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読むSOZO KOTOTOI RADIO #9 伊藤龍平著「ヌシ:神か妖怪か」から想像トーク!

毎週木曜AM7:00に更新中の音声コンテンツ「SOZO KOTOTOI RADIO」。このラジオの公式note担当、本間海鳴と申します。こちらのnoteでは、更新されるラジオの要約と、ラジオを聴きながら私が考えたことや想像したことなどを文章の形でお送り致します!

このラジオでは、毎週本の一節を紹介し、そこから着想を得て想像・妄想した、 未来の社会や人の価値観の変化などを超主観トークでお届けしています。

ラジオパーソナリティはオリジナルミュージカルを制作・興行する株式会社Protopia代表の水島さんとアシスタントのわかなまちゃんです。

それでは、第9回の内容も振り返っていきましょう!


今回の一節📗

第9回で取り上げられたのは、伊藤龍平著「ヌシ:神か妖怪か」からこの一節。

「『一体、この国の河川沼沢にどれほどの数のヌシたちが身を潜めているのだろうか』と考えると、気が遠くなる思いがする」。

伊藤龍平著「ヌシ: 神か妖怪か」

長い間一ヵ所に住み続けて巨体になった生物『ヌシ』に多角的な視点から迫っている専門書。その本の冒頭部分が、今回紹介する一節です。さて、この一節からどんな妄想が広がっていくでしょうか?

第9回目のトーク内容💭

現代の日本では、ヌシ・神・妖怪などの存在はおとぎ話のように扱われています。しかし、昔はどうだったのでしょうか。
今回の主なトークテーマは、「昔の人々が実際にヌシ(神や妖怪)を見ていた可能性について」です。

今回紹介している本の中では、ある生物がヌシ(神か妖怪か)として生まれる条件の1つに「住みかである場所がよどんでいる」ことがあると説明されています。

『よどむ』とは、「流れずに止まること」「濁る」「滞る」という意味。
ラジオ内ではこの『よどむ』という言葉を、『氣』つまりエネルギーの流れに応用しています。そして、昔の人々は『氣』が溜まったり滞ったりしてできた塊が実際に何かの形に見えていたのではないか、と妄想を膨らませていきます。

この妄想の理由を説明するため、トークは『西洋と日本の古代美術』の話を経由します。
約2,000年前、イタリア・ナポリ近郊にあった古代都市ポンペイは、火山の噴火によって灰に埋まってしまいました。出土した当時の美術品の中には、ダビデ像のような西洋風の精巧な彫刻などがあります。
ポンペイの美術が栄え始めた紀元前7世紀~5世紀は、日本では縄文時代にあたります。その頃の日本の美術品は、主に土器や土偶です。
同じ時期に作られている物のはずなのに、美術品には大きな差があるように感じます。西洋の方が美術の面で進歩していた、ということなのでしょうか。

ラジオ内では「同時期の人類なのだから、西洋と日本で大きな能力差は無いはずだ」と仮定します。そして、『見えていた物・残したかった物が西洋と日本で違った』から美術品に差が生まれたのではないかと妄想を広げます。
西洋の人々は、物質を写実的に残そうとしました。しかし日本の人々は、「手では触れないけれど目には見えていた物」を作って残そうとしていたのではないでしょうか。日本に残る土偶・ヌシや八百万の神々などの言い伝えは決して創作などではなく、昔の人々が実際に見ていた『氣』や心、精神の塊だったのかもしれません。

そんな妄想から、新たなストーリーアイデアが生まれました。
タイトルは「神使いのジョナ」。時は平安時代。人々の願い・念・恨みといった『氣』が溜まり、集まり、練られ、意識を持つようになった『浮世神』が存在しているという設定です。『浮世神』は人間の世界の中で勝手に生まれては、勝手に人の願いや念を叶えようとし、その結果神として越えてはいけないある一線を越えてしまうことがあります。そうならないために、『浮世神』を導いて制御する役割を持っているのが、主人公のジョナなのです。

さて、もしも昔の人々にヌシや神や妖怪が見えていたのだとしたら、どうして今の私たちは見えなくなってしまったのでしょうか。見えなくなってしまった過程や、私たちのルーツについて妄想するのも面白いですね。

本間の感想🤔

歴史や芸術、言い伝えなどの見え方が変わるような、興味深い回でした!
今回の記事を書くにあたって土器や土偶をググってみたのですが、これまでただの土の寄せ集めにしか見えていなかったそれらが、本当にキレイな美術品であることに気付きました。「土器や土偶って、西洋の美術品と比べるとしょうもないな……」とずっと思っていたのですが、改めて見てみると、かなり複雑な形や模様が刻まれてるんですよね。しかも、『人間』という形から微妙に離れていて、微妙に近い形をしている。ロマンみたいな、不思議なパワーのようなものを感じました。こうやっていろんな角度から勉強すれば、歴史の授業も楽しめたのかも……。

昔の人たちにヌシや神様が見えていたとすると、現在の私たちが見えないのはどうしてなんでしょうか。何かきっかけがあったのかもしれません。例えば、昔の人が「人ならざるもの」をめちゃくちゃ怒らせてしまったとか。

そのきっかけに、今回のストーリーアイデアで出てきた『神使い』が関係していたら面白いですよね。悪い『神使い』が出てきて、『浮世神』をあえて一線を越える方向へ導いて、その結果『浮世神』のボスみたいな存在を怒らせてしまった。怒ったボスは「もう人間を助けることはしない、人間と『浮世神』は二度と接することはない」と決めた。だから現在の私たちは何も見えなくなってしまった……とか。

今回のヌシの話以外にも、昔と今で大きく変化したもののその変化が現代に語り継がれていないものはたくさんありそうですよね。人間って、元々はどんな生き物だったんでしょうか? 皆さんはどう思いますか?

↓↓第9回目の本編はこちらからお聞きになれます↓↓

タイトルにもなっている「KOTOTOI(言問)」には、「共に語ること」という意味があります。このラジオを通して、パーソナリティであるお二人の想像・妄想を広く知ってもらうこと、そして、リスナーの想像・妄想も広げ、色々な意見や考えを互いに知ることを目的としています。誰かの妄想から着想を得て、自分の想像力をどんどん豊かにしていくのが「KOTOTOIラジオ」の目指すところらしいです。

聴いた人の想像力も刺激し、新たな考え方を取り込むことができる「SOZO KOTOTOI RADIO」。本編ラジオも、noteも、どうぞよろしくお願いいたします。ぜひ皆さんの想像・妄想もお聞かせください!

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