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企業の言う「サステナビリティ」「SDGs」を鵜呑みにするな!:映画『グリーン・ライ-エコの嘘』レビュー
とにかく、ああ、ひっきりなしに心が痛んだ。
でも、皆に観てほしい映画だ。これ以上、問題から目を背けないために。
特に、太古から育まれてきた美しい森が、パーム油を作るためだけに焼き払われた場面が、とにかくショックだった。
パーム油は、チョコレートなど様々な商品に使われている(そして“パーム油“とは記載されていないことが多い)。
チョコレートと、灰と化した森。
あまりにイメージがかけ離れていて、感情が追いつかない。
私がチョコレートを食べるたびに、地球のどこかで森林が破壊されている。嫌だああぁ。。。
インドネシアではこういった森林破壊が日常茶飯事で、動物だけでなく住民の命も危険にさらされている。
アブラヤシの単一栽培により土地の質が劣化し、火災も度々発生するそうだ。
良いことなんて何もないのに、企業は消費者の目を、問題からうまくそらしてきた。そう、それがこの映画のテーマである「グリーン・ライ:エコの嘘」だ。
グリーン・ウォッシング(※)は、1970年代から既に始まっていたという。日本も例外ではないだろう。
※環境保全についての虚偽情報を企業が流すこと
その専門家のカトリン・ハートマン氏でさえも「私も『エコの嘘』の中で消費をしている一人で、罪悪感を持って生きている」と胸の内を吐露する。だが、消費者同士でエコの優劣を競うのは完全に逆効果であるとも警鐘を鳴らす。
人間にできること、それは『団結』である。
個人の力は決して小さくはない、団結したら大きな力になる。そして既に動き始めている人もいる。
何も、今すぐ最前線に立て!ということではない。自分ができることから、できる範囲で、始めれば良いのだ。
まずは、企業が『サステナブル』だとか『SDGs』だとか口にしても
「本当にそうなのか、自分の目で確かめるまで決して鵜呑みにしない!」と心を引き締めた。
なお、“時と場所を一度バラバラにして再編集した結果ものすごく観ている側を疲れさせる部類のドキュメンタリー”とは違って(スマヌ)
ひとつひとつの場所を巡って、そこにいる人たちとじっくり話をしていくストーリーなので、頭をフル回転させずとも観ていられる、比較的観客にも優しい映画だ。
しかも、監督自ら出演することで、かなり観る者のハードルを下げてくれている。「環境に優しいってかいてある商品ばかり買ってるよ~チョコレートばりぼり」みたいなノリで、相棒のカトリン氏にケチョンケチョンに言われ、だんだんしょんぼりしていく姿がちょっとかわいい。
てか、2時間近く専門家達にボロクソ言われ続けたら、私も凹みすぎて地球の裏側行くわ。監督が、観客の言葉を代弁してくれることで、ちょっと救われるのだ。
ちなみに、私は株式会社ボーダレス・ジャパンが主催するイベントでこちらの映画を鑑賞したのだが、イベントには、持続可能なパーム油の生産を模索している方も登壇されており、問題を一方向からだけ見て判断すべきではないということも強く思い知らされた。
タイトル画像は、Ria Sopalaさんの画像をお借りしました。