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【2024年版】ウルザソプターデッキガイド【MH3環境以降】

ご挨拶

久しぶり、ソプター

 皆さんこんばんは。いつもお世話になっております。

 モダンホライゾン3発売から早いもので3か月経ちました。皆さんはモダン楽しめていますか?環境の激変に相棒を失ってしまった人も多いかもしれません。今回は一度相棒を失いかけた者が再び相棒を使いその相棒をご紹介する記事です。やはり諦めない心が大事なのかもしれません。



自己紹介

 わたしは、主にMagicOnlineや、関東近郊でマジックをプレイしているクォーツと申します。いくらうるう年とはいえ一年が経過するのは早いもので前回の紹介記事からかなり日が空きました(いつも言ってるねこれ)

 Discordでは、集合知を形成する目的で『Urza’s Thopter Sword.jp』というサーバーを立ち上げました。150人弱のプレイヤーたちに参加いただいています、シェイシェイサンクスありがとう。

 記事を書く前にほんのりとした信ぴょう性を出しておきます。ここはもうテンプレなので読み飛ばしてくれていいです。


大会成績

・MagicOnline-ModernChallenge(60~120人規模):入賞複数回
・MagicOnline-ModernShowcaseChallenge(300人規模):入賞1回
・晴れる屋-2024東西モダン最強決定戦:4位
・晴れる屋-第27期モダン神挑戦者決定戦:TOP8
・その他20~30人の大会で優勝することがある程度…


この記事は…

 この記事は、2024年版ウルザソプターデッキガイド、言い換えればモダンホライゾン3版ウルザソプターデッキガイドです。

 モダンホライゾンで激変した環境を生き抜く「ウルザソプター/Urza Thopter Sword」の現在とカード採用の話、マッチアップガイドをご紹介する記事です。例のごとく、記事本編はすべて無料です。有料部分で『ダスクモーン:戦慄の館』の注目カードをご紹介しています。もしよければ軽い投げ銭のついでに読んでみてください。

 また一応断っておくと、このウルザソプターというデッキはプレイ難度がいくらか高いです。環境理解ももちろん大事になってきます。最初はなかなか勝てないかもしれないです。それでも勝てるようになるととても楽しいデッキです。一人のプレイヤーが5年近く使い続けるぐらいには、ね。

過去の記事のご紹介

 こう見るとたくさん記事書いてきましたね。プレイの考え方やデッキガイドとして紹介しきれない細かいテクニックなんかは石鍛冶の神秘家にフォーカスした記事(2つ目)や、真髄の針学Ⅰ(3つ目)なんかをご覧ください。これは今でも考え方が通用するものでけっこう自信作です(エッヘン)。


モダン環境のおさらい

 ということで、まずは現在(2024年9月)のモダン環境のおさらいです。
まずは、GoldFishのMetagameのページをペタリ。

なんか…変わったネ……

 モダンホライゾン3発売から、しばらくはエネルギーデッキとナドゥを中心にネクロドミナンス、ストームといったデッキたちが環境入り。現在はナドゥと悲嘆の禁止によってあらゆるエネルギーデッキとエルドラージデッキ、青デッキ代表として青黒マークタイドが環境上位に台頭してきています。
 まとめるならコンボ系のデッキが減ってフェアデッキが台頭してきたというところでしょうか(エルドラージやエネルギーもシナジーはあるが、基本的には素直なデッキ…と思います)


ウルザソプターというデッキ

 それではここからデッキガイド本編となります。
 デッキの強みは前回の記事を継ぎ足して貼っておきます、秘伝のたれ。

強み①:骨太なミッドレンジ

 コンボデッキにありがちな「単体では弱いカード」を必要最低限に抑えられているのがこのデッキの強みです。

 《石鍛冶の神秘家》や《ウルザの物語》は、序盤から終盤まで戦況にフィットした強さを発揮し《カルドラの完成体》や構築物トークンと《影槍》のコンビが地上戦を圧倒します。モダンホライゾン2.5と名高い『指輪物語:中つ国の伝承』からは《一つの指輪》を手に入れ、骨太なミッドレンジかつ雪崩のようなゲーム展開に持ち込むことが可能となりました。

空の防衛線

 また地上戦だけでなく《飛行機械の鋳造所》で空中戦も可能。《イラクサ嚢胞》と組み合わせれば制空権はこっちのモンです。そのおかげでクリーチャ戦にはめっぽう強いデッキとなっています。

強み②:ワンチャンスたっぷり

 コンボを内蔵することでどんなデッキにも勝てる可能性を持ってます。コンボさえ揃えば速やかに逆転できます。逆転は気持ちいいですよ。

採用枚数ランキング堂々の1位

 また、このデッキ特に《一つの指輪》と非常にマッチしていて、プロテクション付与による一時しのぎからウルザを絡めたビッグマナによる複数アクションでコンボがなくとも戦況を覆すこともできます。

強み③:安定性と爆発力

 このデッキには特定のカードをサーチできるカードが合計8枚入っています。このことは戦況に合った動きをできる、ということと同義で多角的な攻撃パターンを組むことができます。また《最高工匠卿、ウルザ》は、モダンでも屈指のパワーカードで、一度着地すれば圧倒的なアドバンテージを確約します、超爆発力です。

