マルドゥミッドレンジ(想起)/Mardu Midrange(Evoke)デッキガイド
イントロダクション
ご挨拶
皆さんこんばんは、クォーツです。
Discordで『Urza’s Thopter Sword.jp』というウルザソプターの話をするサーバーを立ち上げた者です。いつもお世話になっております。
使いたいデッキを鞄にしまってデッキ選択から本気で考えた結果、とあるデッキで大型大会2連続入賞を果たしました。このデッキはホンモノだということを説明するために筆を取っています。マルドゥミッドレンジ(想起型)のデッキガイドです。
なお、例によってデッキガイドは全編無料です。
「連続入賞おめでとう!」「ソプター使えやお前ふざけんな!」などがありましたら投げ銭してください、いつも本当に励みになっています。
せめてものお礼として、有料部分にウルザソプターの最新リストと考えていることなどを書いておきます。MOリーグ5-0しているリストではないので、戯言だと思っていてください(これを期待して投げ銭してガッカリしても怒らないでください……)
戦績
以下に戦績をペタリ。
いずれもスイスラウンドは全勝通過し、2大会合わせたトータルの戦績は「15勝3敗」という驚異的な数値。
東西モダン最強決定戦(東):4位(8-2-2)
こちらは参加レポがありますのでそちらの記事もどうぞ。
このデッキを使うに至った経緯などもここで軽く触れています。
第27回モダン神挑戦者決定戦:TOP8(7-1-2)
どんなデッキか
一言で言えば、このデッキは『想起ギミックを持った白黒t赤ミッドレンジ』です。
今回、東西モダン最強決定戦とモダン神挑戦者決定戦でそれぞれ使ったデッキをご紹介しますが、デッキガイドは「後者(モダン神挑戦者決定戦時のリスト)」前提として書いています。
東西モダン最強決定戦からの変更点
《栄光の闘技場》の採用
《火の怒りのタイタン、フレージ》が速攻で走ると強く、《不死のさざ波》とのシナジーは非常に強力です。
《不死のさざ波》の増量(1枚から2枚へ)
対コントロールはもちろん、フレージを巡る攻防となる対面(エネルギーアグロ系統)にも強い。リビングエンドにも強く出れるというのもグッドポイントです。
《迷宮の霊魂》の採用
自由枠、メタに合わせて変える枠です。なるべく白いカードが望ましいです(《孤独》のピッチコストのため)。
今回はネクロや一つの指輪、加えて日本で何故か増えている御霊を意識して5枚目のオークの弓使いかつ、高打点クリーチャーとして採用。この枠は4枚目の《ナカティルの最下層民、アジャニ》や白くはないですか《不死のさざ波》と《栄光の闘技場》とシナジーする《死の飢えのタイタン、クロクサ》なども面白いかもしれませんね。
《マルコフ家のソリン》の減量(3枚→1枚)
カードとしては非常に強いですが、タフ4と現環境で非常に場持ちがよく、また《ナカティルの最下層民、アジャニ》のように複数枚引いたときに腐ってしまうことを嫌って1枚に抑えています。
ほかのデッキとの差別化ポイント
類似デッキとも言えるミッドレンジデッキであるボロス、マルドゥエネルギーと比べたときのポイントを以下の通りまとめておきます。
優れているポイント
・クリーチャー除去性能
1マナ除去に《致命的な一押し》を採用していること、《孤独》+《儚い存在》パッケージを採用していることが大きいです。特に《致命的な一押し》は現環境だと除去としての単体性能が《電気放出》より大きく優れています。
・対策カードに強い
エネルギー要素は《魂の導き手》だけなので、エネルギー対策である《陽光浄化者》でデッキが機能不全に陥ることはありません。
また、赤黒想起のように墓地を経由しない(《儚い存在》をメインのブリンクカードと据えている)ことから墓地対策に対しても若干の耐性を持っています。
・アンフェアデッキ耐性が高い
《思考囲い》《悲嘆》といった手札破壊がメインデッキに採用されているため、メイン戦での対アンフェアデッキに対する勝率をある程度担保できます。
劣っているポイント
・ライフ管理能力
