとか崩れないようにしていました。

他にもJavaScriptの一部機能が使えなかったり、IEだけ動かない!という事がよくありました。

特にGoogleがGoogle Mapなどで Ajax を駆使してそれまでのWEBでは体験できないデスクトップアプリケーションのような操作性を提供してからは、それまでにはフォームの入力チェックくらいにしか使われていなかったJavaScriptを駆使して、本格的なWEBアプリケーションの構築が要求されるようになりました。

ただし、その当時はブラウザ間の独自実装が今以上にひどく、各ブラウザ間、各バージョンで正しく機能させるためにはかなりの手間がかかりました。

jQueryの登場

WEBデザイナーやフロントエンドエンジニアの誰もが頭を悩まされていた所に出てきたのが jQuery です。

jQueryはブラウザ間の差異を吸収してくれて、しかもWEBデザイナーなどのプログラミングが本職ではない人たちにも使いやすいように設計されていたため、登場してからあっという間に事実上の標準ライブラリになりました。

ブラウザ間の吸収をするライブラリは他にもいろいろありましたが、jQueryが世界中で圧倒的な人気を得たのはWEBデザイナーにも受け入れられたからだと思います。

今現在はどうしても IE もサポートする必要がある場合を除いてはjQueryはだんだん使われなくなってきています。

ちなみ、2016年時点でjQuery作者の John Resig 氏が「ほとんどのコーディングにReactを使用しています。」というツイートをしています。

ただし jQuery 自体は現在でも十分使えるライブラリなので、古いブラウザ向けやJavaScriptがあまり得意ではない人がちょろっとした事をやるにはとても有用です。

さいごに

IEだけ崩れる、IEだけ動かないなど何度も苦労した日々を思い出します。
IE君、君のために徹夜で納品日まで作業した回数は数え切れません。
ゾンビ映画のように蘇ってること無くどうぞ安らかにお眠り下さい。