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0419 - 真冬にふんどし一枚で、山伏と一緒に、滝行をする

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人は「魅力(メリット)を感じる要素」が3つになると「率先して行動を起こす」のだそう。

例えば、少し遠い距離に「おいしいと評判のお店」があったとしても、そのお店のために半日とか1日かけて出かけるには腰が重い。ところが「おいしいお店」と併せて「素晴らしい景色」と「極楽な温泉」も楽しめるとなると「行くぞ!」となる。

例えば、安いと評判の飲食店があったとして、「安い」だけではリピートしようという気になりにくいけど「早い」「美味しい」と併せて3拍子揃うと頻繁に行きたくなる。または「安い」「美味しい」「居心地がいい」とか。

恋愛対象となる性別について「見た目が好み」だけでも充分に惹かれるとは思うが、そこに「性格も良い」「趣味も合う」となれば、付き合いたい欲は一気に加速する。

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僕が行動を起こす動機になりやすい大きな要素は「なかなか体験できない」かどうかだ。

静岡県磐田市にある外構屋『soto.Craft(ソトクラフト)』の代表木村さんの企画で、これまた磐田市にある『大乗院 三仭坊(みひろぼう)』の小笠さん(山伏)と一緒に「真冬にふんどし一枚で滝行しよう!」というお知らせを目にした。

・真冬にふんどし一枚になること
・山伏と一緒に出かけること
・滝行をすること

なかなか体験できない要素が3つ重なった。あまり深く考えずに速攻で挙手をし、滝行へ参加させてもらうことに。

後から参加メンバーを知ったのだが、山伏の他に「救急救命士」や「アウトドアプロデューサー」もいたりで一気に安心感が増した。こうなると気分はもうハイキングだ。

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当日の朝、磐田のお寺に集合。近くのコンビニで買い出しを済ませたら、車で天竜川を1時間半ほどひたすら北上し、佐久間エリアまでやってきた。

途中で山道に入りグググと登っていき、指示された場所に到着して車から降りたら、冷たい空気と共に、青い空と緑の山々という最高の景色が目の前に広がった。ハイキング気分が更に高まる。

ここからは、滝までは徒歩となる。広めな砂利道を15分。その後、道なき道に近い山道を30分ほど、ひたすら歩いた。

滝のある場所は、秋葉山秋葉寺「奥の院」の更に奥。奥の院までは修行も含めて観光などでも足を運ぶ人がいるようで、随所随所に案内が出されていた。

さて、今回参加する動機となった3つの「なかなか体験できない」だが、現地まで足を運んで更に2つの要素が追加された。

【1つ目:嬉しい追加要素】
山伏が随所随所でほら貝を吹いてくれた。生で近距離でほら貝の音色を耳にする機会はそうそう無い。しかも吹いてくれているのは山伏。雰囲気(臨場感)が増してワクワクした。

↑手に持っているのは「ほら貝」だ。実物を見ること自体なかなか無い。

ほら貝の音色にテンションを上げつつ歩いて歩いて、いよいよ奥の院に到着。

「山に入らせていただきます」「滝行させていただきます」「無事に終えられますように」など手を合わせてみんなで祈願。きっとここまで足を運ぶこと自体も貴重な体験。滝まではあと少し。ここまで来たら、さすがに感じていたハイキング気分はどこへやら。一気に気持ちが引き締まってきた。

【2つ目:きびしい追加要素】
冬なので、寒い&冷たいを覚悟していたとはいえ、滝まで到着して愕然とした。まさか「雪・氷・ツララ」があるレベルだとは思わなかった。こりゃ真面目に「いのちだいじに」で臨まないと危険だなとゾクゾクした。

アテンドしてくれた山伏の小笠さんは「本当に無理だけはせず、リタイアしてもダメとか馬鹿にするとかは無いので」と話してくれたが、誰一人「やめよう」という人はいない。みんな覚悟は決めたようだ。

ふんどし一枚になるため服を脱ぐ。ひゃぁーーー、空気が冷たすぎる。ひたすら寒い。これで更に、極寒の中で滝に打たれる、、、どんな塩梅なのか想像が追いつかない。

まずは、手本として山伏の小笠さんが滝に打たれる。手を合わせて念仏(で合ってるかな?)を唱える。さすが何度となく経験しているだけあり、体勢も発する声も安定している。時間にして1分ほどだろうか。滝から離れて陸に戻った。

そして自分の番が来た。躊躇すると余計にしんどいと思い、何も考えずに一気に歩を進めた。

終わってみれば「良い経験をさせてもらった」と感謝しかないが、オススメできるかと訊かれたら正直「NO」だ。

寒いのはもちろん、なんたって「痛い」のだ。服を脱いでいる時点で空気が冷たすぎてしんどい。水に足を入れた瞬間、本能的に危険を察する。足が一気に痛くなる。急激に強まる痛みが臨界点に達すると、今度は全身の感覚が麻痺していく。体が痛みを感じることを拒み始めたのだ。体温が下がり、力が入らず、頭の中に白い景色が広がっていくのが分かった。こんな体験は初めてだ。

これは完全に「物好き」がやること。自己責任で自分を労われる物好きじゃないと手を出してはいけない行事だ。

ただ、そんな「物好き」だからこそ、やった者だからこそ得られる達成感・安堵・新感覚があるのも事実。終わりが良ければ、それまで味わった苦痛も全て肯定できる。やって良かったかどうかを訊かれれば「うん、やって本当に良かったよ!」と全肯定できる。

↑終わった直後のメンバー。みんな背負っていた何かが洗い落とされたかのように清々しい表情になっているのがお分かりいただけるだろうか。

山を下ってすぐにある自販機で買ったホットドリンク。道の駅で食べた天ぷらそば。帰宅して入ったお風呂。どれも格別だった。月並みな言い方だが、滝に打たれたおかげで、いつもの当たり前なアレコレ全てが特別に感じられた。

こういう経験をさせてもらえるってことが純粋にありがたい。新年早々という点もすごく良かった。今年も(昨年以上に)楽しいことが沢山起こることを期待している。

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