強み④:多角的なゲームプラン

 これらの強みと重複しますが、非常に幅広い戦略性を持つデッキでいろんなゲームメイクが可能です。使っていく上でゲームの幅が広い、というのは飽きが来にくいというとも言えます。せっかくモダンでデッキを組むなら楽しくそして長くデッキを使えるのがいいですよね。

 対戦面で言い換えれば、対策を立てられにくいというメリットがあり、群雄割拠の環境を戦い抜く地力がある、ということもできます。

戦況にあったカードをサーチしてゲームをコントロール

 ちなみにわたしは《最高工匠卿、ウルザ》の登場以来、度重なる関連パーツの禁止にも耐え、5年近く使い続けています。感謝ですね。

弱み①:置物対策に弱い

 このデッキはアーティファクト(とエンチャント)を使うデッキという関係で、これらの対策カードに対して構造上の弱点を持っています。特に《空の怒り》、お前は何なんだ一体。

弱み②:コンボデッキに弱い

 ミッドレンジかつ準低速コンボであるウルザソプターは、特殊勝利やコンボによる勝利を目指すデッキに対しては非力です。現環境でいえばストーム系統のデッキ(ルビーストーム、ぐるぐるストーム)や、スパイやベルチャー、ヴァラクートを使用する土地コンボ(アミュレットタイタンやスケープシフト)などが苦手なデッキに分類されます。
 とはいえ、モダンホライゾン3の新戦力《記憶への放逐》でこれらへの対抗を得たのは僥倖で、これらのデッキにも4割程度の勝率を確保することができるようになりました。弱点は克服されようとしています。すごいんだ、モダンホライゾン3…!

 これらの弱点は総じて、カウンター呪文を適切に適切なタイミングで唱えることが重要となっています。なにがクリティカルな呪文か、見極めることが肝要です。


現在のウルザソプターの立ち位置は?

 結論から言えば「悪くない」です。後述はしますが《空の怒り》という天敵中の天敵カードがモダンホライゾン3で加入したたものの、これらのカードを使うデッキがあまり上位にいないというのがかなり大きいです。 
 ただし裏を返せばこのカードを使うデッキが環境上位に出てくるとまた厳しい時代がやってきます。これらを抑えてくれているエルドラージデッキに感謝。


MH3を経た現在のデッキリスト

今の標準的なリスト

 上のリストは、ModernChallengeで入賞を果たしたリストになります。今回はこのリストを標準としてマッチアップガイドをご紹介します。過去のリストなどは過去記事や下記をご参照ください。


1マナ初動枠を変更した

 エネルギーの台頭をはじめとして、スペルよりもクリーチャーを中心としたデッキが多く、従来のリストで採用していた《エスパーの歩哨》が相対的に弱くなりました。《敏捷なこそ泥、ラガバン》をブロックできても《オセロットの群れ》をブロックできないんじゃあやっていけませんからね。

MH2、ついていけなくなっちゃった

 空いたこの枠にはMH3からの新戦力、《知りたがりの学徒、タミヨウ》を採用。《エスパーの歩哨》に求められていた2ターン目に《金属の叱責》を構えるという役割を果たすことができ、なおかつ自分のタイミングで手掛かりトークンからドローできます。
 また変身後も非常に強力、ゲームスピードを遅くさせ、カウンター呪文を使いまわすなんて芸当もできます、器用な1枚ですね。

いまから「種族:工匠」にならないか??

 タミヨウの使い方は後ほど詳しく解説します。


若干防御寄りの構成に変わった

 《知りたがりの学徒、タミヨウ》の存在から攻める動きより構える動き(打ち消しと手掛かりドローの2面待ちなど)をすることが増えました、それに伴ってメインデッキに打消しを2~3枚追加で採用しています。

《呪文嵌め》
 言わずとしれた現環境最強の打消し呪文、ほぼ全てのデッキに刺さります。エルドラージの邪悪鳴らしやタリスマン、超能力蛙、アジャニラプター、対抗呪文、ストームの各呪文などなど…

まさに今、アツい打ち消し

《否定の力》

FTかっこよすぎ

 タミヨウを守れば勝てるマッチアップをはじめ、《一つの指輪》といった強力かつビックアクションとなるカードに対して特に有効。
 現環境は、総じてはソーサリータイミングの強力な動きが多く、呪文嵌め同様非常に強い呪文です。フルタップで指輪を貼って相手の指輪を打ち消すとトびます。

 いずれも《空の怒り》を消すには優秀なカードたち。ちょっとでも抗えるようにしておけるといいですね。


デッキ青くなった

 上述したように《エスパーの歩哨》がいなくなり全体的にデッキ内の青いカードの割合が増しました。否定の力が採用圏内になったのもこれが理由です。一方で白カウントが減ったため《孤独》を採用することが困難となり泣く泣くサイドから抜くこととなりました。

万能なクリーチャー除去だった

 このことは対ライブラリアウト(総マナコストが減った)やバーン、ハンマーや感染といった一撃必殺を狙うデッキに対するガードが下がってしまう事となりました(まあ彼らはもうほとんどいないアーキタイプだが…

