ペアレンツ・コンプレックスについての一考察

引き続ける親父
引かれ続ける母親
これが私の両親の抽象的表象のようだ
俺という存在は押しつぶされ
まるでゴミムシのよう
これがペアレンツ・コンプレックスというやつか
つまりは一つには
ゴミムシのようにつぶされること
二つには
ゴミムシのように這い上がること
息子はいつまでも呪縛から解き放たれない

現れは様々だ
一般的に
普通の存在者としてある場合
いわゆる引きこもりになる場合
はたまた有名企業のお偉いさんになる場合
どれが幸せかと言ったら
それは金がある方だろう
しかしどれが呪縛から逃れられる可能性があるかと言ったら
それは三年寝太郎を演じるものだろう
中庸を行くものは
考えることなく死んでゆくのが定め

ただこの一杯の酒が
俺に希望を与えてくれることを願う
神秘の世界に旅立ち翼を持ち
周遊する鷹のように世界を見下ろした時
俺は地上的父と母を忘れることが出来るのだから

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