見出し画像

◆AMPKを活性化し、ミトコンドリアの機能を高める方法

「はじめに」5’-AMP-activated protein kinase(AMPK)は,肝臓,筋肉,脂肪組織などの末梢組織や視床下部においてエネルギーセンサーとしての役割を示し,エネルギー欠乏時には異化反応を促進する。 骨格筋では,AMPKの活性化が脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みを促進し,脂肪酸酸化を促進することが明らかにされている。

ミトコンドリアの機能を高めるには

①運動、②タウリン、③5ALA、④ベルベリン、⑤ローフード(果物、野菜ジュース)、⑥山芋、⑦ニガウリ、

⑧ビタミンB群、ナイヤシン、⑨αリポ酸、⑩緑茶、⑪青汁、

⑫ウコンの粉、⑬桑の葉の粉、⑭メトホルミン、⑮オーガニックcocoa、⑯あまちゃづる、⑰カキドウシ(粉がより効果的

◆メトホルミンのアンチエイジング作用と抗がん作用

 メトホルミン(Metformin)は、『抗老化薬である』(アンチエイジング作用)を示す働きを持っている。これは、AMPK(細胞の中の代謝をコントロールしている酵素)の活性化により、若返り、美容の効果を示す。また、血糖降下作用(腸管からの糖の吸収抑制、取り込んだ糖の利用促進、肝臓における糖新生抑制、インスリン感受性の向上など)の結果としてもたらされる代謝改善、循環器疾患や認知症リスクの低減、更には、抗炎症作用や抗がん作用にまで至る効果が証明されています。ポリープの発生を有意に抑えられたとするエビデンスもあります。だからこそ、老いなき世界の著者は、自身は糖尿病でもないのに、このメトホルミンを日常的にとっているのです。

 メトホルミンは主にLKB1というプロテインキナーゼを介してAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化し、p53を活性化、mTORを阻害、PI3K/AktやMAPKSを阻害する、というものです。
 

細胞内のエネルギーレベルが低下するとATPは減り、代わりにADPが増加し、ついにはこのADPも分解され、AMPの増加が起きます。そうすると、AMPによってAMPキナーゼ(AMPK)という酵素が活性化されます。AMPK は、老化制御のマスタースイッチであり、細胞内のエネルギーセンサーとして重要な役割を担っています。
AMPKは、小型脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンという善玉のサイトカインに依存し活性化しますが、他にも方法はあります。絶食やファスティング、低糖質食、少食やカロリー制限、ケトン食、運動などにより、細胞内にグルコースを枯渇させることでも起きます。最近では温熱療法による熱ショック・ストレスに細胞が応答して活性化されることもわかっています。
AMPKが活性化されると、細胞内のさまざまなタンパク質にエネルギー不足が伝えられ、これによりそれぞれのタンパク質にリン酸化が亢進され、生体内の酵素反応などが向上します。
そしてこのAMPKは脂質代謝を向上するのに非常に重要な働きもします。
AMPKはサーチュイン遺伝子と呼ばれるSIRTや、NRF(核呼吸因子)を活性化する働きがあります。ただし、このとき細胞内のNAD+/NADH比が上昇していることが前提になります。(※NAD+は食べ物から受け取った電子のキャリアであり、電子を受け取ってNADHになるわけですから、NAD+が多いと言うことは食べ物の供給が止まっている状態、または供給よりもエネルギー消費が多い状態のことです。)
活性化されたSIRTは、ミトコンドリアを高性能にするPGC1αというタンパク質の活性を高めます。どれだけ脂質代謝モードにもっていこうとミトコンドリアの機能が低下していては代謝がうまくいきません。高性能ミトコンドリアを維持することは一つのカギとなってきます。SIRTは他にも抗酸化酵素(SOD、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ)の働きを良くするFOXOという転写因子を活発にすることがわかっています。
さて、SIRTのメインの役割は、脂肪酸がβ酸化されて生成されたアセチルCoAをケトン体代謝に進める最初の酵素HMGCS2を活性化することです。この酵素がスイッチONにならないとケトン体モードに入っていきません。HMGCS2酵素が活性化されるといよいよアセチルCoAは中間体であるHMG-CoAに変換され、ついにアセト酢酸というケトン体が生合成されます。しかし、アセト酢酸はその性質上アセトンに代謝されやすいため、ここである酵素が活性化されることにより、これを防止し、エネルギー源となるβヒドロキシ酪酸というケトン体に代謝する必要があります。この酵素はBDH1と呼ばれ、この酵素のスイッチが入るときはやはりNAD+依存性です。NAD+/NADH比が上昇した状態であることが条件なのです。
こうして脂質代謝が成功するわけですが、ここで注意が必要です。それはそもそも細胞内の脂肪酸がβ酸化されるにはPPARαという転写因子が活性化される必要があります。PPARαが活性化されるには上記のような細胞内のエネルギーレベルにも当然影響していきますが、栄養素にフォーカスすれば、EPA、DHA、ビタミンA,E、ナイアシン、鉄、アスタキサンチンなどがPPARαの活性化には必要である、または促進させることが報告されています。PPARαは脂質代謝因子の働き以外にも、抗炎症作用、抗腫瘍作用、インスリン抵抗性の改善、HDLコレステロールの上昇、sd-LDLの減少など多岐にわたり、私たちの体を健全化してくれる重要な転写因子です。ちなみに、インスリンが全身に運ばれて細胞膜にあるインスリン受容体に結合すると、PI3K/Akt経路が促進され、mTORというシグナル伝達物質が活性化されます。mTORはタンパク質合成や細胞増殖に必要ですが、宿主の不摂生な食生活などにより多量のインスリン分泌が亢進してしまうと、このmTORが持続的になり、がん細胞までも増殖させてしまったり、動脈硬化を引き起こすことになります。
さらに、mTORの亢進はオートファジー(老朽化したタンパク質のリサイクル作用)を抑制してしまったり、インスリン抵抗性を引き起こしてしまう原因となります。
脂質代謝はさまざまな条件で成り立っています。もし代謝改善がなかなかスムーズにいかない人はこれらをヒントにしてみてはいかがでしょうか。

(20+) Facebook




https://basket.step.rakuten.co.jp/rms/mall/bs/cartall/?shop_bid=361889&l2-id=shop_header_cart


#アンネの法則の山下安音です。私のライフワークは、平和学研究とピースメディア。VISGOのプロデューサーに就任により、完全成果報酬型の教育コンテンツと電子出版に、専念することになりました。udmyとVISGOへ動画教育コンテンで、世界を変える。SDGs3,4の実現に向けて一歩一歩