0427 - 東京から静岡へUターンして起業した理由
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プロトペラという会社を始めておよそ1年半。かれこれ100回以上は『なんで東京から静岡にUターンして起業したんですか?』と質問されている。
理由をザッと書き並べると、こんな感じ。
離れてみて思うに、静岡には他の地域では真似できない良さ・強み・魅力がものすごく多いよね!/でも、その良さをあまり発信していないよね?/地元の人たちにとっては当たり前になりすぎてるのかな?/それとも、単純に知らないだけなのかな?/なんだか勿体ないな/企画ディレクションできる立場として「価値を届くカタチにする」といった地域貢献がしたいな。
だいたい上記の内容を理由として述べているのだが、実は他にもいろいろ思うところがあってのUターン起業だったりする。
【表面的な数を求める風潮への違和感】
フォロワー数、いいね数、再生回数などなど、パッと見で分かる数字の大きさを求める風潮が強いことに常に大きな違和感があった/ドーンとバズって話題になっても、2〜3ヶ月後には誰も話題にしてない商品やサービスが多すぎる/すぐカタチにできるものは、話題になっても資本力のある企業が似たような商品で潰しにかかるか、買収してしまうか/関わる人たちが疲弊していく様子を目にする機会が多く、そういった風潮は近い将来に終わるだろうなと/そうではない方法(ゴォーっと強火で表面を一気に焼くのではなく、炭火でじっくり時間をかけて中までしっかり熱を通すようなやり方)で「長期的に価値を高める」ことを良しとする流れを作りたいと感じた。
【小さなコミュニティで長く続けたい】
大規模であること、成長し続けていることを大きな価値とする流れがあるが、そろそろ頭打ちになっていることにみんなが気づく頃だろうなと感じた/規模を大きくすれば単純に費用面で維持することが難しくなるし、関わる人が多くなればなるほど「想いの共有」が難しくなる/そうではなく、全員が目と手が届く範囲の規模感で、ランニングコストがあまりかからない状況で、長期的に価値を育てて、ファンの数自体をどんどん増やすのではなく、ファンの「深度」を高めていく流れが、これからの時代は大事になるはずだと思った。
【都心より地方のほうが都合が良い】
小さなコミュニティで、みんなで直接的に関われるカタチで応援して、価値を長期的に育てていく/この流れを作るには、都心よりも地方のほうが都合が良いと思った/流れを作るというよりも、地方では既にそういう流れが自然と(無意識で)作られているようにも感じられた/特に、地元である静岡県西部地区は、農産物や工業製品など「一朝一夕では(コピペでは)真似できないもの」が多い/それらは「気候」や「土地」といった絶対に真似できない環境の下でカタチになっているものばかり/自分がやりたいことをやるための条件が揃っていた。
他での成功例を追いかけて真似する(自分の価値に当てはめる)のではなく、そもそも持っている価値や強みはどんなものなのかを理解して、それを喜んでくれる人は誰なのかを考えて(調べて)、じっくり温めていく。そうすることが、関わる人たち全てが幸せになるやり方だと感じている。
価値観を変えるのは簡単ではないが、起業してから半年ちょっとで新型コロナが世の中を変えてしまった。コロナの流れを正当化するつもりは全く無いが「小さなコミュニティで長く育てる」という流れを求める風潮は予想以上に加速していると感じている。プロトペラという会社を始めた理由の軸となる部分(方向性)は、変わらないどころか「これでいいんだな」と、より太く強固なものとなってきている。