【プレサスインタビュー Vol.1】鹿嶋市・須藤謙さん
茨城県鹿嶋市で作庭事務所「合同会社にわけん」を営む須藤謙(すどう けん)さん。須藤さんは作庭事務所とは別に、キャンプがご自身の趣味であることがきっかけで、会員制キャンプ場「Forest life」も営んでいます。
須藤さんは鹿嶋市出身。茨城工業高等専門学校(以下、茨城高専)を卒業後、一度は上京をし、大手鉄道会社のJR東日本へ就職。その後、庭師の道に転職し、神奈川県茅ヶ崎市で作庭事務所として独立。結婚とお子さんを授かったことがきっかけとなり、鹿嶋市にUターンをしてきました。
本当はカウボーイになりたかった
茨城高専を卒業した須藤さんは上京し、JR東日本へ就職。JR東日本では工業高専出身ということもあり、電車線(電車に電力を供給する電線)の工事設計や線路の切り替え工事の設計・監督など電力系工事の担当部署に所属され、東京の鉄道網を裏で支える縁の下の力持ちとしての会社員生活を約5年間送ってきました。
しかし、子供の頃からの夢は「社長になりたい。自分の裁量で生きていきたい。」。そのため、学生時代は勉強よりも学生会活動や文化祭実行委員会などイベントの運営側を担うことが多く、就職した後もその夢はたち消えることはありませんでした。
「本当はカウボーイになろうと思っていたんだけど、、、なんとなく外国に対する憧れがあって。アメリカに行って英語を覚えて、向こうで生活してって思っていたんだけど、周囲からの大反対があって…諦めて。それで、JR東日本に入った。自分の夢が叶えられなかったのが悔しくて、、、だったら、誰でも知っている大手の鉄道会社に入ろうって思って。」と、過去を振り返りながら語る須藤さん。
学生時代から自然の中で暮らすことやローテクノロジーな暮らしに憧れ、カウボーイになりたいと思ったものの、周囲からの大反対でカウボーイになるという夢を叶えることが出来なかった須藤さんは、会社員生活を送る約5年間で本当の自分に合った仕事は何かという模索をする毎日を送っていました。
鉄道会社から庭師の道へ
会社員時代、バーやカフェの経営、テレビのプロデューサー、子供の頃に好きだったプラモデルを思い出し、ものづくりの仕事などを視野に入れ、自分探しをしていた須藤さん。その中で見つけたのが庭師のお仕事でした。
「親父の影響が大きい。親父は庭いじりが好きで休みの日になると親父と車庫を作ったり、小学生くらいの時からDIYをよくしていたし、自分も植物が好きで高校時代はホームセンターの園芸コーナーでバイトをしていた。あとは、家族旅行で城巡りをして庭園に触れる機会も多かったから、その時に培われたものもあると思う。それと、子供の頃に書道をやっていて、書道も芸術・美術の分野だし、字の形とかも庭やものづくりに通ずるものがあると思っていて。そういう子供の頃に経験したものを考えると庭づくりが一番いいんじゃないかなって思って。」と語る。また、「子供の頃の夢は大工さんだった。あと、当時ガーデニングブームだったことも影響しているかな。」と須藤さん。
庭師のお仕事で独立しようと思った決め手は子供の頃に好きだったものづくりだったそうです。一生に一度、湘南に住んでみたかったということもあり、茅ヶ崎の作庭事務所に弟子入り。そこで修行をし、子供の頃からの夢であった社長になるという夢を、作庭事務所の社長として夢の場所・湘南で叶えました。
自然環境に寄り添う大人の遊び場
2010年、結婚やお子さんを授かったことがきっかけで、転職と2度の移住を経て、実家のある鹿嶋市に戻ってきた須藤さん。茅ヶ崎で設立された作庭事務所を、現在は鹿嶋市で営んでいます。
そんな須藤さんが2022年4月1日に鹿嶋市内の中心部に程近い山の中で、市街地の喧騒から離れた秘密の場所としてスタートさせたのが、自然環境に寄り添う大人の遊び場というコンセプトの会員制キャンプ場「Forest life」です。
須藤さんはご自身の趣味であるキャンプをご自身が楽しむだけには留まらず、自分と同じ趣味をもったキャンパーたちに鹿嶋でキャンプを楽しんでもらいたい、という理由でForest lifeをスタート。竹林が生い茂る小道を抜けた広大なフィールドには、必要最小限の設備だけを揃えた自然に還すことのできるキャンプ場がひっそりと佇んでいます。
