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脳卒中運動麻痺へのアプローチ

脳卒中運動麻痺へのアプローチ
脳卒中超急性期リハビリテーション治療における運動麻痺へのアプローチ
幸田剣
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION・第30巻・第6号(通巻355号)・2021年6月号 P572-579

Key  Words
:超急性期リハビリテーション治療、運動麻痺、早期離床、長下肢装具、運動負荷

●内容要約

 超急性期リハビリテーション治療介入による運動麻痺の改善の有効性、治療介入について和歌山県立医科大学付属病院を例にし実践的な介入について述べられている。

また今後の超急性期リハビリテーションの展望について触れられている。

●内容

 脳卒中超急性期リハビリテーションについては脳卒中治療ガイドライン2015にもあるようにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーション治療を行うことが強く推奨されている(グレードA)。

 リハビリテーション治療の中には、早期からの座位、立位、装具着用での歩行の獲得が含まれている。実例として和歌山県立医科大学附属病院で行われている脳卒中に対する超急性期リハビリテーション診療が挙げられる。

 超急性期リハビリテーション治療による運動麻痺への効果ははじめに麻痺部の運動機能の維持・向上が重要である。それに加えて神経軸索の成長を促す必要がある。そのためには理学療法による長下肢装具使用による歩行練習、作業療法による上肢機能向上の運動療法が必要になる。

 また超急性期リハビリテーション治療の今後の展望についても述べられており、中枢神経再生には超急性期からの運動負荷が有効であり、近年では再生医療の進歩による難治障害への治療効果の期待もされている。

しかし再生医療にはその後のリハビリテーション介入が不可欠であり、抗重力負荷、運動負荷に加え、麻痺部骨格筋への機能的電気刺激(FES)や温熱負荷などの有効性も研究されていくことであろう。

 本誌には和歌山県立医科大学附属病院での脳卒中に対する超急性期リハビリテーション診療から理学療法、作業療法の一例まで詳細に記載されており、和歌山県立医科大学附属病院ではリハビリテーション科医師による診察、診断の上でリハビリテーション処方を行う。治療開始当日は医師、療法士によるカンファレンスを行い、適切な治療内容についてのディスカッションが行われる。また毎朝回診を行い、問題点はその都度確認を行い、
追加検査の必要があれば提案を行う。

 理学療法、作業療法の治療介入については本誌をぜひ読んでいただきたい。

記事:RYU

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