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#6 2020年、変わる給与所得控除

こんにちは、不動産コンサルタントのShimadaです。


本日はみなさんの関係する税金のお話。

2020年1月に基礎控除と給与所得控除が改正となりましたが、皆さんご存じでしたでしょうか?
「サラリーマン増税」となる今回の改正、しっかり内容を把握しましょう!


みんなが払っている税金とは

そもそもみんなが払っている税金とは何があるのでしょう。
税金は大きく、直接税と間接税に分けられます。

直接税とは、納税者が国や地方公共団体に直接納めるもので、代表的なものに所得税と住民税があります。

間接税とは、本人が直接税金を納めず、事業者などの納税義務者を通じて納める税金のことをいい、消費税・酒税などが該当します。

税金でもウェイトが大きいのが直接税の所得税と住民税。
この税金の特徴は所得が大きいほど納める税金が多くなる「累進課税」ということ。
高所得者の方ほど収める税金は大きくなるのが所得税と住民税の特徴です。


税金の額はどうやって決まるのか

では累進課税とお話しした所得税と住民税、これらの税金の額はどうやって決まるのでしょうか。

税金を計算するときには元となる「所得金額」に税率をかけて税金額を算出します。

所得税については所得金額に応じて税率が変わってきます。
こちらの「所得税速算表」をご参照ください。

所得税速算表

国税局ホームページより筆者作成

このように所得金額に応じて5%~45%の税率がかかります。
所得金額4,000万円オーバーは45%!

所得金額5,000万円の超高所得者はどれだけの所得税を払うのでしょう?
所得税の金額は下記の計算になります。

所得金額5,000万円×税率45%-控除額479.6万円=17,704,000円

恐ろしい金額…

住民税は一律で10%。
ですので所得金額5,000万円の場合、500万円。

所得税と住民税を合算して22,704,000円!
ほぼ半分近く持っていかれるんですね…


所得金額とは?

「所得金額」と言ってきましたが、そもそも何のお金を指しているのでしょうか。

所得金額とは前述した通り、税金額を決める際の基となる金額を指しており、なじみのある「年収」とはまた別物。

所得金額は次の計算式で求めます。

年収-各種控除=所得金額

ではこの「各種控除」とは何が当てはまるのか。
下記の14種類が該当します。

基礎控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
障害者控除
寡婦(寡夫)控除
勤労学生控除
雑損控除
医療費控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寄附金控除


聞いたことある言葉がいくつかありますよね。

そしてサラリーマンなどの給与所得者は「給与所得控除」も適用されます。

年収からこれらの所得控除額を引いた額が所得金額となり、その金額に税率を掛けて所得税と住民税が決定する、という制度になっています。

つまり同じ年収でも控除額が多い人ほど、税金が安くなるということです。


改正ポイント

税金の決まり方については抑えることが出来ましたね。
さてここからが本題。

今回の税制改正のポイントは2つ。
①基礎控除額のアップと②給与所得控除のダウンです。

基礎控除とは給与所得者・自営業・フリーランスに関わらず、全員が一定額の控除を受けられる制度です。

2019年までは所得金額に関わらず全員が38万円の控除額が受けられました。
2020年からはこの額が10万円アップし48万円の控除額となります。

ただし!所得金額が2,400万円を超える高所得者は段階的に引き下げが適用されることになりました。

基礎控除

国税局ホームページより筆者作成

高所得者に厳しい改正ですね。

逆に10万円の控除額アップ対象の方には税金が安くなる嬉しい改正!
ですが、給与所得控除の引き下げもあるんです。

改正前と改正後を比べてみましょう

改正前

改正後

国税局ホームページより筆者作成

見比べてみてお気づきですね。

改正点のポイントは2点。
・年収660万円以下の控除額は一律で10万円引き下げ
・年収1,000万円以上が上限額だったが、枠が850万円に引き下げ
・上限額が220万円から195万円にダウン

合計所得850万円以下の人は基礎控除の減税と給与所得控除の増税が相殺され税額は2019年以前と変らず。
合計所得850万円超の人は、基礎控除の減額とあわせて負担増となっています。


つまり今回の改正で「850万円の壁」が新設されたと言えます。


この改正でどのくらいの増税となるの?

具体的に年収1,000万円の方の控除額がどのように変わるのかシミュレーションしてみましょう。

【2019年まで】
基礎控除38万円+給与所得控除220万円=258万円

【2020年以降の控除額】
基礎控除48万円+給与所得控除195万円=243万円

控除額の差額、15万円

所得税のレンジが20%の枠とした場合に、住民税10%と合わせると4.5万円の増税となります。

なかなか痛い増税ですよね。


控除制度を利用して節税してきましょう

この増税と付き合っていくためには前述した14種類の控除制度を上手く使って所得金額を下げていきましょう。

所得金額を下げることが節税につながります。

医療費控除を見落としていませんか?
確定申告がめんどくさいという理由で控除制度を無駄にしていませんか?

この機会に一度ご自身の支出を見直して控除が出来るのか考えてみましょう!




ちなみに不動産投資は大きな節税効果を生み出せるのでサラリーマンの方にはおすすめです。

どのような仕組みで節税出来るかはまた次回以降に解説させて頂きます。

ウェビナーでも解説していますので、ぜひ一度聞いてみてくださいね。

ではまた次回もよろしくお願いします😋


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