3色デッキになった弊害(各種フェッチ、ショックランド)や《思考囲い》によるライフルーズなどで自傷ダメージを喰らいやすく、初期ライフは14くらいと考えてもらうほうが良いでしょう。ゲームが長引けばライフゲイン手段はありますが、短期決戦でライフを削り切るデッキは残念ながら苦手な部類のデッキになります。
・土地嵌めへの耐性が低い
《血染めの月》などの、特殊土地を無力化するカードが苦しいです。デッキのベースが白と黒から成るため、《山》だけで動けないというのはエネルギーベースのミッドレンジデッキに明確に劣る点です。
・《湧き出る源、ジェガンサ》が採用できない
《悲嘆》《孤独》を採用するにあたって諦めなければいけなかった”相棒カード”、膠着状態を5/5の強大なスタッツで強引に動かせるため優秀なミッドレンジカード。もっとも、サイドボードを15枚制限なく使えることができるので完全に劣っているとも言えないかもしれませんね。
構築上の制限など
3色デッキでピッチサイクルを採用している都合上、それぞれのカラーカウントを一定数確保する必要があります。エネルギー系統のデッキが多く採用している《電気放出》を採用せず、黒いカードである《致命的な一押し》を採用しているのもこの要因からです。1ゲーム中、悲嘆ピッチキャストを1回以上行いたいので感覚値として悲嘆を含め黒カウント19枚以上は欲しいです。サイドボードも考えて構築時点で黒カウント、白カウントを意識しておく必要があります。
ちなみにモダン神挑戦者決定戦で使用した構築は、黒カウント20枚、白カウント17枚です。
デッキの使い方、考え方
勝ち筋は以下の通り。
そのいずれもを悲嘆や思考囲い、優秀な除去でバックアップしながら勝つというのが基本となります。
・《火の怒りのタイタン、フレージ》の盤面定着
・導き手+何かの飛行ビートダウン
「悲嘆ブリンクだけでは勝てない」ということを特に意識してください。
あくまでもこのギミックはバックアップであり相手のやりたいゲームを減速させるだけの動きです。3/2威迫だけではゲームは終わりませんし、モダン環境ではハンデスを連打してもそれは決定打にはなりません。マリガン時のキープは、ブリンクパッケージよりも《魂の導き手》や《不死のさざ波》、《ナカティルの最下層民、アジャニ》といった継戦能力の高いカードを優先させましょう。
土地置きは、白黒を優先しながら白白赤赤を揃えていくのが基本です。《火の怒りのタイタン、フレージ》の脱出コストのためですね。
そのためこのカラーが揃うまでは《マラキールの再誕》や《沼》はなるべく置かないようにしましょう、土地4枚からフレージが出せなくなります。
原則としてかなり無理なマナベースをしてるので土地からのダメージは甘んじて受けましょう。安心してください、フレージまで繋げれば全部チャラにできます。
メインデッキの採用カード
ここからはメインデッキに採用しているカードをご紹介します。一緒にゲーム時に覚えておくとうれしいTipsなんかも書いておきます。
《魂の導き手/Guide of Souls》
このデッキの根幹を成すといってもいいカード、1ターン目に《魂の導き手》を置くだけでライフレースで5点くらい有利がつく感覚を覚えます。
クリーチャーを3体場に出すと3点のライフゲインと永続的な飛行付与と2打点追加という破格の性能。白いクリーチャーデッキなら無条件で入れてもいいんじゃないかってくらい強いカード。攻守において隙がないです。
このデッキにおいて頻発するプレイとして《魂の導き手》がいる状態で《悲嘆》や《孤独》ピッチでキャスト(ブリンクできなくても)するというものがあります。強力な飛行クロックを生成できるのでブリンクパッケージが揃ってなくても強力です。
飛行カウンターと1/1カウンターを乗せる優先順位は場合により異なりますが、「《孤独》=《迷宮の霊魂》>《猫・戦士トークン》>《魂の導き手》≧《悲嘆》>《オークの弓使い》>裏面PWのクリーチャー2種」と考えておくと良いです。打点を維持できること、除去を躊躇わせること、ブリンクや変身で無駄になりにくいことというのが優先順位を分けます。
ちなみに《魂の導き手》はこのデッキのメインボードにおける"唯一の”エネルギー関連カード。
《ナカティルの最下層民、アジャニ/Ajani, Nacatl Pariah》