「庭の仕事をしているので、普段から自然や土と触れ合う機会が多いけど、コンクリートとか含めて、今の世の中は最終的に産業廃棄物になってしまうものが多い。それはしょうがないことなんだけど、そういうものを出来るだけ使わないものづくりが出来ないかなと思っていて、庭づくりも出来る限り土に還る素材を使っている。キャンプ場に関しても、2000年、3000年のうちのわずか10年、20年だけ自分たちが一時的に地球・山を借りているという風に考えていて、使ったら返さなくちゃいけない。そのときに自然にちゃんと還せるように、自然のものを使って、なるべく開発をしない、お金をかけない自然に還せるキャンプ場、というコンセプト。」と語る。
キャンプを始めたのは2019年4月。元々、ご両親がキャンプブーム世代で、子供の頃に旅行に連れて行ってもらった時に泊まる場所がキャンプ場ということも多く、キャンプ自体は好きだった須藤さん。2017年〜2019年までご自身が携わって開催していた波フェスの参加アーティストがキャンプをやりながらフェスをするという企画を行ったことがきっかけで本格的に趣味としてキャンプを始めました。
「キャンパー歴は長くないけど、キャンプが好きで、息子を連れてよく行っていた。ここに来るみんなが楽しんでいるところを見ると楽しいし、嬉しいよね。」と須藤さん。
利用者にForest lifeでのキャンプを楽しんでもらえることが、Forest lifeを運営する一番の原動力になっていると言います。
「会員さんが楽しんでいるのを側から見ているのが楽しい。自分がその場にいなくても自分のキャンプ場で楽しんでくれている様子をSNSで見られるととても嬉しい。」
「キャンプ好きの人たちが気兼ねなく集まれる場所として、もっと規模を大きくしていきたい。わいわいと賑やかにみんなで楽しむのも好きだけど、お酒を飲みながらしっぽりと仲間と語るのが好きなので、そういった場所を増やしていきたい。ソロキャンパーが仲間同士で火を囲みながらお酒を飲んで、熱く語り合う場として「Forest life」を使ってもらえたら嬉しい。」と須藤さん。
まさに、自然環境に寄り添う大人の遊び場に相応しい場所ですね。
Playfulな瞬間
ご自身の趣味がきっかけでキャンプ場を作ってしまった須藤さんはご自身が好きなことをとことん突き詰めていてとてもプレイフルだと感じています。そんな須藤さんにForest lifeの活動の中で一番テンションがあがる(プレイフルな)瞬間を聞いてみました。
「1番好きな瞬間はしっぽりお酒を飲みながら仲間と火を囲みながら語っている時だね。」
ご自身がプレイフルだと感じる瞬間をみんなにも感じて欲しい、そういう場所を増やしていきたいとキャンプ場を運営をされている須藤さん。これからの須藤さんのご活躍が楽しみですね!
会員募集中!
須藤さんの会員制キャンプ場「Forest life」では、現在会員を募集しています。
時間に縛られることなく1年中好きな時に使え、薪は使い放題で年会費66,000円。募集は15組限定で随時募集中とのこと。詳しくは以下、URLの動画をご覧ください。
★ プレサスインタビューとは
私たちが大切にしている「Playful Sustainable」という言葉。
この言葉には「Playful」答えのない好きの追求、「Sustainable」自然や文化など長く続くものの力を借り、守り続けるという意味が込められています。
私たちがこの地域で活動していく中でカシマにも本業・趣味関係なく、好きなことをとことん追求し、継続的に活動をされている方々にお会いする機会が多く、そんな好きを追求するプレイフルな方々のプレイフルな瞬間にフォーカスし、深堀りしてみることにしました。
どんな活動をどんな想いでされているのか、今後どうなっていきたいのかを実際にインタビューをしてお話しをお伺いし、掲載をしています!
下記、まとめ記事より是非ご覧ください!!