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【プレサスインタビュー Vol.2】鹿嶋市・松崎侑奈さん

茨城県鹿嶋市の鹿島神宮にほど近い場所で「コワーキング・コミュニティスペースみちくさ」を運営する「合同会社えにしか」を営む松崎侑奈(まつざき ゆうな)さん。松崎さんは2018年8月から2021年3月まで鹿嶋市の地域おこし協力隊として活動をされていました。

「合同会社えにしか」を営む松崎さん

松崎さんは福島県大玉村出身。大玉村は安達太良山の麓に広がるのどかな村で、福島市と郡山市の間に位置しています。県内の工業高校を卒業後、千葉県成田市の航空系専門学校へ進学。卒業後はANA成田エアポートサービス株式会社で旅客機のグランドハンドリングとして4年弱、成田国際空港で勤務していました。その後、2018年8月に鹿嶋市の地域おこし協力隊に就任。地域おこし協力隊になったことがきっかけで鹿嶋市に移住してきました。


憧れだった航空業界

「小さい頃から飛行機が好きだった。」子供の頃から航空業界に憧れがあった松崎さんは、中学生になった頃には将来、航空系の職に就くにはどうしたら良いかを考えていたそう。ただ、花形と言われるキャビンアテンダントやパイロットを目指していたわけではなく、飛行機の機体に興味があったため工業高校に進学。その後、グランドハンドリングの仕事に就くべく、インターンシップ制度のある成田市の航空系専門学校へ進学しました。

憧れだった航空業界で働いていた松崎さん

専門学校を卒業後は第一希望だったANA成田エアポートサービスへ就職。旅客機のグランドハンドリングとして憧れだった航空業界への道を歩み始めました。

航空会社で取り組んだ復興支援活動

「3.11の経験があって、風評被害のダメージを目の当たりにして地域ってすごい大事だなと感じていて。。。」と、語る松崎さんは福島県出身。高校生の時に東日本大震災を経験し、原発の風評被害を目の当たりにした一人でした。憧れの航空業界で仕事をしつつも、自身のもうひとつの軸である地方創生・復興支援活動も社内では行っていました。

憧れの航空業界で仕事をしつつ、復興支援活動に携わる

「大手に就職した時に感じた大手の魅力のひとつが復興支援に携わることができるということ。福島出身として恩返ししたいなという気持ちでやっていた。」そう語る松崎さんが当時参加していた復興支援活動では、同じ志をもった全国の社員が約半年間かけて地方創生に繋がる事業を立ち上げられるか検証をする新規事業開拓というもの。航空路線を使いながら地域に眠っている体験型コンテンツの掘り起こしなどを行っていました。

復興支援活動をしていくうちにお祭りに参加するとかではなく、もっとディープなことがしてみたいと感じ、情報収集をしていた松崎さん。この時に初めて地域おこし協力隊という存在に出会います。そして、地域おこし協力隊の活動と実態を知るべく、地域おこし協力隊サミットへ参加をしてみることにしました。

「地域にあるのは課題ではなく魅力」

「地域にあるのは課題ではなくて魅力なんです。」地域おこし協力隊サミットのオープニングムービーに出演していた女性の一言。この一言が松崎さんの人生を変えました。

この女性の一言で「地域に入って感じたい、地域側の人間にならないといけない。」と感じた松崎さんは、その言葉がきっかけとなりご自身が地域おこし協力隊として活動することに。

憧れの業界から鹿嶋市地域おこし協力隊へ就任

当時、交際中だった旦那様が鹿嶋にいたことや地元福島とその後移住した千葉に近いこと、海の近くに住んでみたかったこともあり、鹿嶋市や潮来市、稲敷市などの近隣市町村で検討をしていました。

その中でも募集分野が観光や情報発信系であったこと、市役所の担当者がとても良い人だったこと、地域の人の温かさを感じたことなどから鹿嶋市へ応募。2018年8月に鹿嶋市地域おこし協力隊に就任しました。

地域おこし協力隊就任後はイベントへの参加や広報活動、写真撮影、情報発信等の活動をおこなっていた松崎さん。精力的に活動していたものの、2020年に入り、コロナウイルスが拡大するとイベント等が全てキャンセルに。地域おこし協力隊として行っていた活動がなくなってしまいました。

地域おこし協力隊として活動する松崎さん

そこで、コロナに苦しむ飲食店を助けようと飲食店の支援活動「鹿嶋エール飯」を立ち上げます。「鹿嶋エール飯」とは、自粛ムードで飲食店は「お客さんを呼びたくても呼べない」、市民も「お店に行きたくてもいけない」という状況の中、「テイクアウト&デリバリー」で飲食店を応援するプロジェクトです。また、コロナ前の活動としてイベントの制作物の作成を行っていたこともあり、本格的にデザインの勉強をすることに。しかし、2021年3月には約2年半に及ぶ地域おこし協力隊の活動は満了。そこで、始めたのがコワーキング・コミュニティスペースみちくさ(以下、CCみちくさ)でした。

経営者として地域住民へ

地域おこし協力隊を始める時からなにか新しいことをやろうと思っていた松崎さん。地域おこし協力隊はゲストハウスやコワーキングスペースをやっている人が多く、ゲストハウスもいいなと思っていたものの、活動をしている間に自分がやりたいのはゲストハウスではないと思い始め、どんな場所を作りたいのか模索をしていました。