生成される猫・戦士トークンは殴れば実質2/1アンブロッカブルクリーチャーであり、起こしておけば相手のコンバットを止める鉄壁のガードとなります。
除去に対応して《致命的な一押し》や《オークの弓使い》の1点を猫・戦士トークンに当てると除去を避けつつ戦線を固めることができるののも優秀。総じて見た目以上にテクニカルなカードですね。
このデッキだと赤いパーマネントが少ないため裏返ったときのバリューも少なく採用は3枚に抑えるのがちょうどよいかと思います(更なる面の制圧力を求めるなら4枚も全然アリ)。
また、《儚い存在》をアジャニに撃つことも強力で、孤独ブリンクデッキにありがちな「《儚い存在》腐る問題」を解消できます。これも非常に強力ですね。
《マルコフ家のソリン/Sorin of House Markov》
今の環境のタフ4は非常に信頼度が高く絆魂、強請の能力もライフレースを有利に進める優秀なカードです。2ターン目に《マルコフ家のソリン》、3ターン目に《火の怒りのタイタン、フレージ》と動くだけで変身することができ、忠誠度−1能力(以下ソリンビーム)で4点を対戦相手や盤面に叩き込むことができます。
またこのデッキにおいてはピッチスペルを多用するため、強請効果を使えるタイミングは予想以上に多く、強請+強請+自身の絆魂で裏返ることも現実的です。
そして変身後は基本的にソリンビームを連打することになります。
このソリンビームは「そのターンに得たライフ」をダメージに変換していずれかに飛ばす能力(なんとプレイヤーにも!)。
前述した2ターン目ソリン、3ターン目フレージの流れのなかで、フレージ死亡前に《孤独》をピッチキャストしてフレージを追放、《孤独》の効果で6点ゲインするとソリンもアタックしていれば計10点のライフゲインができます。この状態でソリンが変身し、ソリンビームするとなんと対戦相手に10点のダメージを与えることができます!
なんやかんやでそこそこ発生することのあるケースなので覚えておきましょう(もちろん場に《魂の導き手》がいればもっととんでもないことになりますよ。
《火の怒りのタイタン、フレージ/Phlage, Titan of Fire's Fury》
このデッキで赤を取る理由の90%を有しているカード。
フレージを投げられたらフレージを投げ返しましょう、ハンムラビ法典(*1)にもそう書いてあります。
後述する《不死のさざ波》で引っ張ってこれること、墓地が複数枚ないと手札や墓地で腐りがちになるのでこのデッキであれば3枚でいいでしょう。
*1:本来のハンムラビ法典でいわれる「目には目を歯には歯を」というは言葉は、「やられたらやりかえせ」という意味ではなく、法の下に「受けた害に対しては、同等の仕打ちをもって報いなければならない」という意味合い。よくある「古事記にも書いてある」といったような言い回しで、誤用といっても良いものではあるが、広く一般的に浸透している「やられたらやりかえせ」の精神をここでは「ハンムラビ法典にもそう書いてあります」と書いています。
《不死のさざ波/Ripples of Undeath》
マナスクリューの解消や、最後のひと押しのための除去や追加打点、前方確認のためのハンデスを回収するなど八面六臂の活躍をします。純粋なアドバンテージ確保としても強いですし、ピッチコストを多用する関係上、選択肢のあるドローが非常に強力です。悲嘆や孤独はもちろんピッチコストの片割れを持ってくると、1マナと3点払ってもおつりがくるバリューを得ることができます。
また《火の怒りのタイタン、フレージ》とのシナジーが凄まじく、《栄光の闘技場》と合わさると急に12点クロックを刻むことも。土地が4枚ある状態で《火の怒りのタイタン、フレージ》と《栄光の闘技場》が捲れると脳汁びしゃびしゃになりますよ。
《火の怒りのタイタン、フレージ》を投げ付け合う「ジェスカイコントロール」や「ボロス/マルドゥエネルギー」の対面では墓地を肥やし続ける(=フレージの脱出コストを稼ぎ続ける)ことは非常に強いので、特にコントロール対面では打ち消しを掻い潜って確実に通しましょう。
ちなみに3点ライフルーズは《火の怒りのタイタン、フレージ》のライフゲイン能力で帳消しにできます。これ…デザイナーズコンボ…?