 また、防御寄りの構成かつ青寄りのデッキになったことで、《巧妙な鍛冶》がいよいよデッキから抜けました。お疲れ様でした、いっぱい助けられました。

実家のご両親によろしくね~

魂力土地の評価が上がった

 《知りたがりの学徒、タミヨウ》の採用で、《最高工匠卿、ウルザ》と合わせてデッキ内の伝説のクリーチャーが2種になりました。その関係で《天上都市、大田原》、《皇国の地、永岩城》のコスト軽減が頻繁に起こる=現実的なレベルとなりました。そのため、最近のリストでは《皇国の地、永岩城》を採用することがあります。

4点火力がえらい

真髄の針をサイドボードに落とした

 ヨーグモスが環境から締め出され、エルドラージに枠を奪われ4カーンが減ったことからメインで真髄の針が必要になるマッチが減少したことから真髄の針をサイドボードに落としました。とはいえ、エネルギーアグロなど必要なアーキタイプも環境には存在するため、手放せない1枚です。

真髄の針学Ⅱの開講をお待ちください

サイドボードが限界化した

 《記憶への放逐》4枚、《陽光浄化者》3枚から見て分かる通り、特定のデッキにサイドインするカードが約半数を占めることになりました。環境終盤か……??

エネルギーデッキの専用対策カード
おじいちゃんのキ・オ・ク

 とは言え、《記憶への放逐》はトロンやエルドラージ以外にも苦手デッキであるリビングエンドやベルチャーに有効に働くのがかなり魅力的。現環境でモダンをやるなら青いデッキなら75枚のうち4枚採用は確定的と言えるカードだと思っています。

 また、評価が難しいのは《陽光浄化者》です。最近のエネルギーデッキは《一つの指輪》や《ゴブリンの砲撃》などでエネルギーに頼らずゴリ押ししてくるところもあり、完全に専用カードであるこれが劇的に作用するかという若干疑問が残るところではあります。

 それでも《電気放出》、《静牢》といった強力な除去2種や《色めき立つ猛竜》あらかた無力化できるというのは魅力なので少なくとも2枚くらいは採用確定ではあるかもしれませんね。


フリースロット枠や構築の幅の話

 現在のデッキ(メインデッキ)の形で環境に応じて入れ替えを行う枠、いわゆるフリースロットは以下の3枚です。
《定業》
《呪文嵌め》
《否定の力》

 そのほか《ダークスティールの城塞》を追加のフェッチランドにしたりということも選択肢として考えても良いでしょう。
 《ダークスティールの城塞》は、後程エネルギーアグロの項で挙げますが《黒曜石の焦がし口》のコストを軽減する種となってしまいます。これをリスクと捉えるならば入れ替えることも視野に入れるべきです。もっともこの土地を取ることによるメリット、構築物トークンのサイズや《飛行機械の鋳造所》とのシナジーとどちらを優先するかという話になるかと思います。

 また色をタッチするならその濃度にもよりますが、対応するショックランド1枚とフェッチランドを2枚増やし、3枚のうちのタリスマンを1枚対応する色のタリスマンに差し替えることが良いかと思います。
 参考までに、こちらも先日ModernChallengeで入賞したタッチ赤のリストを貼ります。このリストでは土地の枠を1枚削って《ロリアンの発見》に置き換えています。

《オセロットの群れ》を意識したサイドボード

《知りたがりの学徒、タミヨウ》

殴って知識を深めるマジック界きっての学徒

打ち消しとドローの二面構え

 一度コンバットできれば土地2枚と手掛かりトークン1枚の状態になります。これは《金属の叱責》を構えつつ、相手のアクションが無ければ手掛かりトークンでドローできる状態で、テンポ面での損がありません。

※Tips:テンポ面の損ってなに?
 ここでは「カウンター呪文を構えたものの相手の動きがなく、マナを使わずにターンを貰う」というのをテンポ面の損と言っています。マジックでマナを使わないのは非常にもったいないですからね。


伝説のパーマネントで、青い

 伝説といえど《敏捷なこそ泥、ラガバン》同様に除去優先度が高いため複数枚採用することの裏目は少ないです。このデッキにおいては、更に魂力土地のコスト軽減になる、否定の力のピッチコストとなるところが非常に強力です。


アーティファクト生成

 《知りたがりの学徒、タミヨウ》は殴り続けられれば、その数だけアーティファクトトークンを生成します。アーティファクトの数は、特に構築物トークンのサイズに影響し、速やかなゲームエンドに貢献することができます。


「飛行」

 飛行という原点にして強力な回避能力を持ちます。本人のパワーは貧弱ですが、各種装備品をもってアタックすると優秀なアタッカーになります。特に《イラクサ嚢胞》を装備したタミヨウは非常に強力。知は力なり(物理)


《老練の学匠、タミヨウ》

+2…、+2…!?