交流の場としても利用可能なCCみちくさ

そんな時、後に合同会社えにしかの共同経営者となる伊藤拓真さんと出会います。伊藤さんは2020年1月に鹿嶋市に移住してきた鹿島アントラーズサポーターのひとり。人柄としてはお互い違う属性ではあるものの、考えていることやベクトルが似ていて意気投合したおふたりは、元々写真屋さんだった建物をお借りして2021年10月に合同会社えにしかを開業、2022年3月にCCみちくさのコミュニティースペース部分をオープン、同年6月にはフルオープンしました。

地域への想いとみちくさのこれから

CCみちくさの運営を行う上で松崎さんには地域に対する想いがあります。それは、地域の人が鹿嶋を出た時に鹿嶋と繋がりがなくなることがないようにしたいということ。これは松崎さんが社会人になってからさとのば大学で学んだことがきっかけでした。

「学生の頃は勉強が好きではなく、よく分からずに勉強していたけど、社会人になってからさとのば大学に参加して『学び』って有意義だなと思ったし、『学び』ってこうあるべきだなと感じて。大人になってからは好きなことを学ぶことが多いからだと思いますけどね。」と語る松崎さんは、大人になってから学ぶことの意味や意義を考えるようになったそうです。

CCみちくさでの松崎さん

「わくわくしたり、気づきがあったり、自主的に色々考える時間が楽しかった。日常に気づきを増やすことでわくわくした日常になるなーと思ったし、それが地域に広がったらみんなの体温も自然と上がるんじゃないかなって。他人に何か教える時は好きなことや熱量のあることが多いし、教える側の学び直しにもなる。地域の自己肯定感が上がってみんなハッピーになるんじゃないかなと思った。」と松崎さん。

そこで、CCみちくさでは2023年春よりみちくさワンコイン講座を開始。松崎さんご自身が学んだグラフィックデザインなどの講座を実施しました。

みちくさワンコイン講座

「今まで知らなかったことを学ぶことで地域のレベルが上がるのでは?とも思うし、共通言語ができることで聞きやすくなったり、相手に対しての怖さがなくなってみんながハッピーになるとも思った。」と語る。

子供には楽しんでいる大人をみることで人生を楽しんでいる大人もいるということを知って欲しい、そして視野を広げて欲しい、そんな想いから「鹿嶋の夢先生」を冬に開催予定。実際に働く大人が自身の職業について子供向けに話をします。

この講座は地域の人が地域の人に対して講座を行うという形式。子供が大きくなった時に、夢がたとえ叶えられなかったとしてもサポートする側の立場に回ったり、他にやりたいことを見つけたりなど、視野や選択の幅を広げて欲しいとの想いや、大人にも子供がいきいきとしていたり、子供ならではの発想を知ることの出来る機会にしたいという想いが込められています。

「都会に出た時に、鹿嶋だから楽しかったんだ、鹿嶋にいる人たちが楽しい人たちなんだ、鹿嶋は帰ってきやすい、鹿嶋には気にかけてくれる人がいる、そんな風に思える地域にしたい。」と語る松崎さんは子供だけでなく、大人でも興味がある人が関われるような入りやすいコミュニティを作りたいとの想いから大人も対象となる講座「レベルアップ講座」も夏に開催しました。

みちくさ夏の学校

助けになっている自分が好き

松崎さんの活動の中で一番テンションがあがる(プレイフルな)瞬間、それは「他人の不安を取り除けた時」

「助けになっている自分が好き、みたいなところがあるかな。」と語る松崎さんは講座をやり始めて受講生に「初めて知りました!」と言われ、困っていた部分を解決できた時、とてもテンションがあがることに気づいたそう。

喜んでいる時よりも不安がなくなった時や、自分ができないと思っていたことが出来てそれを報告したくなるような状況を作ることが出来た時が松崎さんのプレイフルな瞬間だそうです。

グラフィックデザイン講座の様子

「他人が解決したいことがあるときに手を差し伸べられるような存在になりたい。」そう語る松崎さんは、秋にも講座の開設を予定しています。

みなさんも松崎さんの想いが詰まったCCみちくさでの講座を受けてみることで、視野が広がったり、新たな気づきがあるかもしれません。是非、「学び」に行ってみてください!

松崎 侑奈(まつざき ゆうな)さんのプロフィール
1995年生まれ。福島県大玉村出身。県内の工業高校を卒業後、千葉県内の専門学校へ進学し、ANA成田エアポートサービス株式会社に入社。憧れだった航空業界で旅客機のグランドハンドリングとして勤務していたものの、東日本大震災の経験から地方創生や復興支援活動に興味・関心があり、2018年8月鹿嶋市地域おこし協力隊に就任。2年半の任期を終え、合同会社えにしかの代表としてコワーキング・コミュニティスペースみちくさの運営を行う。

⦅合同会社 えにしか⦆
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⦅コワーキング・コミュニティスペースみちくさ⦆
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⦅その他⦆
 Livhub:「地域の入り口」は人それぞれ。鹿嶋市コミュニティスペース「みちくさ」 松崎侑奈さんが地域のつくり手になるまで
 Re:BARAKI:地域おこし協力隊

★ プレサスインタビューとは

私たちが大切にしている「Playful Sustainable」という言葉。
この言葉には「Playful」答えのない好きの追求、「Sustainable」自然や文化など長く続くものの力を借り、守り続けるという意味が込められています。

私たちがこの地域で活動していく中でカシマにも本業・趣味関係なく、好きなことをとことん追求し、継続的に活動をされている方々にお会いする機会が多く、そんな好きを追求するプレイフルな方々のプレイフルな瞬間にフォーカスし、深堀りしてみることにしました。

どんな活動をどんな想いでされているのか、今後どうなっていきたいのかを実際にインタビューをしてお話しをお伺いし、掲載をしています!

下記、まとめ記事より是非ご覧ください!!


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