【スナックカシマvol.9】富山視察報告会 ~学んできたのは、地域プレイヤー自らによるまちの作り方~
本記事に興味を持っていただきありがとうございます!プレイフルでサステナブルなまちづくりをカシマで進めているKXの菊池です。
今回は2月中旬に開催をした、スナックカシマvol.9のイベントレポートをお届けします。
今回のテーマは…
今回のテーマは"富山視察報告会"。
私たちKXでは、地域・まちのプレイヤーの皆さんと一緒に伺う、全国各地への視察ツアーを定期的に開催しております。
(昨年2月には香川県三豊市へ視察ツアーへ伺い、視察参加者を代表して、ツマギアンズの山町さん・みちくさのユウナさんにお話いただきました。詳細はこちらのレポートをご覧ください)
そして2023年11月末に、富山県南砺市井波・氷見市で面白いことが起こっていると聞きつけた私たちKXは、地域・まちのプレイヤーの皆さんにお声がけし、視察に行ってまいりました。その模様を、視察参加者だけでなく、地域や街にシェアさせていただきながら、資産にしていきたいという想いで、今回のスナックカシマを開催いたしました。
今回の店長は…
今回の店長は、鹿嶋市役所政策推進課にご在勤の茂垣諭さん!行政の立場から、鹿行・カシマにどんな仕組みがあればプレイフルなヒト・コト・場所を増やせるか?という観点で視察にご参加いただきました。
民間事業者・プレイヤーには持ち得ない視点を持たれているので、刺激になるお話ばかり!
視察参加者を代表して、当日は茂垣さんに視察に行っての感想やフィードバック、カシマの未来に向けてのお話をお伺いしてみました。
スナックカシマ、今宵も開店!
どこに行ったのか?
今回、視察に伺ったのは富山県南砺市井波・氷見市の2つの街。
視察全体の大きなテーマは「ストリート単位での再生・活性」事例を見にいくことでした。"通り"にプレイヤーが集まり、どんなエリアをつくっているのか、肌で感じてまいりました。
富山県南砺市井波ってどこ?なんで行ったの?
富山県氷見市ってどこ?なんで行ったの?
富山視察に興味を抱いた理由
KX菊池「スナックカシマほぼ皆勤賞の茂垣さん!今日は店長ということでよろしくお願いします!」
茂垣さん「よろしくお願いします!前で喋るのは少し緊張しますね。みなさん、積極的に野次ください(笑)」
KX菊池「少しお時間空いてしまいましたが、私たちは昨年の11月末に富山県へ行った訳ですが、そもそもなぜ今回興味を持ってくださったのでしょうか?」
茂垣さん「昨年の2月に始まったスナックカシマから参加をしていますが、ヒト中心のプレイフルなまちづくりというKXが進める世界に共感をしていること。地域のプレイヤーの皆さんと現地でディスカッションできることも魅力でした。そして、氷見市のお話を聞いた時に、"公設民営"の産業支援センターがどんな状況なのか?を肌で体感してみたかった。というのが大きな理由の1つでした。」
KX菊池「これから視察を振り返っていく訳ですが、まず全体を通してのフィードバック、感想とかってありますか?」
茂垣さん「そうですね…。それぞれの街に強い想いを持ったキーパーソンがいたということ。そしてその想いの具現化のために地域で活躍するプレイヤーの方々が(Uターン・移住者含め)集積して、そのエリアを作っていたことが印象的でした。」
KX菊池「ありがとうございます!では、早速、視察をしている最中の写真を見ながら振り返っていきましょう」
路地から生まれ変わる、井波。
KX菊池「実は僕、井波は途中からの参加だったので、日中のメインストリートをあまり歩けてないんですよね。井波に最初訪れた時はどんな印象でしたか?」
茂垣さん「瑞泉寺という有名なお寺があって、バスを降りて瑞泉寺をご案内いただきつつ、そこに通ずるメインストリートのまち歩きをしました。木彫りの職人は今でももちろんご健在で、ストリートから木彫り職人さんの作業を間近で見ることができるのはとても貴重な体験でした。
KX菊池「一緒に視察に行った、ウツギ酔賓店のちーちゃんは、お店の七味唐辛子入れの木彫りのフクロウさんをたくさんご購入いただいたとか!建物や表札などにも丁寧な木彫りの彫刻が施されていて確かに印象的でしたね。」
茂垣さん「一方、メインストリートといってもとても静かだな…と。日曜の午後に私たちは到着しましたが、観光客も含めて歩いていたのは私たち視察団だけという感じだったので、少し不安(?)でしたね」
KX菊池「僕たちからは事前インストールで、"一気に事業者が増えている街なんです!"とお伝えしていたから尚更ですよね。」
茂垣さん「そう。そして全員合流してから案内いただき始めたのが、"路地裏"でした。」
KX菊池「いやはい、後から合流組だった僕は、いきなり路地裏案内されてびっくりしました(笑)」
茂垣さん「すると、洗練されたおしゃれなコーヒーショップが出現してくる。ここ本当に道なの?他人のご自宅の通りなんじゃないの?という通りを歩くと、クラフトビールのブルワリーが出てくる…。」
考えるべきエリアの単位は"同じ中学校"くらいで。
KX菊池「このお店たちがどのように生まれていったかというお話がとても印象的でしたよね」