 このデッキにおいては、タミヨウはなるべく表面のまま運用するほうが強く、裏面の優先度は低いです。が、裏面も非常に強力です。

 ウルザソプターというデッキは、序盤をいかに遅延して自分の得意なゲームレンジ(ミッドレンジ~コントロールレンジ)に持っていくかがカギとなるので、横並び戦略に待ったをかけれるのは非常にうれしい効果です。

 変身の最速ルートは、1tタミヨウ着地、2tタミヨウアタック+《上天の呪文爆弾》or《大祖始の遺産》設置、3t土地セットから手掛かりトークンと1マナアーティファクト起動です。

 現環境において、横並びをするデッキが少ない(現行でエネルギーデッキくらい)ため、採用には至っていませんが《石なる知識》はタミヨウを安定して裏返させられる(相手ターンでも可能)優秀な1マナアーティファクトです。環境次第では採用も検討してよいでしょう。

ひそかに「ネンドール」って呼んでる

《記憶への放逐》

対象範囲は驚くほど広い

モダン環境を定義付けた

 各マッチアップでも軽く記載しますが、《記憶への放逐》は文字通りモダン環境を定義付ける1枚となっています。

モダン採用枚数ランキング(晴れる屋)では堂々の第2位

 上の画像は記事執筆時点でのモダンにおけるカードの採用枚数ランキングです。複製によってほぼ確実に《一つの指輪》を打ち消せること、各種誘発型能力を消せることで「エルドラージ」に抵抗ができるようになったこと、誘発型によって悪さをするコンボデッキの類を封殺できるようになった、といったように非常に強いカードです。 

 《記憶への放逐》によって、続唱を利用したデッキ、とりわけ《衝撃の足音》を踏み倒すデッキは環境から退場することとなりました。


ウルザソプターにおける《記憶への放逐》

 ウルザソプターにおいても、《一つの指輪》といった無色呪文に加え《ポータブル・ホール》や《石鍛冶の神秘家》などの誘発型能力を持つカードに対処されるため決して撃たれてよい呪文ではありません。

 しかしながら、苦手マッチであった「リビングエンド」や「トロン」に対する心強いサイドカードを手に入れたというプラスの影響が大きいところです。


《記憶への放逐》の代表的な対象

 ここでは、《記憶への放逐》によって対処する呪文を箇条書きで記します。「エネルギーアグロ」のように唱える先はあるが基本的にサイドインしないようなマッチアップに対する対象は記載しません。

・《コジレックの命令》を含むエルドラージ各種、およびそのキャスト誘発
・《引き裂かれし永劫、エムラクール》の滅殺能力
・《穢すもの、ウラモグ》の滅殺能力
・《大いなる創造者、カーン》
・《一つの指輪》
・《孤独》《緻密》《忍耐》《悲嘆》《激情》の誘発
・《ドラコの末裔》
・《力線の束縛》のクリーチャー追放効果の誘発
・《ルビーの大メダル》
・《ぶどう弾》のストーム誘発
・《精力の護符》
・《原始のタイタン》の土地サーチ能力の誘発
・《睡蓮の花》や《衝撃の足音》などの待機呪文の最後の誘発
・《断片なき工作員》などの続唱誘発
・《ネクロドミナンス》の誘発
・《ゴブリンの放火砲》
・《石鍛冶の神秘家》の装備品サーチ誘発
・《巨像の槌》
・《ウルザの物語》の各章能力誘発
・《シガルダの助け》の誘発
・「生体武器」の細菌トークン生成の誘発
・《欄干のスパイ》の誘発 ※《地底街の密告人》は起動型能力
・《空の遺跡、エメリア》の誘発
・自身がコントロールする《一つの指輪》のダメージ誘発


マッチアップガイド

 ここからは環境上位デッキとの対戦における具体的なマッチアップガイドを記載します。

 モダンホライゾン3の実装後、3か月経ちましたがいまだに完全なテンプレリストなどが出来上がっておらず、状況は目まぐるしく変わっています。基本的な立ち回りは変わりませんが、特にサイドボードのインアウトはあくまでも一例として見ていただけると幸いです。


エネルギーアグロ(Energy)

 モダンホライゾン3のカードを中心に構成された新鋭デッキながらナドゥ亡き環境のトップを常に走り続けるデッキ。赤白をベースカラーとしながら黒や青、緑など3色目をタッチした亜種も生まれています。

 《魂の導き手》と《オセロットの群れ》のコンビは非常に強力で、生半可なクリーチャーデッキは圧倒的なライフゲインと横展開の前に屈することになります。そのほか新戦力である《色めき立つ猛竜》も。デッキ内が強力なカードのみで構成されているエネルギーデッキにおいて非常に強力です。

こんなに強いアンコモンがいてたまるか

相性:ボロス微有利、マルドゥ/ジェスカイ/ナヤ有利

 《魂の導き手》+《オセロット》で圧死させられなければ、構築物トークン+影槍で圧殺できるマッチアップ。

複数いると指数関数的に増殖、鼠か……?

 長期戦に持ち込むことができれば基本的には負けません。加えてこの対面では指輪が非常に強力です。猫がたくさんいても指輪で1ターン稼いで3枚カードを引いてコンボ決めて勝てば関係ないですからね。

 相手が相棒で《湧き出る源、ジェガンサ》を公開したなら「エネルギーアグロ」もしくは、下記のデッキである可能性が非常に高いです。
 理想のキープは《ポータブル・ホール》と《ウルザの物語》or《石鍛冶の神秘家》などのダメージソース、あるいは各種タリスマン+《一つの指輪》or《最高工匠卿、ウルザ》といった組み合わせですね。