ルール上のTips
《不死のさざ波》は、《ファラジの考古学者》と同様、切削と回収が一連の効果なので墓地対策を潜り抜けることができます。また効果がメインフェイズの開始時なので、切削後相手に優先権を渡さず(墓地を流される前に)《火の怒りのタイタン、フレージ》を脱出させることが可能です。
《悲嘆/Grief》
デッキの使い方の項で述べた通り、このデッキにおける《悲嘆》は『強力なサポートカード』です。先手悲嘆ブリンクはもちろん強力ですが、単純な3/2威迫かつ《儚い存在》の反復まで使うと3ターン目からの3点クロック(=キルまで7ターン)でいくら3枚ハンデスしたとしても現代のモダンでは形成をひっくり返されるまでに十分なターンです。赤黒想起のように+1/+1カウンターが乗らないだけでゲームにおけるプレッシャーは、これと雲泥の差になります。
先手で《儚い存在》スタートしたとしてもこれを反復させない(=2ターン目から3点クロックを刻む)ことも適切なプレイであることを覚えておきましょう。
《思考囲い/Thoughtseize》
最強ハンデスの呼び声も高い1枚。悲嘆込みで2ターン目までに1枚撃てればいい、という理屈で《思考囲い》3枚《悲嘆》4枚のハンデス7枚体制としています。
過去《コジレックの審問》を入れたミッドレンジデッキを使っていた時もハンデスは大体トータル7枚としていました。これが一番しっくりきますね。
《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》
環境上位に存在する「ネクロドミナンス」「ジェスカイコントロール」への明確なアンチカードとなる1枚。最近流行ってきた《オセロットの群れ》を除去できるのも追い風。もちろん《儚い存在》でブリンクするのも強力ですね。
《致命的な一押し/Fatal Push》
タフネス4以上をしっかりと除去できる安定の1マナ除去。《超能力蛙》や脱出してきた《火の怒りのタイタン、フレージ》を確実に除去できるだけでも100点。単体性能でいえば《霊気放出》よりこちらのほうが環境にはマッチしていると思います。直接的に脅威となるプレインズウォーカーが環境にいないというのも追い風ですね。
《孤独/Solitude》
ブリンクパッケージ界・除去部門の横綱。
マーフォークが出してくる《海の先駆け》を除去するために必要になるカード。前述したように《マルコフ家のソリン》との相性も良く、地上戦において信頼できる1枚。もちろん《魂の導き手》で飛行を得ると絆魂も相まってダメージレースをめちゃくちゃにします。
デッキとしてコストに充てる白いカードが少ないので、ピッチキャストを前提とするなら《火の怒りのタイタン、フレージ》をプレイせずハンドで抱えておくなど、プレイの上でのある程度意識をする必要があります。
《儚い存在/Ephemerate》《マラキールの再誕/Malakir Rebirth》
白カウント、黒カウントを考えながら枚数を調整しています。
《ナカティルの最下層民、アジャニ》に使って能動的に打点を増やすことなどもできるので基本的には《儚い存在》を優先しますが、《悲嘆》のピッチコストも考えて《マラキールの再誕》も採用しています。
いずれのカードも手札から唱えた《火の怒りのタイタン、フレージ》に撃つと、計6点を飛ばす《稲妻のらせん》となるので覚えておきましょう。
諜報土地各種
文句なしの超強力土地サイクル。
これのおかげで土地1-2枚キープがある程度許容されます。
フェッチランドからこれをサーチしてデッキトップを墓地に落とすだけで墓地が2枚肥えます。特にフレージの定着を巡る試合では非常に大事な動きになりますので覚えておきましょうね。
サイドボードの採用カード
ここでは補足しておいたほうがよいサイドボードカードと採用理由、使い方などをご紹介します。
《虚空の力線/Leyline of the Void》
入れるマッチアップは、主に「ジェスカイコントロール(ウィザード型)」「ルビーストーム」「御霊の復讐」「リビングエンド」などの墓地依存度が高いデッキ。
