PUFA-3:肺機能に関しては、ω-3脂肪酸、特にDHAの高レベルの有益な効果
心血管系ではなにかと否定的な報告の多いω３不飽和脂肪酸だが、
肺機能に関しては、ω-3脂肪酸、特にDHAの高レベルの有益な効果があった。NIH基金の研究であり、信用性は高い。
Patchen, Bonnie K, Pallavi Balte, Traci M Bartz, R Graham Barr, Myriam Fornage, Mariaelisa Graff, David R Jacobs Jr, et al. “Investigating Associations of Omega-3 Fatty Acids, Lung Function Decli Ne, and Airway Obstruction.” American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, July 20, 2023, 10.1164/rccm.202301-0074OC . .
【序文】炎症は肺機能の低下と慢性閉塞性肺疾患の発症に寄与する。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、肺の健康に役立つ可能性がある。
【目的】 一般集団コホートの多様な成人において、オメガ3脂肪酸と肺機能低下および気道閉塞の発症との関連を調査する。方法 相補的研究デザイン：(1)National Heart, Lung, and Blood Institute Pooled Cohorts Studyにおける血漿リン脂質オメガ3脂肪酸と反復FEV1およびFVC測定に関する縦断的研究、(2)遺伝的に予測されるオメガ3脂肪酸と肺機能パラメーターに関する2標本メンデルランダム化（MR）研究。
【測定と主な結果】 縦断的研究により、15,063人の参加者において、オメガ-3脂肪酸レベルの上昇は肺機能低下の抑制と関連しており、最も代謝下流のオメガ-3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸（DHA）の効果量が最も大きかった。
DHAが全脂肪酸の1％増加すると、FEV1が1.4mL/年（95％信頼区間[CI]1.1-1.8）、FVCが2.0mL/年（95％CI1.6-2.4）減少し、スパイロメトリーで定義された気道閉塞の発生率が7％低下した（95％CI0.89-0.97）。
DHAとの関連は、性別、喫煙歴、黒人、白人、ヒスパニック系の参加者間で持続し、元喫煙者とヒスパニック系で最も大きな関連がみられた。
MR試験では、遺伝学的に予測される下流のオメガ3脂肪酸とFEV1およびFVCとの正の関連について同様の傾向が示された。
【結論】 縦断的研究およびMR研究は、肺の健康に対する下流のオメガ-3脂肪酸、特にDHAの高レベルの有益な効果を支持する証拠を提供する。
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要約 written with ChatGPT4
新たな大規模な多角的研究によれば、魚や魚油サプリメントに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸が、肺の健康維持に有望であることが示されました。この研究はアメリカ国立衛生研究所(NIH)の支援を受け、これまでで最も強力な証拠を提供しています。特に、多くのアメリカ人が現行のガイドラインを満たしていないため、食事にオメガ3脂肪酸を含めることの重要性が強調されています。
この研究は、オメガ3脂肪酸の血中レベルと肺機能の経時的な関連性を調査する2部構成の研究として実施されました。第1部では、15063人のアメリカ人を対象に、オメガ3脂肪酸の血中レベルが高いほど肺機能の衰えが少ないことが示されました。
第2部では、イギリスバイオバンクからの50万人以上の参加者の遺伝子データを分析し、血液中の特定の遺伝子マーカーを食事中のオメガ3脂肪酸レベルの間接的な指標として調査しました。その結果、オメガ3脂肪酸のレベルが高いほど肺機能が良好であることが示されました。
ただし、現在の研究では健康な成人のみが含まれています。このプロジェクトは進行中で、慢性閉塞性肺疾患（COPD）の人々、特に重度の喫煙者に対するオメガ3脂肪酸の血中レベルと肺機能の衰えの速度との関連性を調査するためにCOPDGene研究と協力しています。
現時点では、人々が週に少なくとも2回は魚を食べることを推奨しています。オメガ3脂肪酸の他の源には、ナッツや種子、植物油、強化食品などがあります。
この大規模な集団ベースの研究は、抗炎症性を持つ栄養素が肺の健康を維持するのに役立つ可能性を示しています。オメガ3脂肪酸と肺機能との関連性については、今後の前向き研究で興味深い問いが提起され、さらなる研究が必要です。