エチオピア料理屋に行ったはなし
もう一年近く前のことだが東京にあるエチオピア料理屋に行ったので、備忘録がてらまとめたい。
エチオピア料理と言ってピンとくる人はなかなかいないだろう。エチオピア料理を紹介した番組での「オフチョベットしたテフをマブガッドしてリットを作りアブシィトを加えて下さい」という発言が独り歩きしているが(『相席食堂』公式アカウント 2019/9/19より)、その謎の文字列のインパクトだけで食べたことのある人はあまりいないのではないか。
自分のエチオピア料理に対する興味は「得体の知れなさ(悪い意味では全くない)」であったが、気になるならとりあえず実際に食べてみるべし! ということで実際にエチオピア料理を出すお店に行くことにした。
今回行ったエチオピア料理屋は、葛飾区四つ木にある「リトルエチオピア レストラン バー」。京成線四ツ木駅から徒歩2分もかからない、首都高中央環状線の下にある店。1人で行く勇気は起きなかったので、知り合いを誘って2人でエチオピア料理を味わうことに。
店の中はテーブルが3つくらいとカウンター席がいくつか。店員さんはエチオピア人の方だが、どうやら家族で飲食店を営業しているパターンっぽい。店員さんの子供は店のテーブルに座ってテレビを見ていたし、自分たちのテーブルの周りを歩いたり話しかけてきたりと、アットホームである。
エチオピア料理については、テフという植物からインジェラという雑巾みたいな主食が作られるという話はどこかで聞いたが、興味があるというだけで自分も知り合いもエチオピア料理の知識はほぼゼロである。ネットでインジェラと調べると「まずい」とか出てくるし、いきなり注文する勇気もなかったのでまずはお酒を頼む。コーヒーの原産地だからか、「コーヒーリキュール」という聞いたこともない酒があったので、多少値は張るが注文。
…「コーヒーリキュール」という言葉を聞いたことがないだけでカルーアもコーヒー入ってる酒だよな、カルーアミルクみたいなのが来るのかなと思っていると、予想に反して紅茶ような色をしたものが運ばれてきた。コーヒーとアルコールの織り交ざった香りがする。 いざ、乾杯。
これは美味い。コーヒーの苦みはシロップでいい感じに中和されているし、アルコールがアクセントになっている。繊細だがお互いの味を邪魔しない作りになっているね。
さてそろそろメインを頼まなきゃな。インジェラは何頼んでもついてくるようだ。「ドロワット」という鶏肉の入ったカレーみたいなものも美味しそうだが、2人で来てるから囲んで食えるものがいい。大きいインジェラの上におかずが乗った「ベヤイエンネッツ」を2人分注文。
インジェラどころかエチオピア料理を生で見るのは初めてである。インジェラをちぎっておかずに付けたり、おかずをくるんで食べるらしい。では、いただきます。
まずインジェラをそのままで食べる。インジェラのネットでの評価はかなり低いが…ぜんぜんそんなことはない。酸味があるがそこまでしつこくないし、蒸しパンみたいにふわふわしている。
じゃあこんどはおかずを付けて食べてみよう。サラダみたいなのはいたって普通の味。上の写真の手前に写っているのは豆のカレーみたいなもの。あまり辛くないが、インジェラの酸味を打ち消す良い味付け。上の写真の右に写っているのもカレー。見た目は「ドロワット」なんだけど、「ベヤイエンネッツ」はベジタリアン的な料理だから、何だったんだろうか。とりあえずこれもカレーみたいなものなのだが、こっちは豆のカレーと違って結構辛い。インジェラの酸味が甘く感じられるほどだ。
日本人の口に合うようにアレンジされていたのかもしれないけど、エチオピア料理という珍しいジャンルのごはんを食べれたし、インジェラもその他おかずも美味しくて満足。ぜひご賞味あれ。