prototype keyboard05 (Staggered L64 16mm)
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世界最小 極セマ 16mm メカニカルキーボード!! - YouTube
# キーボードを作った経緯
最もミニマルで合理的なスタッガードタイプのキーボードを作ってみたい。ここからプロジェクトが始まりました
# なぜ無いの?
英語キーボードは記号の配置が合理的に出来ているために、コーディングをする時などに非常に使いやすいく、一部の日本人に人気なキー配列です。
しかし、英語配列のキーボードには、無変換、変換キーが存在しないため、英語キーボードを使うに日本語ユーザーはAltキーをIME-OFF / IME-ON に無理やりアプリケーションを使って変化させることで利用しています。
日本語環境で使うUSキーボードユーザーは長年この使いにくさと対峙してきましたが、市場にある商品でこの問題を解決するキーボードは生まれませんでした。
日本語環境で英語配列を好んで使う人のための、ミニマルでコンパクト合理的なキーボードを作りました
# 市場に存在しない理由(推測)
自作キーボードを作って思ったことは、市場に出ているほとんどのキーボードは、テンプレートを使って作られているためにコストを安く開発できます。
とりわけキーキャップを作るには莫大な初期投資費用がかかる。
コスト面の理由からニーズがあるかどうかわからない商品を開発することが現実的ではないという事だと推測します
このキーボードを作る過程で、オリジナルキーキャップを作成しようと試みましたが製造コストが高すぎて断念しました。
# 英語配列 + 変換 無変換
このキーボードは英語配列キーボードに無変換(英数) 変換(かな)を付けた、日本語環境でUSキーボードを使う人にとって、欲しかった機能を付けて作ったキーボードです
# windows 記号がズレる問題
USキーボードを日本語配列で利用した場合、記号が正しく入力されない問題があります。典型的なのは [ Shift + 2 ]で @ ではなく ¨ が表示される問題です。 これもwindowsで好んでUSキーボードを使う人たちにとって長年煩わされていた課題でした。
このキーボードはその問題を解決しており、windows 106日本語入力の設定のままでもすべての記号がUS配列の記号として正しく入力することが可能です。これによって、windowsでUS配列のキーボードを使う旅にAltキーにIME-ON/OFF を割り当てする必要も、101USキーボードに変更する必要もなく、非常に使い勝手のよい理想的なキーボードに仕上げました。
# 十字キー
十字キーのまわりをスッキリさせたので触覚で十字キーを認識しやすくデザインしました。これによりタッチタイプする時に十字キーを認識しやすくなるために作業効率が高まります
# 極小サイズ
おおよそW251mm L86mm D18mm と55%キーボード、メカニカルデザインとして非常に小さいキーボードを目指しました。
# ミニマルデザイン
キー配置、キーの数、キーの場所、フォント、ケースデザインと考えに考えて毎日使いたくなる、飾っておきたくなる、持ち運びしたくなるキーボードを目指しました。
# キーキャップ
高級キーボードに使われているキーキャップで代表格なのがPBT素材を使った2色成形のキーキャップです
N10件ほど世界中で見積もりをとってもらいましたが最低でも1000個くらい売らないとコストを回収できない事が判明し、別の方法を模索することになりました。
多様なデザインが可能でミリ単位でこだわって作りたいという事から、光造形方式を使ってキーキャップを作りました。
# キーキャップ 埋没加工
初めに作ったデザイン案では、キーキャップは無刻印しか作らなかったのですが、サンプルを触ってみて、色々検証したり話し合った所
せっかくゼロから作るのだから、徹底してこだわって作ろうという事から、フォントを埋没させて作ろうという事になりました。
叡智にお願いし、4パターン暗いフォントを検証してもらい、キーキャップデザインも最終的に3パターン作りました。
フォントもデザインも視認しやすく主張が少ない。埋没してあるので印字型のキーキャップの様にフォントが削れる心配もないです。素材に高強度のアクリルレジンを使ってあるので強度も十分です。
この埋没型のフォントを採用した事で、無刻印と刻印キーキャップのいいとこ取りの様なキーキャップができました。
欠点はゴミが入りやすい、アクリルレジンの製造過程でどうしても薬品洗浄しなければならず、除光液のような薬品臭が残る部分です
フォントを埋没させる手法は非常に手間がかかる作業であり、微修正につぐ微修正を重ねて何十時間、何度もリテイクをかけてデザインを突き詰めました。このキーキャップデザインを作っていただいた叡智には頭が下がる思いです。
# ナローデザインのキーキャップ
主に親指で操作する α、β、γ、δの4キーのキーキャップにはスロープをつけることで親指が引っかからないようにデザインしました。
※すべてのキーキャップにスロープデザインを採用しております。
# なぜ16ミリキーピッチ
・市場に存在しないものを作りたかった
・コンパクトの利点
慣れるまで大変、汎用品が使えないという難点はありますが、単純に各キーの移動距離が2ミリ短縮されるということは、それだけ指を移動させる距離が縮まるので腱鞘炎のリスクが小さくなります。
