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記憶の力

私は記憶力が大してあるわけではない。
学生時代は一夜漬けタイプだった故に、知識など長期記憶になるわけない。
ただ、やはりエピソード記憶は長持ちするものだ、というのは身に染みてわかっている。

たばさんが昨日、夏、戦争について触れていた。
私にとっても、夏は戦争についての記憶が強く残る。
ただし、戦争を経験したわけではない(当たり前体操)

たばさんのおじい様と違って、うちのじい様は戦中の経験を積極的に語ってくれた。逆に祖母は食生活困った、ぐらいしか聞かせてくれなかった。

小泉八雲が死んだ年に生まれた祖父は、早くから従軍している。
なんせ明治生まれ。

子守唄に歌ってくれたのは、軍歌「戦友」である。
♪ここはお国の何百里、離れて遠き満州の、赤い夕日に照らされて、戦友(とも)は野末の石の下♪

幼女に聞かせる歌ではない

「これはなぁ……戦争で遠くまで兵隊として来て、一緒に戦った友だちの方が死んでしもうて。死体を持って帰ることは出来んから、そこに埋めて、せめての墓石にって道にあった石を上に置いとる場面や。」

詳細説明嬉しいけど、幼女にするもんじゃない



うちのじい様は、陸軍所属。
最終的な階位は軍曹。
一介の平民にしてはそこそこなのでは?とも思う。知らんけど

何年にこの部隊に所属し、ここに進軍し……という記録が残っていて、祖父の所属軍は日中戦争に行っていた。これは、公的文書を解読したものなので、祖父から聞いた話の記憶ではない。けれど、祖父が戦争に3回行った、実際に戦地に行って戦っていた、という話を聞いていなければ調べもしなかった。

戦地での話もしてくれた。

。。。


男は支那に入り、何度か戦闘を経験していた。
何度か戦闘があれば戦功もあり、部下を少ないながら持つようになった。年の功でもあったのかもしれない。

ある日、敵兵からの攻撃を受けた部下が命からがら逃げてきた。部下には銃創などがあった。

「攻撃確認!!」

男は部下を一瞥して、怒鳴った。

「持っていた銃はどうした!」

部下は満身創痍。銃を持つことも出来ない。命だけを持って拠点まで帰ってきた。今の日本なら、よく帰ってきた!命があるだけ儲けものだ!な話である。

男は殴った。
満身創痍の部下は倒れふした。

「貴様は、敵兵に武器をみすみす渡してきたのか!」

鬼軍曹である。


。。。

ちなみにこれも、幼女に聞かせる話ではない
けれど、今思うと聞いておいてよかった。
こんな話リアルで聞くことなど、そうそうあることではない。


幼児相模屋怖くて泣いたけど。

泣いたからこそ頭にこびり付いて離れない話である。
エピソード記憶すごい……

孫を猫可愛がりする祖父からは想像出来ず、正直作り話では?と思ったこともある。
けど、時代劇と都はるみとウスターソースと甘口日本酒とechoが好きだった祖父(つまり私にとっては普通の優しいじい様だった)
戦争というつらい記憶を作り話でやるわけがない。
多少は盛ってるとこはあるかもしれないが(コラ)


余談ではあるが、所属していた部隊の上のお偉いさんは、歌手で女優でお笑いタレントで司会者などもやる松本明子さんのおじい様であるとかなんとか。そこは公的文書からの予想とかも混ざるので本当かどうかはわからないけどw

記憶力はそんなにない相模屋であるが、記憶には力があると思っている。
受け継ぐもの、語り継ぐもの、時代と時代を結ぶ力。
前に進む力。
今を維持し、悪い方へといかないようにする力。

記憶ってすごい……



追伸。
かえるさんのガチャガチャソムリエもっと聞きたい。ポーチもファンタジーものの本も好みでした。
ちなみに、ガチャガチャでゲットしたブックカバーは持ってます。夏目漱石編。これはコンプしました。

文庫本ポーチコレクション【夏目漱石編】 | IP4 Inc. アイピーフォー株式会社 https://www.ip4.co.jp/cupsuletoy/%e6%96%87%e5%ba%ab%e6%9c%ac%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%81%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%80%90%e5%a4%8f%e7%9b%ae%e6%bc%b1%e7%9f%b3%e7%b7%a8%e3%80%91/

リンクってどうやって繋げるんだ?(機能を使い切れない)

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