真髄の針学Ⅰ
挨拶
みなさんお元気ですか、《真髄の針》刺してますか。
今日は『真髄の針学Ⅰ』やっていきたいと思います
はじめに
この真髄の針学は、メインデッキに《真髄の針》を入れているデッキで活用することを想定しています。そうだね、ウルザソプターだね。
《ウルザの物語》と併用する前提なので、例えばジャンドサーガとかにも考え方は応用できるかもしれませんね、参考までに。
本記事の構成
本記事は、マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームにおけるフォーマット「モダン」に存在する《真髄の針》の使い方をまとめたものとなります。また同時に、同環境に存在するデッキ「UrzaThopterSword / ウルザソプター」で使うことを前提として、この記事を執筆しています。モダン環境についてある程度の理解と知識、ウルザソプターに関するほんのりした知識があることが前提となります。
ウルザソプターというデッキについては、過去に私が何個か記事を執筆しています、よろしければこちらも参照してください。
※記事は指輪物語:中つ国の伝承の伝承実装前のものとなります。
《真髄の針》の基本
恒例、カードの確認からいきましょう。
特定のカードを指定し、それの起動型能力を封じる1マナのアーティファクト、マナ能力は縛れないので例えばマナクリーチャーの能力を封じることはできません。
例えば《彩色の星》や《彩色の宝球》の効果はマナ能力です。一方《東屋のエルフ》なんかはマナ能力ではないので諸々注意ですね。
直接アドバンテージを取るカードではなく、まだ場に出ていないカードを指定することも多いため、環境や対戦相手のデッキへの理解があることが前提のカードになります。
『ウルザソプター』というデッキにおいては除去が難しい3コスト以上の起動型能力を持つパーマネントに対処したり、おなじみ構築物トークンを大きくしたり、《金属の叱責》の種になります。もちろん《ウルザの物語》から持ってくることもできますよ。
《ウルザの物語》との作用
《真髄の針》と《ウルザの物語》を併用するうえで重要なルールのお話。
《ウルザの物語》3章が解決され、真髄の針を場に置いたとき、針の着地に際しスタックは積まれません。
少しわかりにくいですが具体的な例を出すと、《仕組まれた爆薬》を置いている状態で《ウルザの物語》の3章解決まで進むと《仕組まれた爆薬》に《真髄の針》を刺し、起動をさせないことが可能です。もちろんフェッチランドも同様ですよ。
テーブルトップでマジックをやる場合は、この《仕組まれた爆薬》を起動できるタイミングがないことをしっかりと教えてあげましょう。
《真髄の針》を刺すタイミング
早ければ早いほどいいです。針に除去を使わせたらアドです、ニッコリ。たとえば針が全く刺さらないデッキにもとりあえず刺しましょう。あとで《飛行機械の鋳造所》で飛行機械トークンに変換します。指定は、そうですね…、《お前はもう死んでいる/You Are Already Dead》でいきましょう。
サイドアウトについて
指定するべきカード(ゲームに影響を与えるカード)が無い場合やはサイドアウトしましょう、代表的な例を挙げるとするならばフェッチランドとロリアンの発見くらいしかないCascade Crushなどですね。
言い換えると、《ウルザの物語》から持ってきて刺しても意味のないマッチアップは抜くべきです。
指定するもの(汎用)
フェッチランド各種
《ウルザの物語》の3章解決時に相手が場のフェッチランドを起動しなかったら嬉々としてそのフェッチを指定しましょう。実質0マナランデスです。
ミシュラランド各種
インスタント除去に乏しいウルザソプターにおいてミシュラランドは大敵です。これで決着がついてしまいそうなマッチではしっかり針を刺しましょう。
《仕組まれた爆薬》
主にサイド後、サイトークン対策でサイドボードに入れられることの多いカードです。X=0で構築物をはじめとしたトークンが、X=1で《ポータブルホール》や《大祖始の遺産》が、X=2で《飛行機械の鋳造所》や《巧妙な鍛冶》が流れてしまうので、《仕組まれた爆薬》一枚で瓦解するようなゲームプランを取っている場合は優先して指定しましょう。
《レンと6番》