 《湧き出る源、ジェガンサ》公開で想定されるデッキは、頻度順に「エネルギーアグロ」、「ストーム」、「ドメインズー」となります。

《栄光の闘技場》で突進してくることも

 また、特に対ボロス型では《血染めの月》を警戒する必要あり。なるべくケアしながら動きましょう。タリスマンを3枚採用しているので意外とケアは容易なはずです。

月がきれいですね(おめめぐるぐる)

 サイド後は《黒曜石の焦がし口》がサイドインされる可能性があります。相手が《湧き出る源、ジェガンサ》を公開してこない場合、これか《陽背骨のオオヤマネコ》が入っていると考えましょう。
 《ウルザの物語》を筆頭に《ダークスティールの城塞》や《魂の洞窟》、《フォモーリの宝物庫》等の無色マナを出す土地は置くタイミングに注意しましょう。具体的に言うと、《最高工匠卿、ウルザ》や《一つの指輪》を着地させる前に《黒曜石の焦がし口》を唱えられないように注意しましょう。

4/4飛行、クロックとしても非常に優秀

 土地ハメには総じてタリスマン各種が有効に働くのでこれをキープ基準の一つと考えると良いでしょう。マリガンは3枚目の土地よりタリスマンを優先させるべきです。

 大祖始の遺産は基本的にサイドアウトするカードですが、相手がマルドゥで《繰り返す悪夢》が見えたなら残しましょう。基本的にフレージが出るゲームレンジはこちらが有利です、墓地を掃除する必要はありません。

 エネルギー対策として、サイドボードを《陽光浄化者》2枚+《一つの指輪》1枚とするのもありです。《一つの指輪》をサイドインしたいデッキが他にあるなら検討したいところ。

 また、赤を足して軽量な全体火力を採用し、猫の横並びに対処するということも検討しても良いかもしれません。

 相手の《一つの指輪》を必要以上に警戒する必要はありません。こちらが同マナ域の《最高工匠卿、ウルザ》や《一つの指輪》で追いかける、もしくは既に着地させられているならアドバンテージはイーブンを保てます。特にこちらも《一つの指輪》をコントロールしているならコンボによる勝利がある以上、軽マナで固められているエネルギーデッキより有利な状況を保てるでしょう。

サイドイン
《陽光浄化者》3枚
《真髄の針》1枚
《呪文嵌め》1枚
《至高の評決》1枚

サイドアウト
《大祖始の遺産》1枚
《金属の叱責》3枚
《否定の力》1枚
《定業》1枚 

サイド後の《真髄の針》の優先順位は、下記のとおりです。
《ナカティルの報復者、アジャニ》
>《ゴブリンの砲撃》
>>>《一つの指輪》


トロン(Tron)

 無色トロン(エルドラージ)と緑トロン、青トロンとこちらも多くの亜種が存在するデッキ。モダンホライゾン3で念願の無条件2マナランドである《ウギンの迷宮》が追加。トロンランドに頼らず早期にビッグマナを出すことが可能となり、特にタリスマンと併用することで2ターン目の4マナアクションをできるのが非常に強力です。

トロンは「再誕世界」

相性:メイン不利、サイド微不利(無色、青、緑とも)

 トロンは現状かなり構築にブレがあるため、アドリブが要求されることが多くなります。とはいえ基本スタンスは今までと変わらず《探検の地図》やタリスマンなどの初動を《ポータブル・ホール》などで処理しつつ《石鍛冶の神秘家》+《カルドラの完成体》、もしくは《ウルザの物語》で速やかにゲームを決めに行きましょう。

 総じて以前より《記憶への放逐》が入った分やりやすくはなったマッチアップとは言えます。

サイドイン
《記憶への放逐》4枚
《減衰球》2枚
《呪文嵌め》1枚
《真髄の針》1枚

サイドアウト
《大祖始の遺産》1枚
《知りたがりの学徒、タミヨウ》4枚
《一つの指輪》2枚
《飛行機械の鋳造所》1枚

 《真髄の針》は、戦況を見ながら。基本的なところは以前の記事(真髄の針学Ⅰ)でご紹介した通りですが、当時から《耐え抜くもの、母聖樹》が減っている傾向にあり。そのほか《再誕世界、エムラクール》を誘発させるための《地獄料理書》が増えています。
 もっともマッドネス経由であっても《再誕世界、エムラクール》はカウンターが可能なため、《地獄料理書》を指定することは稀かと思います。


エルドラージ(Eldrazi)

 《まき散らす禁止生物》を得て、ランプ戦略を取り《約束された終末、エムラクール》をゴールとする構築が現在一般的。メタゲームに応じて緑をベースとして赤や緑など2~3色で構成されます。

エルドラージは「約束された終末」

メイン微不利 サイド微不利~五分

 《約束された終末、エムラクール》でターンを取られても、被害を最小限にしつつ正気に戻った追加ターンで勝てるというのがウルザソプターという デッキの大きな魅力。

 初動である各種タリスマンを《ポータブル・ホール》で処理する、という動きは有効ではあるもののトロンに比べてエルドラージ対面では劇的な対処とはなりません。ですが、特に後手においては《一つの指輪》の2ターン目キャストを阻止するために重要な動きです。《一つの指輪》は言わずもがなマストカウンター、一度展開の手を緩めてでも《金属の叱責》を構えましょう。

