10月9日、シンガポールのリーシェンロン首相のスピーチがありました。
シンガポールのコロナ対策の変更は、あまりにもめまぐるしいので、
新鮮なニュースをお伝えするのがかなり大変になりました。
そのため、コロナ関連情報はアップしないようにと思ったのですが、
10月9日の政府発表には色々思うことが多かったので、
やはり、ここに書き留めておこうと思います。
まずはここ数日のシンガポールの現状から。
10月5日に一日の新規感染者数が、3000人を突破、
その後順調(?)に毎日増加を続け、
10月9日には、一日の感染者数が3,703人になりました。
もう4,000人も目前です。
もしかしたら、今日すでに超えてしまっているかも知れません。
ちなみに、ICUに入っている人は40人だそうです。
首相スピーチ
10月9日(土曜)、リーシェンロン首相のスピーチがありました。
最近は、新しい政策もタスクフォースのメンバーから伝えられることが多かったので、首相がコロナに関して発表するのは久しぶり。
どんな発表があるのかと、緊張した人もいたかも知れません。
結論はというと、
ゼロコロナ対策には戻らない。
ロックダウンは選択肢にはない。
と言うもの。
現在、活動に制限を設けているのは、医療の逼迫を避けるため。
感染者これからも急激な感染者数の増加、そして死者の増加は予想される。
ニューノーマルに移行するには、3ヶ月あるいは6ヶ月ぐらいかかるかも知れない。
身を守るためのワクチン接種、ブースター接種の推奨。
そして医療崩壊させないための、軽症者は自宅での療養へ移行する。
などが語られました。
今回のスピーチの目的は、
国民が抱いている、ニューノーマルへ移行の不安。
そして、感染者増加下での経済開放への期待に対して疑問。
それらを、首相が「ニューノーマル路線は変わらない」と明言することで、政府のぶれない姿勢を国民に示し、不安を軽減することだったのだと思います。
実際、スピーチの内容は本当に理路整然としており、
事実やデータに基づいて政府がこれからどう進んでいくのかをはっきり示していて、
やっぱりシンガポールだ。
と思ってしまいました。
実は最近ちょっと、
シンガポールの政策等に??と思っていたところでした。
でも、今回の発表でやっぱりすごいわこの国って考え直してしまいました。
本当に単純な私です。
私の翻訳だと、細かいニュアンスが消えてしまうので、
リー首相の言葉を少しだけ、ピックアップしておきます。
From PM Lee Hsien Loong:
• locking back down is no longer an option
• lockdowns cause mental, physical and emotional strain
• living with COVID-19 has not been an easy journey
• With everyone's help, we can hopefully put COVID-19 behind us
ロックダウンが人々に与える影響は、
感染の心配より今は大きいって事なんですね。
確かに、ワクチン接種が進んで重症化する人が少ないと言う事実を提示されているので、納得している人も多いかと……
タスクフォースからの発表
首相のスピーチ後、多省庁タスクフォース大臣からの発表がありました。
ここで、二つの大きな政策が発表されました。
ワクチンを接種していないと何もできない?
その一つは、ワクチン完全接種者以外の行動の制限です。
新規制についてのサマリー
簡単にサマリーを列挙しておきます。
・ワクチン未接種者のホーカーやコーヒーショップでの店内飲食禁止
(これまでは、これらの場所は最高2人までと言う条件下、ワクチン未接種者も店内飲食が可能でした。)
・遊園地等のアトラクション(シンガポールにはユニバーサルスタジオがあります)の入場は、最高2名までのワクチン完全接種者に限る。
(これは、施設側に取ってはかなりの打撃では?)
・ショッピングモールの入場はワクチン完全接種者のみ。
ただし、大型独立店舗は例外。
(イケアは独立店舗になるのか否か!)
これらを見てみると、今後更にシンガポールでは、ワクチン接種していないと行動の範囲が狭まってしまうという事ですね。
方や今回の発表で、学校やスポーツ施設は規制が緩和されているのを見ると、やはり色々なデータを元に施行された政策なのだと思います。
保健省の発表によると、
ワクチン未接種高齢者は人口の1.5%ですが、ICU利用者、あるいは死亡者数の2/3をこれらの未接種高齢者が占めているそうです。
それらの人たちがが行きそうな、コーヒーショップやホーカーセンター、
そしてショッピングモールに規制をかけたのでしょう。
ワクチン完全接種者が隔離なしで行ける外国が増えた!
もう一つの大きな発表は、規制の拡大では無く、緩和策です。
ワクチントラベルレーンの拡大です。
現在、ワクチントラベルレーンを利用できる国は、ブルネイとドイツの2カ国。
これに、10月19日から下記の8カ国が追加されます。
カナダ
デンマーク
フランス
イタリア
アメリカ
オランダ
スペイン
英国
更に、11月15日からは韓国も加わり、合計11カ国に。
更に大きな変更として、ワクチントラベルレーンに義務付けられていた到着後3日目と7日目のPCR検査は廃止され、
出発48時間前とシンガポール到着時の2回のみの検査になります。
これによって海外旅行が手軽になってきます。
海外からの門戸を開くという以前の発表は、
感染者増でもぶれていませんでしたね。
ここでぶれていないから、国民も政府の政策に従うのではないでしょうか。
やっぱりみんなどこかに行きたい!
そして、ワクチントラベルレーンの拡大が発表されたすぐ後、
シンガポール航空の予約サイトがダウンしたそうです!
Singapore Airlines website hit by 'technical difficulties' after announcement on vaccinated travel lanes
きっと多くの人が予約サイトへ殺到したのでしょう。
皆さん、国からの発表は、まめにチェックしてんですね。そして行動が早い!
この感染者急増の中でも、国を開いていくと明言してくれたので、年末の海外旅行の予約を取りやすくなったのかも知れません。
シンガポール国内では、最高2名までの行動が認められているだけなので、家族そろっての外出や飲食が困難です。
外国であればその規制もないので、みんな海外に出かけたいのでしょう。
国内はしばらく規制が続いて不便を強いられるけど、ルールをしっかり守って自分の体を守ろうね。
でも、ワクチンをきちんと接種していたら、海外へ旅行(ビジネスも)へ出かけて行っても良いよ…って言うことですよね?
やっぱりワクチンは、それほど重症化を防ぐのに、貢献していると言うこと?
ワクチンをしっかり接種していたら感染は怖くない…という事でしょうか?
コロナがインフルエンザ並みになる?
最後に、ちょっと話題がそれてしまうのですが、
朝日新聞がシンガポールの医師に、
なぜ、ワクチン接種率が高いのに、感染者が減らないかとと質問した際の返答の一部を、シンガポール在住の「うにうに」さんがツイートしてくれています。
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ワクチン接種済みなら、感染しても、99%は大丈夫!って本当なのかな?
日本の認識と大分異なりますね。
でも、やっぱり不安をあおる記事より、安心感を与えてくれる記事の方が落ち着きます。
ポジティブにニューノーマル移行までの道を歩んでいきましょう!