茂垣さん「そう。この井波では"ジソウラボ"という団体による取り組みによって、お店が増え始めているというお話でしたよね。お店の誘致する方法も、まずは"自分たちが欲しいものを"とおっしゃっていたのも印象的でした。そして、移住者を誘致して、彼らのお店が成り立つまでは、ジソウラボさんが金銭的な支援をするという徹底ぶり。代表の島田優平さんのエネルギーには圧倒されました。」
会場参加者「活動のスコープにするエリアの範囲を考えるときの単位も印象的だったよね」
茂垣さん「そうだったね。同中、同じ中学校くらいの範囲しか考えていないという話。自分たちの街だったら…と考えると、確かに!と納得感が高い話でした。」
菊池「と、いうと…。」
茂垣さん「役所の企画部門は、"まちづくり"を"市全体のような大きな括り"で見てしまいがち。実際の"まちづくり"に欠かせないプレイヤーにとっては"市全体"が重要というよりかは、自分の中学区のような生活感・手触り感のある"手の届く範囲のエリア"を、どうより良くしていくのか?に興味関心があるんだな。と解像度が上がったんですよね。」
KX菊池「民間事業者が自分たちで自分たちの街を守る、つくる、アップデートする、という姿がとても印象的でしたね!」
茂垣さん「各プレイヤーによる"手の届く範囲のエリア・まち"でのアップデート・アップグレードの積み重ねが、結果的に"全体的なまち"の未来に繋がっていくんだという考え方に気づけたのが良い収穫でした!」
想いをみんなで描き、形にしてくれる存在。
茂垣さん「井波は、建築家である山川さんの存在も大きいんだと思います。」
KX菊池「視察団の僕たちは、山川さんが手がけるBed and Craftに宿泊をしました。」
茂垣さん「宿泊施設のクオリティという意味ではもちろん、ここはいわゆる"まち宿"で、宿泊の際の食事は、まちなかの飲食店でとることができたり、職人に弟子入り体験ができるというコンテンツがあったり。少し長めにこの街に滞在することができる長期滞在向けのアパートメントも手がけられてましたよね。
茂垣さん「外のプレイヤーを巻き込むためにも、"宿泊"という機能の街にとっての重要性を肌で感じ取ることができました。」
行政が仕組みをつくり、民間が動かす。氷見。
KX菊池「翌日は氷見市へ。こちらは茂垣さんの視察テーマでもある、行政が作った仕組みを、民間人材が動かし、街の中小企業の産業支援・移住者促進をしていくという"〇〇-Biz"モデルが進んでいる街でした。」
茂垣さん「当日は、氷見市役所の職員の方ともお会いできたので、状況を肌で感じることができたのはGoodでしたね。印象的だったのは、担当の職員さんがいらっしゃったんだけど、その方はほとんどお話しせず、"Himi-Biz"のセンターの職員さん(民間人材)がお話しされていたことだったんです。これって全く悪いことではなく、しっかり役割分担がなされているんだなと。補助金や仕組みのところは担当職員さんがしっかりとご説明してくださり、それをどう運用していくかは"Himi-Biz"の方々がご説明してくださる。"公設民営"の意味がとてもよく理解できました。」
KX菊池「氷見に訪れてすぐに、"Himi-Biz"のお話を伺って、その後、まち歩きへという流れでしたね。」
茂垣さん「お話を聞き、実際にどんなチャレンジが街の中で行われていくかを実際に見ることができるのは貴重な体験ですよね。」
カシマをもっとプレイフルに。
KX菊池「短い時間ではありましたが、ざざっと富山への視察を振り返ってみました。現地にて、視察の最後にはそれぞれのネクストアクションの"宣言"もありましたね。」
茂垣さん「街を魅力づけるのは、やはりヒトなんだなと改めて実感しましたね。プレイフルなプレイヤーがこの鹿行・カシマという地に増え続けることはとても楽しみですし、その状況を作り出せるように行政の立場から仕組みづくりを頑張ってみたいと思います!」
茂垣さん「行政の立場での参加でしたが、一個人として視察で刺激を受け、"井波・氷見"の真似ではなく、メタ的視点/レベルで妄想の具現化を企み始めたので、ぜひ楽しみにしててください!笑」
KX菊池「改めて、茂垣さん、今日は本当にありがとうございました!」
茂垣さん「また一緒に視察へ行きたいです!ありがとうございました!」
終わりに
我々が視察に伺った直後、2024年1月1日に心痛む震災が発生してしまいました。能登半島地震で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様がいつもの生活に戻られますよう、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
Local to localで繋がりながら、切磋琢磨し合う地域・地方の仲間として、自分たちの地域でできることを考え、行動を。そして富山県の皆さんが新たなインプットを得られるような活動を鹿行・カシマという地で繰り広げ続けたいと思います!
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