上述したように、”悲嘆のピッチコストにもなる”黒い墓地対策カードという点が一番大きいために採用。特に《致命的な一押し》をサイドアウトする「リビングエンド」戦において、黒カウントを減らさずに墓地対策と差し替えることができるのはかなりプラスポイント。
また現モダンにおいて、ちょこちょこと墓地対策をするより”そもそも墓地に送らない”ということが重要だと思っています。これは初手に引けないと無力である、という点を差し引いてもです。
具体的なカード名を挙げるなら《超能力蛙》や《瞬唱の魔導士》などですね。これらを意識するうえで《虚無の呪文爆弾》や《魂標ランタン》では不十分でした。
そのほか、1ターン目2ターン目の動きがカツカツであること(カードが1、2マナに集中していること)、他ののデッキが墓地対策カードを1マナ2マナで置くのに比べて打点やボードコントロール力の劣るマルドゥミッドレンジではこれらの墓地対策が大きなテンポロスになっていると感じました。
これらのことを総合的に評価して《虚空の力線》を墓地対策として採用しています。仮にどうしても入れ替えるとするならば《ダウスィーの虚空歩き》などでしょうか(フレージに無力ですが…)
《血糊の雨/Rain of Gore》
過去、ウーロが暴れたときにも少し話題になったカード。
デッキとして「ネクロドミナンス」に勝てなさ過ぎてひねり出した1枚。
これを貼っておくと《ネクロドミナンス》で支払ったライフを回復できず、また《不憫な悲哀の行進》や《魂の撃ち込み》を撃ち辛くさせることもできるので、多くの場合エンドカードになるでしょう。黒単色デッキという都合上、エンチャントを退かすことが難しいというのもグッドポイント。
いまなら「ネクロドミナンス」以外にも《オセロットの群れ》を採用した「ボロス/マルドゥエネルギー」に入れても良いかもしれません。
これを使用するにあたって、自分の《火の怒りのタイタン、フレージ》の効果は自分に3点を与える能力に変わってしまうため注意する必要があります。
またルール上、絆魂によるライフ回復ではダメージを与えられません。こちら側は《孤独》を使うデッキなので覚えておきましょう。いろいろとややこしいのでMTG Wikiのリンクを貼っておきます。
また、《血糊の雨》がこちらの場にある状態で《孤独》で相手のクリーチャーを追放すると相手はそのパワーに等しいライフを失う、という誤った情報を記載しておりました。こちら誤りですので訂正いたします(ごめんよ、テキスト読んだだけではパッと理解できんて…)
《空の怒り/Wrath of the Skies》
エネルギーを確保しつつ《ウルザの物語》を含めた置き物を一網打尽にできるカード。「ナドゥコンボ」はもちろん「ボロス/マルドゥエネルギー」にも強い1枚。想起クリーチャーだけを残しつつ盤面をすっきりさせることができるなどフレキシブルな(自分に都合の良い)除去が可能です。
ぼくはあいてのばんめんの《ウルザの物語》をだんちょうのおもいでながしました。
マッチアップガイド(+サイドボード)
ボロス/マルドゥ エネルギー
ボロス型 微不利/マルドゥ型 微不利
《火の怒りのタイタン、フレージ》を定着させたほうが勝つマッチアップ。
序盤、相手のカードで特に脅威となるのは《ナカティルの最下層民、アジャニ》です。これがプレインズウォーカーに変身して定着しないようにハンデスや丁寧な除去で処理していきましょう。そのほかに要注意となるのが《敏捷なこそ泥、ラガバン》です。これらを優先して始末しつつ、《不死のさざ波》によるアドバンテージ確保からの《火の怒りのタイタン、フレージ》脱出からの定着、というのがメインの勝ち筋となります。
なお、ボロスの場合は《血染めの月》を貼られるとこちらだけが機能不全に陥るので要注意。置かれるとこちらの《火の怒りのタイタン、フレージ》の脱出させらないまま相手にライフを削りきられます。
サイドイン
・《孤独》1枚
・《空の怒り》1枚
・《陽光浄化者》2枚
サイドアウト
・《迷宮の霊魂》1枚
・《思考囲い》3枚
ネクロドミナンス
不利
エネルギーデッキと比較してクロック性能が低いというのが大きく、ネクロドミナンスや一つの指輪の着地を許す展開になってしまうことが多いです。ちなみにこれらの着地を許すと概ね負けています。
