0387 - 分かりやすくないからこそ得られる感覚
t= 6 d= 4
もう随分と前に(調べたら2003年に)放送していたこの番組が大好きだった。
日曜日の早朝に放送されていた。詳しくは上のWikipediaを見てもらえれば幸いだが、ざっくり言うと、インタビューの体裁を装ったお笑い番組。その後にDVDなどメディア化もされていないこともあり、意外と知られていないように思う。
分かりやすくボケとツッコミがあるわけではなく、静かにジワジワと沁み入るタイプの笑い。刺さる人にはすごく刺さるし、理解できない人には全く面白さを感じられない「客を選ぶ」番組だった印象。
幸いにも僕にはすごく刺さっていたので、毎回ビデオに録画して暇さえあれば2度3度と繰り返し観ていた。
ある雑誌にて(QuickJapanだったかな?記憶が定かではない)ピエール瀧氏が「好きな番組」として、この「モーニングビッグ対談」を挙げていたことがある。理由は「分かりにくい笑いだけど、ハマった時にスコーンと高いところまで連れていってくれるから」と語っていた。(正確な言い回しが思い出せないのでニュアンスのみ)
分かりやすさって即効性があるけど、その効果は一過性で簡単に消えてしまう。
逆に、分かりにくいと、理解できるかどうかで人を選ぶし、理解できるまでに積み重ねを含めた時間が必要だったりもする。しかし、理解できてハマった場合に「ちょっとやそっとじゃ辿り着けない境地」に必ず連れて行ってくれる。
あくまで好みの問題だが、お笑いに限らず「時間とか理解とか」のハードルを超えられたからこそ得られる景色(感覚)には貪欲でありたい。