見出し画像

五等分の花嫁∬~夏の思い出も五等分~のレビュー

物語は原作ファンであれば十分楽しめる内容だが、
ゲーム部分があまりにも面白くない。

最終日が残り3日の時点という罠はあるが、簡単なので全く問題ない。

『五等分の花嫁』は2023年時点で4作品もCSでゲーム化されているが、
この作品が2021年3月25日に発売された記念すべき第1作目であり、
そこから4作も出るとは流石の原作人気だと言わざるを得ない。
物語部分は無難だが手堅いという出来になっており、
原作ファンで推しが居るなら十分に楽しめる内容になっている。
しかし、ゲーム部分がつまらないという問題点を抱えている。

評価点

・5人全員と風太郎の絡みがちゃんと見れる
これ基本だけど大事。
この部分に対しては最低限保証されているし
あまりにも突飛で奇をてらった内容も無いため、安心して楽しめる。

ギャルゲーの基本はしっかりと抑えられている。

・システム面が充実している
セーブデータは150個作ることが出来るので文句なし。
多すぎてこんなに必要はないが、多いに越したことはない。

また、シーンギャラリーで最終日を迎えた後の個別ルートを
選択肢も含めて見ることが出来るため、
もう一度個別ルートが見たいなら是非活用しよう。
二度とゲーム部分には触れたくないし。

その他、システムボイスを変更出来るところも見逃せない。
初期設定は風太郎なのだが、五つ子はもちろんのこと、妹らいは、
更には五つ子の父親と風太郎の父親も設定することが出来る。
気分を変えたくなったら変更するのがおすすめだ。

女性キャラだけでなく、男性キャラのシステムボイスも充実している。

・やるべきことが明白になっている
ルート分岐の細かい条件もチュートリアルで教えてくれるため、
そこで迷うことはないだろう。
試行錯誤したり、情報収集をする必要も無いのはとてもありがたい。
制作側もゲーム部分がつまらないと自覚していたに違いない。

チュートリアルをスキップすると分からないけど、知らなくてもなんとかなる。

問題点

・ゲーム部分が全く面白くない
本作のシステムは五つ子たちのHPと機嫌を気にしつつ、
全教科を60点以上にした状態で最終日の試験を迎えれば
エンディングとなる。
1回の勉強で大体20点くらい上昇するのだが、
期限は10日×1日3回行動が出来るため単純計算でも楽勝なのである。
一応、料理のための食料調達を選択する必要はあるが、
5日も過ぎればどんどん余ってくるようになる。
さらに、キャラ個別のルートに入りたければ、
そのキャラの親密度を80以上にしている必要はあるが、
サポート指名をそのキャラばかり選んでいるだけであっさり到達出来る。

要は、テキトーにプレイしていてもクリア可能だということ。
料理の成否もHPと機嫌の管理にほとんど影響はなく
HPが減ったら休憩、機嫌が減ったら自由行動を選ぶだけで良い。
料理なんて何を選んでも良いし、なんなら失敗し続けても問題ない。
中盤以降は料理の成功率も上がるため、二週目からは作業となる。
仮にこの内容で難しい難易度にしたところで面白くもなんともないので、
選択肢を選ぶだけの普通のアドベンチャーゲームにした方が
客層にも合っていただろうに・・・。

二週目以降の料理当番は連打がおすすめ、なので四葉と五月は選ばなくなる。

・周回するにはゲーム部分が邪魔なので面倒
全キャラのルートを埋めようとすると親密度の関係で周回する必要があり、
スケジュール作成と料理当番選択が邪魔に感じてくるだろう。
演出は長いし、全員分を入力しないと開始出来ないので
本当に邪魔なのだが、スキップすることは出来ない。

そこで、最初の2日間で食料ばかりを取ったあと、
その後の3日間で平均的に学力を鍛えたセーブデータを残しておいて、
エンディングを迎えたらそのセーブデータから開始するという
序盤をスキップするための手段を作っておけば多少は楽になるだろう。

毎回スケジュールを入力するのが面倒なことこの上ない。

総合評価

7点(10点満点)
ゲーム部分がつまらないのは減点対象だが、
シナリオが無難にまとまってはいるのでこの点数とした。
ゲームなのにゲーム部分がつまらないのは致命的かと思われるが、
本作に求められているのはシナリオ部分なのだから問題はあるまい。
続編の『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』では
選択肢を選ぶだけのアドベンチャーゲームに変更されており、
如何に本作のゲーム部分が失敗であったかが良く分かる路線変更だ。
せっかくのゲーム化なのだからゲームとして作りたくなる
製作者側の気持ちも分からなくはないんだけどね・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?