ハンデスが鍵となるマッチ。《ネクロドミナンス》や《一つの指輪》、裏面が土地の呪文各種を落としつつ、《ナカティルの最下層民、アジャニ》や《オークの弓使い》など単体除去で戦線が崩壊しないクリーチャーで圧をかけるのが基本戦略。
また、不用意にクリーチャーを展開しないことも重要です。《不憫な悲哀の行進》のライフゲインで《ネクロドミナンス》のドローの餌を提供することになってしまいます。基本は手札破壊からスタートしましょう。
サイド後は、《血糊の雨》でライフゲインを有す呪文へにらみを利かせましょう。ゲームレンジの合わない《鏡割りの寓話》は減らすか全抜き、《黙示録、シェオルドレッド》を定着させないために《致命的な一押し》はサイドアウトせずに残しましょう。《孤独》は相手にライフゲインを許してしまうので、基本は《致命的な一押し》を優先します(《マラキールの再誕》を当てられる裏目よりもライフ面で圧をかけ続けるほうが大事)
サイドイン
・《血糊の雨》2枚
・《摩耗//損耗》1枚
サイドアウト
・《鏡割りの寓話》3枚
ナドゥコンボ
微不利〜五分
ハンデスと除去でコンボルートを潰す&減速させながら最短で最大火力をぶち込みましょう、ロングゲームに持ち込まれると負けます。
キーカードとなる《春心のナントゥーコ》がタフネス1なので、これをなるべく《オークの弓使い》で処理することを意識しましょう。基本《有翼の叡智、ナドゥ》が着地するとそのまま負けるので、これを着地させないことが最重要。悲嘆ブリンクハンドないし除去とハンデスが合わせて2枚以上あることを意識してハンドキープしましょう。
サイドイン
・《過酷な指導者》2枚
・《摩耗//損耗》1枚
・《空の怒り》1枚
サイドアウト
・《鏡割りの寓話》2枚
・《迷宮の霊魂》1枚
・先手の場合《オークの弓使い》1枚
・後手の場合《ナカティルの最下層民、アジャニ》1枚
ジェスカイコントロール(ウィザード)
有利
相手の場に《知りたがりの学徒、タミヨウ》を定着させず、《不死のさざ波》をこちらの場に定着させ、《火の怒りのタイタン、フレージ》を投げ続けることで勝利を目指すマッチアップです。
序盤は軽量除去でタミヨウを除去しつつ、《オークの弓使い》や《迷宮の霊魂》をバラマキながらゲームをコントロールし、中盤手札破壊を交えながら《不死のさざ波》や《鏡割りの寓話》を通しに行き終盤《火の怒りのタイタン、フレージ》を複数回唱えましょう。これはサイド後も変わりません。
サイド後は《虚空の力線》をサイドイン。ゲーム開始時に置ければにっこり大満足、置けなければ要所で《悲嘆》のピッチコストに充てましょう。
サイドイン
・《虚空の力線》4枚
・《陽光浄化者》1枚
サイドアウト
・《ナカティルの最下層民、アジャニ》2枚
・《儚い存在》1枚
・《孤独》1枚
・《鏡割りの寓話》1枚
ジェスカイコントロール(指輪)
微有利
基本的な動きはウィザード型と同じですが、《一つの指輪》が通ってしまうと一巻の終わりなのでこれを唱えさせないことが肝要です。
《緻密》がフル搭載されていることが多いため、《悲嘆》ブリンクの前に《思考囲い》をプレイして安全確保を行いましょう。
ウィザード型と違い墓地利用が《火の怒りのタイタン、フレージ》しかないのでサイドボードで《虚空の力線》を入れる必要はありません。《一つの指輪》を着地させないことが大前提ですが、これが着地してもなんとかなるようなるべくクロックを投下し続けましょう。
サイドイン
・《過酷な指導者》2枚
・《陽光浄化者》2枚
サイドアウト
・《致命的な一押し》2枚
・《孤独》2枚
おわりに
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。「マルドゥミッドレンジ」楽しいデッキなので皆さんもぜひ使ってみてくださいね。
さて今回はおまけに「ウルザソプターの最新リストと考察(約1,000文字)」を入れておきました。記事をご購入いただくとみることができます。大した内容はかけていませんが、投げ銭感覚でぜひ読んでいただけると嬉しいです。
では、またお会いしましょう。
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