《レンと6番》自体は、《ポータブル・ホール》で無力化できますが、《金属の叱責》を構えたいなどテンポを意識するときや、相手のマナスクリューを狙う場合に指定。メイン戦でも《真髄の針》スタックでフェッチ起動から赤もしくは緑絡みのトライオームをサーチしてくるならデッキ確定してなくても刺すと良いです。
《時を解すもの、テフェリー》
忠誠度マイナス効果で構築物トークンをバウンスされるため。
《耐え抜くもの、母聖樹》
アーティファクトとエンチャントを土地に変換してくる魂力土地。
《レンと6番》を併用するデッキ相手には、土地が伸びたほうが嬉しい場合もあるので、指定するゲームは結構稀です。
アミュレットタイタンへの《減衰球》など特定の置物でゲームを掌握している場合はしっかり指定しましょう。
《一つの指輪》
自分のデッキにも入っているのでご利用は計画的に。
今の環境で指輪が入っているデッキはアドバンテージを指輪に頼っている場合も多いので、指定してしまえばこちらは指輪以外の手段でアドバンテージを確保して殴りきることもできます。相手が指輪を起動したいがために《真髄の針》を除去するなら儲けもの、こちらも《一つの指輪》を置いて追いかけましょう。《真髄の針》は優秀なデコイです。
指定するもの(アーキタイプ別)
ここからは、各アーキタイプ別に指定したいカードを書いていきます。
後ろの数字は10段階評価で刺したい度が高いほど高い数値になります。
マーフォーク / Merfork
《変わり谷》 9
汎用の項でも紹介した理由で刺したい一枚。
特にマーフォークはロード込みで4~5打点になることもあるので、これを刺しているだけで1ターン以上稼げると思ってもいいです。
《霊気の薬瓶》 6
《ポータブル・ホール》で取ったほうが良いことが多い、相手がマナスクリューを起こしているようなら積極的に取ると良いです。《霊気の薬瓶》を《ポータブル・ホール》で取ると、ゲーム後半に《飛行機械の鋳造所》のタネにしやすいです、これは豆知識。
《ヴォーデイリアの呪詛抑え》 2
どうでもいい、滅多に刺すことはないです。刺さなきゃいけない瞬間は概ねもう詰んでいるはず。
赤黒想起 / BR Scam
《血染めのぬかるみ》5
《ダウスィーの虚空歩き》 3
《キキジキの鏡像》 2
強いて挙げるとしたらこれ、サイドボードでは基本的に抜きましょう。
ロングレンジのゲームにはこちらが圧倒的に分があるので爆薬は無視でいいです(入っていないこともあるしね)。
緑トロン / Mono G Tron
真髄の針学の真髄ともいえるマッチアップ、冗談抜きに針ひとつで勝敗が決します。
《大いなる創造者、カーン》 10
すでに着地していて返しで落とすことができないならほぼ指定必須。
小マイナス1回までならまだ立て直せるので諦めないように。
《忘却石》9.5
ビートダウンやコンボで近い未来に決着を付けれる見込みがついているときに指定。忘却石は一回起動されるだけですべてが瓦解します。減衰球が置かれている状態でも4ターン目に設置から5ターン目起動、という動きをされて泣きを見ることもあるので注意。基本的には《耐え抜くもの、母聖樹》より優先するべき。
《探検の地図》8
序盤相手の場に探検の地図があり、起動できない状態なら指定。基本的
には手札から唱える前提、5枚目の《ポータブル・ホール》みたいなもん です。
《一つの指輪》 4
複数回起動されたらもうどっちみち負けているので、着地を許さないことが前提。相手の手札があまりにも少ない場合にだけ刺しましょう。
《爆発域》 4
最近入っていないことも多いカード。概ね《減衰球》を破壊するために設置から起動までにラグが生じます。トロンが揃っていない限り脅威ではないので無視無視。
《耐え抜くもの、母聖樹》 3 (サイド後4)
《忘却石》の項目で示した通り、気が向いたら刺しましょう。
ハンマータイム / Hammer Time
《墨蛾の生息地》 10
インスタントでしか対処できないミシュラランド。突然死を避けるため優先して刺しましょう。
《巨像の槌》 9.5
これを刺しておけば《シガルダの助け》以外でハンマーを装備することは難しくなります。《墨蛾の生息地》があっても《シガルダの助け》が見えていないならこちらを指定する方がよいときもあります。
《ルーンの与え手》 7
