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素読 とは
この本のタイトルは「英文ことわざ 1000の素読」である。「素読」とは何か。
「素読」とは、読んで字のごとく、ただ読むことである。その昔、日本では子供たちが漢文を勉強する際、まず声を出して読んだのである。意味は分からなくでも声を出して読んだのである。そのうちに意味も頭に染みて来て分かるようになったという。これは「素読」という学習法である。ひょっとしたら今の日本では忘れられた勉強法かもしれない。
英語のことわざも漢文と同様に含蓄深いものが多いので意味を取るのは大変かもしれない。また、語呂やリズムを重んじて文法的にちょっとおかしいものもある。そのようなところで、理屈っぽいことを考えて止まってしまうのは良くないと思う。どんどん声を出して読んでみよう。
もちろん、意味が分からなくても良い、などと私は言うつもりはない。この本では私が考案した現代英文訓読法を用いて書いてあるので、単語の意味や文のつながりはある程度容易に理解できるのではないかと思う。もちろん時に自分で辞書や参考書で調べたりすることも必要だ。
しかし、あまり深く考えずにどんどん読んで、どんどん暗記したら良いと思う。これが「素読」である。そのようにやっていくとすると、ことわざの意味も頭のみならず体に染みてくる。そして体に吸収されてくる。そして繰り返し繰り返し素読を繰り返すうちに、それが自らの血となり肉となる。そのようにして得られた知識はもはや英語だけに止(とど)まらない。教養として体に蓄えらる。
それが時として外に滲み出てくるとそれは風韻となり、それがその人の人格を形成する。そのように形成された人格はその人のどっしりとした風格になるのである。