又、手の小さい人でも使いやすいですし、コンパクトに設計できるので持ち運びにも便利です。
今回キーボードを作る時にどうせならとことんこだわって作ろうということから、キーピッチを16ミリにしました
# 3ミリ 薄くするのにかかったコスト プライスレス...
一般的な自作キーボードは主に Promicroなどといったマイクロコンピューターをいい感じにハンダ付けして作られます。
この方法は簡単に作れるという反面、どうしても基盤が厚くなる。キーボードレイアウトの融通が効かない。だいたいのマイクロコンピューターは USB type-B microなどで USB type-C 端子が使えないといった難点があります
USB type-C は非常に優秀な規格であり、キーボードを作る上でここは妥協できません。(叡智にお願いして基盤の設計開発をしてもらいました。)
これからがぢごくの始まりであり、何度も失敗を繰り返しながら3ミリ薄くすることが出来ました。
完璧に動くクローン基盤を作るために大量の廃棄物を量産しました。基盤をゼロから学習して作ってくれた叡智に感謝しかありません。
# キーボードカバー & パームレスト
Reference
https://damonge.com/post/3773
なるべく薄く作りたかったので、ロープロファイルのキースイッチを採用しましたが、ロープロファイルを選んだもう一つの理由はなるべく薄く作ることで腱鞘炎リスクを減らしたかったのもあります。
客観的なデータによって、なるべく手首に角度が付かない方が腱鞘炎のリスクを下げることができます。そこで、キーボードカバーとキーボード本体の高さを合わせることで、利用しないときにはキーボードカバーとして、使うときは簡易パームレストとして利用できるデザインにしました。
# USB-C
TYPE-C ケーブルを採用
これもわざわざマイクロコンピューターをクローン化させた理由であり、たいていのマイクロコンピューターは安い USB micro が掲載されていますが、いちいち多用なケーブルをそろえなければならないために、ユーザーの利便性が悪いです。Type-Cなら汎用型で2020年以降の製品であればほぼtype-cに対応しているので利便性が高いです
# 16mm キーピッチ
既存のメカニカルキーボードは19mmキーピッチで作られています。これはキーとキーの間隔が19mmあるということを意味します。このキーボードでは、指の移動距離を最小化させ、手首と指にかかる負担を軽減させる目的で主に、ノートパソコンと同程度の 16mmキーピッチを採用しました。物理的な移動距離を短縮されるので、これにより長時間のタイピングによる指の負荷を最小化することが可能となります。また、コンパクトなので持ち運びにも便利です。
# ホットスワップ対応
Kailh choc ver2 のキーキャップを設置可能です。
LED
LED backlightも完備
# Mac & Windows 対応
Windows と Mac では記号の配置が違います。典型的な部分は、無変換が英数、変換にかなキーが配置されている部分です。これらの部分を最適化することで、Mac,Windows、両方のユーザーに対応しました。
キー配置の変更は 左下の Change key を長押ししながら任意のキーをクリック
# キーボードチートシート
Windows
Mac
macの場合はキー配置が変化します。
# 主な変更点
Ctrl <-> Command
無変換 > 英数
変換 > かな
Win > Ctrl
# キーボードショートカット
左下の Change key を長押ししている間は、オレンジ色の部分のショートカットキーにキーが変更されます。各ファンクションキーや Delet キーはショートカットキーを使って入力します。
Fキーは左下にあるチェンジキーを長押しすることでオレンジ色の部分のキーは変化します。
キー配列を変更する場合もチェンジキーから変更します。
よく使うと思われるボリューム、モニター光量、キーボード光量、再生ストップ機能を最下段にキャプスロックにプリントスクリーン、Home、End、PageUP、PageDown とりわけAWSDが十字キーに変化する部分はタッチタイプの利便性を高めます。
# ミニマルデザイン
キー配置、キーの数、キーの場所、フォント、ケースデザインと考えに考えて毎日使いたくなる、飾っておきたくなる、持ち運びしたくなるキーボードを目指しました。
このキーボードは60%キーボードなる、ファンクションキーを抜いたキーボードからさらに、多数が使わない右側の Altキーなどを抜いて作った55%キーボードとなります。
正式名称は prototype_keyboard_Low64_16mm です。ほぼどうでもいい情報ですね。
# キーキャップデザイン
キーキャップをレジンを使って作れるという利点を使い、キーボードの刻印を削り出しのような方式で刻印しました。これにより、長時間使用しても刻印が消えることはありませんし、刻印も目立たないので、無刻印のようなデザインだが刻印はあるという、無刻印と刻印のいいとこどりのキーキャップに仕上がりました。
キーキャップのフォントやサイズ、配置場所なども0.1mm単位でこだわってデザインしました。
# ガスケットマウント
キーボードの基盤をフレームで挟み込むことでなるべく打鍵音が響かないような構造を採用しております。
※より効率的な内部構造にできる可能性がありましたら変更する可能性があります。
# 防音デザイン
防音模様をキーボード底辺に配置することで防音効果を高めます
#3種類のデザインのキーキャップ
3種類のキーキャップをデザインしました。四角いデザインの type1、丸いデザインのtype2、四角と丸の混合デザインのtype3
Resin Black / Resin White / Nylon
3種類のキーキャップを開発
チャレンジ
カバー
カバーに反りが発生することがございます。
キーキャップ
キーキャップに細かいギザギザ、サポート材の跡が残ります
グラインディング
Nylon Black キーキャップは処理工程で表面加工(ブラストグラインディング)を行います。その過程でどうしても削りすぎな箇所が出来てしまい、キーキャップの刻印などが削れ過ぎてしまうことがあります。
キーキャップはニッパーなどを使って切り取っていただく必要がございます。
# 販売
詳細
https://github.com/prtotype/JP_prototype_keyboard_Low64_16mm