 多くのエルドラージは使用できるマナ上限などの都合から《大いなる創造者、カーン》が採用されていません。そのため、こちらの《一つの指輪》や《飛行機械の鋳造所》が終盤まで有効に機能します。トロンと比較した場合これらを使えることで長期戦に耐えうる構造になっているので、すこしドッシリとした動きを意識すると良いです。

 ゲーム終盤、《約束された終末、エムラクール》が唱えられるマナ域になったら《飛行機械の鋳造所》の自決のために1マナを浮かして準備しましょう。

サイドイン
《記憶への放逐》4枚
《減衰球》2枚
《呪文嵌め》1枚

サイドアウト
《知りたがりの学徒、タミヨウ》2枚
《ポータブルホール》2枚
《否定の力》1枚
《金属の叱責》1枚

サイド後は《記憶への放逐》によって《一つの指輪》への耐性が増すことから《ポータブル・ホール》を減らします。《呪文嵌め》はタリスマンのほか《邪悪慣らし》も重要なカウンター対象となります。《約束された終末、エムラクール》を迎え入れる準備ができていない場合は、タリスマンよりこちらを優先してカウンターしましょう。

《世界を壊すもの》が墓地に落ちたら宇宙

青黒マークタイド(UB Murktide)

 青赤マークタイド(UR Murktide)と比べると、能動的なカードが減り、全体的にドッシリ構えるゲームが得意なデッキとなっています。
 序盤を《超能力蛙》が、終盤を《濁浪の執政》が担い、彼らをピッチスペルを含むカウンター呪文でサポートすることが基本的な攻め筋となります。
 《超能力蛙》は自身の能力で強制的に墓地を肥やし、また墓地を減らせるので《濁浪の執政》の早期着地からパンプアップまでを担うことが可能で時折急に攻撃的なデッキと変わることもあり、序盤~終盤まで一切気が抜けないデッキです。

ゲコゲコ

有利

 基本的には《ウルザの物語》だけでゲームが決まるマッチアップとなります。基本こちらから積極的に仕掛けず、ウルザの物語で相手に対処を迫るのが一番の勝ち筋です。上述した通り《超能力蛙》が絡むと急激なゲーム展開についていけず押し切られてしまうことがあるため、これは《ポータブル・ホール》で積極的に処理しましょう。できれば《濁浪の執政》に残したい《上天の呪文爆弾》をここに使うのも多々発生します。

おそらく「モダン最強の土地」

 キープ基準は、《ウルザの物語》を最優先として《ポータブル・ホール》《呪文嵌め》《大祖始の遺産》のいずれか1枚があるとベターです。《ウルザの物語》が2枚分以上の働きをするので、積極的に探すマリガンをすることもアリですね。

 《海の先駆け》は、ウルザの物語が機能しなくなりますが多くの場合、脅威ではありません。《海の先駆け》自身が3マナと重く、出したターンの返しは相手が無防備になることが多いです。無防備にならないくらい後半であればこちらの戦線構築ができてる場合が多いです。

「島メイガス」以外の呼び名を忘れる

 《海の先駆け》が唱えられて帰ってきたターンはビッグアクションのチャンス。《一つの指輪》や《最高工匠卿、ウルザ》を唱えましょう。それを見越して《ウルザの物語》を置かず、というのも大事なプレイングです。また《海の先駆け》がいると、対戦相手の《致命的な一押し》の紛争が達成しにくくなるため、《最高工匠卿、ウルザ》の場持ちがかなり良くなります。

サイドイン
至高の評決》1枚
《呪文嵌め》1枚
《大祖始の遺産》1枚

サイドアウト
《カルドラの完成体》1枚
《否定の力》1枚
《定業》1枚

 採用自体はまちまちですが、《大魔導士の魔除け》の可能性がある以上カルドラの完成体はサイドアウトしましょう。《否定の力》は打ち消したい呪文が《毒の濁流》しかなく、《定業》は《オークの弓使い》に当たるためサイドアウトです。


ジェスカイコントロール(Jeskai Control)

 《空の怒り》や《電気放出》で序盤を耐え、中盤~終盤を《一つの指輪》と《火の怒りのタイタン、フレージ》によって圧倒的なアドバンテージ差でゲームを決める環境きっての重コントロールデッキ。《瞬唱の魔導士》と《アノールの焔》を使った型(ジェスカイウィザード)も亜種として存在します。

もはや説明不要な超万能全体除去

相性:不利

 現環境で、最もやりたくないマッチアップ。
 デッキとしては低速のデッキに分類されますが、《空の怒り》のせいでこちらがコツコツ積み上げた戦線が一発で崩壊するので得意なゲームレンジが消え失せた悲しきマッチアップです。

 破壊不能を持つことから《空の怒り》を回避できる《カルドラの完成体》や失ったリソースを回復させられる《一つの指輪》を維持することができれば勝機があります。

 まずは《一つの指輪》を着地させるために《タミヨウ》などで揺さぶりをかけつつ、《空の怒り》を撃たせて無防備になったところに《一つの指輪》をキャストして戦線の早期解決を図りましょう。

 多くのジェスカイコントロールの弱点は、フィニッシャーを《火の怒りのタイタン、フレージ》に頼りがちになるところです。これを無効化させることで《空の怒り》を何度撃たれても勝利を狙うことができます。
 大祖始の遺産をサイドインし増量するのはこの狙いのためです。一度《火の怒りのタイタン、フレージ》が着地すると処理する術がほとんどないので気を付けましょう。

