学校の英語の授業は英語だけでやるべき?

文部科学省は、2009年に発表した高等学校学習指導要領において、以下のように定めています。
英語に関する学科の各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とすること。
― 高等学校学習指導要領 平成21年3月 文部科学省

文部科学省に文句ばかり言っているようですが、いったいどうなのでしょうか。

進学校と言われる高校の場合、英語の授業は全て受験に向けた対策が行われると思って間違いありません。リーディングを英語で授業をすると、意味が分からないところを英語で解説する、そしてさらに分からなくなる、というループが生じます。そんなことをしている時間は無いので、当然のこととして、英語で英語の授業を行うことはあまりないでしょう。

では、世間のボリュームゾーンの偏差値45~55の学校の場合、どうでしょう。

中3での英検3級の取得率が20%前後。準2級が4%前後だそうです。(最近、英検側が詳細な数字を発表しなくなったため、あくまでも推計です)

英語で英語の授業を聞いて理解できるのは、おそらく英検準2級以上を取得できる程度の英語力がないと厳しいと思います。


ボリュームゾーンの高校の場合、高校1年生のクラスでで英検準2級以上を持っている生徒の割合は、最大で4%。クラスに1~2人。

3級以上を持っている生徒は最大で20%。クラスに8~9人。

ということは、英語で聞いて内容をちゃんと理解できる生徒はほぼいないということになります。

実際、高校英語のベーシックレベルはどんなものか、みてみましょう。

NHK高校講座 ベーシック英語 第1回 大きな声で堂々と!

(NHKのeテレのため、動画はめ込みができませんリンク先でご覧ください)

テレビで放映する、ということは需要がある、ということです。このレベルを必要とする学校は、当然のこととして英語で英語の授業は成立しません。

そして、なによりも問題なのが先生ではないでしょうか。

英語の先生で英語を自由に操れる人がどれだけいるのでしょう。


まさに、画餅。

はたして、文部科学省はこのような実態を知っているのでしょうか。

文部科学省は、英語ができるようになるのを一生懸命止めているように見えてしまいます。


そんな文部科学省のことは、気にせず自ら学ぼうとする人のお手伝いをしています。


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