ビートダウンプランを取るときに彼女らは邪魔です。黙っていてもらいましょう。守りに回る場合は、構築物トークンでブロックしていれば問題ないことがほとんどです(プロテクション無色を付けると装備品も外れる為)
《影槍》 6
攻めているときに逆転の目を潰すために指定します。自分のデッキにも入っているカードなのでご利用は計画的に。
《ウルザの物語》 3
あまり指定することはないですが相手の構築物トークンのサイズがヤバい状況の時はしぶしぶ刺しましょう。
《石鍛冶の神秘家》 1
極々稀に指定。ウルザソプターにとって《カルドラの完成体》は脅威ではありません。
ジャンドサーガ / Jund Saga
《レンと6番》 9
基本の「キ」。ジャンドサーガ自体、土地を切り詰めていることが多く、また負け筋となる《ウルザの物語》使いまわしを止めるために刺します。
もっともロングゲーム時は《ウルザの物語》から《機能不全ダニ》によって針が割られますが、それまでにこちらの戦線を整えましょう。
《ポータブル・ホール》は、なるべく《タルモゴイフ》のために温存しておきたいですね。
《影槍》 7.5
攻めているときに逆転の目を潰すために指定します。ジャンドサーガの性質上、ライフ水準はかなり低くなるので、ハンマータイムにおける《影槍》より優先度は高め。
《機能不全ダニ》メイン5 サイド8
サイド後は基本こいつが《ウルザの物語》からバカスカ飛んできます。話はズレますが《封じ込める僧侶》をサイドインすることも検討に入れとくと良いです。
《ミシュラのガラクタ》 7
相手のデッキに入っていることが確定したなら、刺してもいいかも。
最近は入っていることの方が珍しい気がしますね。
《キキジキの鏡像》 5
やむなく刺す場合があるものの、基本的には後ろ向きな行為。
これを刺してるとき、概ね盤面でも負けていると思います。焼け石に水。
カウンターモンキー / UR Murktide
基本は有利マッチ、相手の負け筋を潰すためにカードを指定します。
《ミシュラのガラクタ》 9 サイド後7
実質ハンデス、最近のリストは《帳簿裂き》少なくなっていることもありこれを刺すだけでゲームがグッと簡単になります。
《仕組まれた爆薬》 9
基本的にはサイド後限定、対UR戦は基本的に《仕組まれた爆薬》を起動されない限り《敏捷なこそ泥、ラガバン》の疾駆と《ドラゴンの怒りの媒介者》による早期決着以外に負けることはありません。
刺せば勝てる、刺さなくても勝てるけど刺したら楽だよ、というモノ。
死せる生 / Living End
メイン戦かつ後手の場合、《金属の叱責》の即席コストのために1t目にアーティファクトを置くことが肝要になります。1t~2t目に唱える場合は運要素が絡みますが、土地を極限まで絞った今のリビングエンド、マナスクリューを狙いましょう。
《霧深い雨林》7
《オリファント》6
《気前のよいエント》5
フェッチは、ほぼ固定で4枚採用される《霧深い雨林》を指定、次いで打点が高い《オリファント》、《気前のよいエント》の順番で指定しょう。
《波起こし》7
死せる生をキャストされ、《波起こし》が場に出てしまうとソプターコンボが止まってしまうため、相手のマナスクリューが無い前提においてはこれを指定する方がベターです。
カスケードクラッシュ / Casade Crush
基本サイドアウトするマッチアップ、メインで指す場合は以下の通り。
《霧深い雨林》4
《ロリアンの発見》3
青黒指輪コントロール / UB Ring
基本的には《一つの指輪》を止めることになりますが、指輪打ち消せる見込みがついてて早期決着が狙える状況であれば《ロリアンの発見》を指定しましょう。
《一つの指輪》7
《ロリアンの発見》 5
アミュレットタイタン / Amulet Titan
《トレイリア西部》 7
持ってこさせるな、《召喚士の契約》。基本はコレ。
《耐え抜くもの、母聖樹》 3 (サイド後6)
《減衰球》を守れば相手の《召喚士の契約》の契約死を目指すことができます。
《処刑者の要塞》4
《精力の護符》が場にあり、これを処理できていない場合かつ、《原始のタイタン》を出された返しに勝てる見込みがある場合に指定しましょう。
《マイコシンスの庭》2
正直1枚でも《精力の護符》が出ているとかなり厳しいので、あんまり指定する必要はありません。
4Cオムナス / 4c Omnnath (4℃)
《レンと6番》8