ウーロより強いよね

サイドイン
《陽光浄化者》2枚
《呪文嵌め》1枚
《大祖始の遺産》1枚
《真髄の針》1枚

サイドアウト
《ポータブル・ホール》4枚
《上天の呪文爆弾》1枚

サイド後の《真髄の針》の優先順位は、下記のとおりです。
《一つの指輪》
>>>>《時を解すもの、テフェリー》


ルビーストーム(Ruby Storm)

 《モンスーンの魔導士、ラル》と《ルビーの大メダル》を基軸に衝動的ドローと一時的マナ加速でストームを稼いでなんやかんやして勝つデッキ、こちらもほかのデッキ同様赤をベースにあらゆる色がタッチされます。

両面サイクルはみーんな強い、緑はいつ出るかな

相性:メイン不利サイド微不利(サイド枚数次第では五分)

 基本的にメインはほぼお祈りのデッキ。《モンスーンの魔導士、ラル》と《ルビーの大メダル》を打ち消しもしくは《ポータブル・ホール》で除去しつつこちらの《モンスーンの魔導士、ラル》の誘発効果で自滅する水準まで相手のライフを早々に削るというのが重要。

ストームを意識するならば、メインやサイドボードに《呪文嵌め》を追加する、《ドラニスの判事》を増やすのが良いでしょう。対策カードの枚数を複数しっかり取れば勝てるデッキ筆頭なので、メタ読みが重要になります。

サイドイン
《呪文嵌め》1枚
《大祖始の遺産》1枚
《真髄の針》1枚
《減衰球》2枚
《ドラニスの判事》1枚
《記憶への放逐》2枚

サイドアウト
《ポータブル・ホール》2枚
《上天の呪文爆弾》1枚
《一つの指輪》2枚
《学びたがりの学徒、タミヨウ》3枚

 対策を当てて延命してる間に構築物トークンや《カルドラの完成体》で殴りきるのが基本的なゲームプラン。真髄の針はラルの裏面《力線の神童、ラル》を指定しましょう。


採用検討カード

 ここからは、環境やプレイスタイル、好みによって採用を検討できるカードを数枚ご紹介します。このデッキを使う際は、いろいろ試してみて自分に合ったリストにすると良いかと思います。色をタッチする話などは過去の記事などをご参照ください。《ゴブリンの技師》とか《機能不全ダニ》など、3色目を取ると戦略の幅が広がりますよ。

《激震の目覚め》

イラストはなんか"マヌケ"

 優秀なリアニメイトカード、エネルギーギミックを抜きにしても幅広いカードを回収できます。除去された《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《石鍛冶の神秘家》をリアニメイトすることはもちろん強力。《上天の呪文爆弾》など能動的な使用方法もあり、器用な一枚。

 これを最大限生かすのであれば、赤をいれて《電気放出》や《不安定な護符》を入れるなどギミックを増やせばゴブリンの技師で適当に落としてなんでもリアニみたいなこともできるかもしれませんね。

《河童の砲手》《溶岩拍車のブーツ》

非常に強力なアタッカー
と、それをサポートする強力な装備品

 《河童の砲手》は、タミヨウとの相性抜群で能力も非常に強い無類のフィニッシャーです。《溶岩拍車のブーツ》と組み合わせると奇襲性も併せて隙なく運用できるのが魅力的です。

 《溶岩拍車のブーツ》は、石鍛冶ギミックをオミットした場合の「そのターン中に勝てるギミック」となり構築の幅を広げるいいカードですね。

《石なる知識》

どぐうポケモン

 相手ターンで《知りたがりの学徒、タミヨウ》を変身させることが可能なカード。1マナ枠のアーティファクトが従来よりも減っている構築なので《ウルザの物語》のサーチ先を手札からデッキに戻す役割も持っています。

 《知りたがりの学徒、タミヨウ》の変身が重要なマッチアップが環境に多いならば採用を検討したい一枚です。たとえば「マーフォーク」や「人間」が増えた場合などでしょうか。

《緻密》

さとぅりてぃー

 《否定の力》と同様の青ピッチ呪文の枠。環境に「アミュレットタイタン」+αのクリーチャーコンボ的なデッキが増えた場合は採用圏内となります。

《儀礼的拒否》

上位互換があっても意外とまだまだプレイアブル

 5枚目以降の《記憶への放逐》として。エルドラージよりもトロンが隆盛してきた場合に採用を検討すると良いかと思います。


《一つの指輪》の代わり

 現在のモダン環境において最強カードは何かという問いに対して多くの人は「一つの指輪」と答えるでしょう、私もたぶんそう答えます。ですが、最強であるが故にカードの価格は高く、また禁止や制限に怯える必要のあるカードでもあります。 

一つの指輪は全てを統べ

 そこで、この章では《一つの指輪》が禁止になった時、何を指輪の枠として使うかということを書き記します。今の状況で《一つの指輪》を使いたくないよ~という方もよければ参考にしてください。なお、ここでは『ダスクモーン:戦慄の館』で、登場したカードは除きます。

