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オランダのRed Light Districtに行った

2024年11月に、オランダに1週間程度滞在しました。
前回行ったときは忙しい日程にトラブル続きでなかなか観光する時間がなかったので、今回はゆっくり時間をとってアムステルダムを回ることにしました。

その中でも今回の旅行で目玉だったのは、Red Light Districtのツアー。

CNNより引用(夜の時間帯にこの域内で写真を撮ることは禁止されています)

Red Light Districtは、アムステルダムの繁華街に位置し、合法的に売春行為が行われている場所です。営業中には、上記の写真のように窓枠が赤く光り、中で下着や水着を着ている女性たちが勧誘しています。

一人で入るにはさすがに勇気が必要な場所だったので、ツアーに申し込みんで案内してもらいました。

https://www.tripadvisor.jp/AttractionProductReview-g188590-d12935909-Amsterdam_Red_Light_District_guided_tour-Amsterdam_North_Holland_Province.html

最初は、アムステルダムがどうやってできたか、中心部から伸びている道路沿いにある中華街や華美過ぎるレストランの謎、アムステルダム中心にある教会について説明を受け、いよいよ地区に入っていきます。

地区に入る前に、しきたりやルールを教えてもらいました。
(以下しっかり英語を聞き取れたかどうかは自信はない)

道路には使用済みのコンドームが落ちていて"sticky"だから気をつけること(文字通り、チューイングガムがへばりつく)、
4,5番街はとにかく臭いから息を止めて通り過ぎること、
赤いランプは女性、青いランプは男性がいる場所で、
世界の地域によって地区が分かれていること、
売春をする女性にもランクがあり、競争を勝ち抜いてきた"超一級品"であること、
各サービスの値段、

などなど…

それを聞きながら笑ったりジョークを言ったりするツアー客を見て、
知らない間に私の顔がぽかんとなっていたようで、ガイドに"Hi!!"と声をかけられました。

いよいよ地区の中に入りました。
とりあえずはぐれないように、ガイドの後ろをたどりながら、
ガイドが指さすほうに視点を向けて、またすぐ歩いて、
通り過ぎたと思ったらまた地区の細道に入って…を繰り返しました。

私は、麻薬も売春も許容する社会はどんなルーツを持っているのだろうか、働いている人の権利はどのように守られているのか、それを楽しむ観光客は彼ら、彼女らに対して何を思っているのか、日本では決して抱かないような感情を持ってツアーに臨んでいました。
しかし、地区にいる間、自分がいかなる感情や表情を持つことも躊躇していました。というか、どうすればよいのか分かりませんでしたし、自分が何か表現できる資格があるとも思えませんでした。
勧誘する女性やそれを楽しむ観光客の視覚情報の描写はできても、それに応答できるだけの十分言語化された感想や感情を持ち合わせていませんでした。

やっと地区を抜け出して、ガイドが一言、
「85%以上が閉まっている!残念だった!」と言って、やっと現実世界に戻ってきたような感覚でした。

ガイドがいろいろ説明をしてくれたのですが、その後も私の頭の中がふわふわしていて正直あんまり覚えていません。

(ちなみにツアーのクオリティはよかったです、おすすめします)

ツアーは20時前に終わりました。
さっき起きた出来事やツアーガイドの言っていたことを反芻して、
私にはオランダにおける性産業の良し悪しを判断できるだけの知識は今は全く足りないと反省しました。
自分の体を売ってお金を稼ぐことが、法律や国のしきたりの範疇を超えてモラル的に間違っていると言うのは簡単ですが、
彼らの置かれた生活環境や、法律によって保護されている現状を踏まえると、完全に悪だということは今の私にはできませんでした。
また、もし自分の大事な人が、職業を選択できる(経済的な)自由がある中で、それでもこのような職業を選んだとしたら、私はどのような反応をするのでしょうか?
職業選択の自由の制限の一つである、売春防止法によって規制がされている日本だったら、法律を引き合いに出して止めることもできるかもしれません。でも、その法律のないオランダだったら、私はどんな理由をもって止めるでしょうか?

性産業に関する知識も自分なりの考察も浅い中で、ツアーに参加することに意味があったのかどうかも判断できず、非常に締まりの悪いnoteになってしまったのですが、
今の漠然とした気持ちを残すために、将来もう一度この話題に向き合ったときのために筆を執りました。

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