《時を解すもの、テフェリー》7
《一つの指輪》7
《耐え抜くもの、母聖樹》2
ほぼほぼ汎用の項目で述べた通り。《レンと6番》に次いで《時を解すもの、テフェリー》の重要度が高め、これは《ウルザの物語》をバウンスされてゲームの主導権を渡さない、ということを重要視しています。
また《真髄の針》自体は、総じて《耐え抜くもの、母聖樹》や《虹色の終焉》で割られる未来をたどることになりますが、安心してください、それで正解です(前者であれば土地が伸びて2:1交換、後者なら本来もっと他のところに当てるべき除去をここに切っているので)
ライブラリアウト / Library Out
《汚染された三角州》 6
《廃墟の地》 3
フェッチランドを指定することでカニ2種による切削を遅らせることができます、時々沁みることがあります。《廃墟の地》は起動にコストがかかる為、本来《ターシャズ・ヒディアーズ・リフター》が撃たれるターンをズラせる可能性があります。後手で《ウルザの物語》の重要度が高いゲーム以外では刺さないほうが良い場合が多いです。
サムワイズフード / Samwise Food
なんか…いっぱい!!
全部重要度高いですが強いて言うならば、この3枚。
《臓物の予見者》 9
《サムワイズ・ギャムジー》 8
《リスの将軍、サワギバ》 8
無限コンボにならないように、状況を見極めて指定しましょう。
ヨーグモスコード / Yawgmoth
《スランの医師、ヨーグモス》 10
着地前に刺すことができればグンと勝率が上がります。全力で刺しに行きましょう、場合によっては1ターン目に《ウルザの物語》をプレイすることも重要です。
《飢餓の潮流、グリスト》8
こちらが先手構築物トークンや《巧妙な鍛冶》などで相手のライフを低い水準に落とせている場合は、ライフを押し切る為にグリストを指定する場合があります。ヨーグモスコンボは少なくないライフを要求しますからね。
感覚値で言うとヨーグモス着地のターンまでに相手のライフが6程度まで削れている見込みがあるならこちらを刺しましょう。
バーン/Burn
先手の場合、《真髄の針》はサイドアウトしましょう。基本的に《ウルザの物語》からサーチするのは《影槍》が最優先です。
《乱動する渦》7
絆魂による勝利が必須となる”後手”で刺すべきカード。こちらが先手の時は、概ね間に合うので基本的にはサイドアウト。
《乾燥台地》3
4枚入っていることも稀ですが、まだ可能性のあるフェッチランドのため。とりあえず刺す枠。
《灼陽大峡谷》2
とりあえず刺す枠その2。
質問コーナー(マシュマロ回答)
3ターン目ぐらいまでであれば基本的には刺したほうが良いケースが多いです。1マナ1ランデスですからね。問題はランデスしたアドバンテージを活かしきれないケース。これはターンがある程度経過した場合などですね。例えば相手のキーカードが3マナに固まっているのに4枚目の土地を止めても効果は薄いので。針でフェッチを刺す刺さないは、何回かやっていくと自然に身につくかと思います。詰もう、経験値。
ここまで言っておいてあれですが、針自体は”弱い”カードです。
もっと正確に言うと、2枚目あって嬉しいカードではない、ですね。
針は相手の動きを”鈍化”させるだけで、基本的にゲームを決める力はありません。またサイドボードで相手のデッキの対策をする場合、針では十分な効果を得ることが難しく、それをやるなら別の明確なメタカードを積むべきだと思っています(針よりもっといいサイドカードがあるハズってことですね)。不十分な対策カードを足すのではなく、メタゲームを読み切って最適な対策カードを入れよう!
最後に
ここで挙げた優先度などは、環境によって前後します。
もちろん相手のデッキに採用されるカードも変わるので、常に最新の状況を追うことを忘れないでください。『真髄の針学Ⅱ』は独学によってのみ履修することができます。引き続き良い”真髄の針ライフ”を!
<Contact>
Twitter:gyyby_mtg297
Magic Online:gyyby297
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興味のある方は、ぜひ。
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