《現実チップ》

 過去の記事でも数回触れているので掻いつまんで書くと、《現実チップ》は、《石鍛冶の神秘家》でサーチが可能かつ《稲妻》で除去されないアドバンテージ源です。基本的にマナコストの重い《一つの指輪》と共存することは難しいため、現在の構築では抜いていますが、換装しデッキトップをプレイできる状態というのは言わずもがな非常に強力です。爆発力でいえば《一つの指輪》を凌ぐことも多々あるでしょう。
 また、現在の構築で考えると「デッキトップを見れる」というだけでも強力です。例えば《知りたがりの学徒、タミヨウ》で生成した手掛かりトークンでドローすべきか否かという判断が非常に簡単になりますし、フェッチランドでリフレッシュすることで疑似的な占術として運用も可能です。
 現状ポスト指輪の最有力候補の1枚。


《セラの模範》

 こちらも過去の構築で採用し、記事内でも触れている1枚。
 《一つの指輪》や《現実チップ》ほどの爆発力はないものの、毎ターン1枚づつではあるもののフェッチランドを再利用できることや、各種アーティファクト群を再利用でき、さらに対象のカードが墓地に置かれた際に2点のライフを得ることができるおまけつき自壊できるアーティファクトや《飛行機械の鋳造所》を擁するウルザソプターにおいては、能動的なライフゲインも容易です。

悲しくも指輪と同じ4マナ

《練達飛行機械職人、サイ》

 《最高工匠卿、ウルザ》が登場する前のソプターコンボにおけるアドバンテージ担当、言うなれば元祖《一つの指輪》です(過言)。種族に「工匠」を持つため、《魂の洞窟》によるサポートを受けやすい点がポイント。

 ただし誘発能力の条件は「アーティファクトを唱えること」です。そのため、《モックス・オパール》がない時代において戦えるかというと疑問は残る1枚。それでも今後のメタゲームや新カード次第では化ける可能性を秘めている1枚でもあります。

4/4トランプル

《最初の平等者、アカル・パカル》

 ここからは《一つの指輪》以降に生まれた悲しきアドバンテージ源たちのご紹介になります。

 《最初の平等者、アカル・パカル》の効果の誘発条件は、「各ターン中アーティファクトが場に出た」こと、ここのミソは「相手ターンでもよい」ことと「唱える」が条件ではないこととです。ご存じの通り、ウルザソプターは、《飛行機械の鋳造所》や《ウルザの物語》によって相手ターンにアーティファクトを出すことが得意です。効果も、2枚を見て1枚を手札に加えるだけではなく、残りの1枚を「墓地に落とす」というのも戦術に非常に合っています。

 本体の性能も優秀で、タフネスがなぜか「5」もあります。火力に対する耐性が非常に高いことや戦闘においてプレイヤーを護る性能が高い点も評価ポイントです。

タフネス高すぎ族

 構築においては、今の《一つの指輪》の枠に収めるのも良いですが、墓地にアーティファクトを落とす効果とシナジーがあり、相手ターンにアーティファクトを出すこともできる《ゴブリンの技師》と組み合わせるのも面白いですね。

アカル・パカルと相互シナジーを形成

《世慣れた見張り、デルニー》

 ドローのような直接的なアドバンテージを得るカードではないですが、誘発型能力を2回にするという能力が非常に強力です。 

 例を挙げましょう。《最高工匠卿、ウルザ》は構築物を2体引き連れ、《石鍛冶の神秘家》は欲張りにも2枚の装備品をサーチします。《知りたがりの学徒、タミヨウ》は頭が冴え2枚の手掛かりトークンを生成します、また上の効果によってブロックされずに調査し続けることも可能です。

 本人のタフネスが2しかなく、除去されやすい性能であることや3マナで唱えたとして即座に活躍しにくい点はマイナスポイントですが、可能性のある1枚。

スミス君を連れ戻せるかもしれない人

《鑑識の利器師》

 《練達飛行機械職人、サイ》と同じく、アーティファクトを唱えることによってアーティファクトを生み出す工匠。生み出すアーティファクトは手掛かりトークンのため、《練達飛行機械職人、サイ》と違って本体が除去されたとしてもトークンをドローに変換することができる点ではアドバンテージ源として彼より優秀です。

 下の能力は、手掛かりトークンの起動を1コスで行うことができ、またデッキ構築によっては大きなシナジーを形成します。今の構築でいえば各種装備品のコストを軽減だけでもうれしいところがあるはず、上で挙げた《現実チップ》との組み合わせるとさらに良いでしょう。カードプールによって化ける可能性のある1枚です。

ネオ・サイ

おわりに

 現在チャンピオンズカップは、モダンシーズン。いまモダンがアツイです。現環境の上位にいるエネルギーや青黒に有利に動けるデッキとして一つ選択肢に入れるのはいかがでしょうか。

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ウルザソプターのDiscordサーバを運用しています。
今日からあなたも集合知の一人です、こちらからどうぞ。

 これを読んでくれただれかが、私のデッキから少なからず影響を受けて更にこのアーキタイプが盛り上がると嬉しいなと思います。

 今回の有料部分には、『ダスクモーン:戦慄の館』の注目カードを置いておきました。(そんなもんいらんよー、という方でも投げ銭感覚で購入してもらうと記事を書いた人はとても喜びます)

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 ここまでお読みいただきありがとうございました。
 また次の記事でお会いしましょう!

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