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大量♡出血は突然に④:筋腫分娩ってなんぞや編

一つ前の記事。『救急搬送編』というか『救急搬送叶わず編』だったなぁ。

時期的にコロナの感染者を搬送した可能性が高い救急車に1時間以上もいたので家に戻った後はシャワーを浴びたかったけれど、帰り際に救急隊員から今晩は血行を良くしないためにシャワーは控えた方が良いとアドバイスをいただいたのでそれに従った。

お水で顔と腕と足を洗った後、アルコールシートで髪と体を拭いてベッドに潜り込んだものの、色々な心配事が頭をよぎって疲労感はあるのに眠れなかった。人見知りが激しいネコチャンが孤児になってしまったらどうしよう、出血のことも不安だったけれどこちらの方がもっと不安だった。無理に眠るのはやめて瞼が重くなるまで近所の婦人科医院を検索したり、上司から届いた温かいメッセージを眺めたりしていた。

翌日は有給を取って婦人科医院に向かった。
検索して初めて分かったことに、ご近所にある婦人科医院は受付の評判が悪いか、受付も医師も評判の悪い所ばかりだった。猫のこと体のこと生活のこと、色々な不安でイッパイなのに患者の悪口で盛り上がっている受付がいる病院やら、最初から最後まで目を合わさない医師がいる病院なんてお世話になりたくなさすぎる。

移動中に出血したらと思うと不安だったけれど、病院とは長い付き合いになるかもしれないので思い切って電車で数駅先の都心にある評判の良い婦人科にお世話になることにした。そのH医院は古くから父娘で経営している医院で、門構えがいい味を出していて井之頭五郎が見たら「いいじゃないか。いいじゃないか。」などと言い出しそうな雰囲気を醸し出していた。

平日の午前中だったけれど小さめの待合室は患者さんで込み合っていて受付の人は常連さんも、自分の様なご新規さんも、日本人もカタコトの外国人も分け隔てなく親切に接してくれる人だった。いいじゃないか。いいじゃないか。

診察室に入ると娘さん先生の方がいらしてとても丁寧に問診をしてくれた。経腟エコー検査はお父さん先生も呼んでくれて二人で超音波画像を見ながら、あーでもない、こーでもないと時折質問を交えながら様々な可能性を探ってくれた。ただそれでも、経腟エコーでは子宮の中に動く塊があるのが見えるがそれが何か、何故急な大量出血が起きたのかまでは分からなかったので総合病院に紹介状を書いてもらえることになった。しかも緊急性が高いと判断してくれて紹介先の先生に今すぐに診てもらえるよう電話でかけあってくれた。

エコー検査中にお父さん先生の方が「また出血があった時にはタンポンを入れてお腹を冷やすことで出血量を抑えられるかもしれない」というアドバイスをくれたり、看護師さんはパタパタと色々な業務をこなしながらも待合室の椅子が埋まっているのを見て、空いているベッドに座らせてくれたりしてくれた。H医院を見つけられて本当に良かった。

ちなみにH医院では、断定できないが症状とエコーの検査から『筋腫分娩(きんしゅぶんべん)』ができていて、筋腫と子宮をつなぐ血管が何等かの原因で傷ついて急に大量の出血が起きたのかもしれない、と予想を立ててくれた。

『子宮筋腫』という単語は知っていたが『筋腫分娩』という単語はそこで初めて知った。娘さん先生が医学書の図面をみせてくれたが、それはへその緒で子宮内膜とつながっている胎児の様に、子宮内膜から子宮内腔に向けて血管でぶら下がったタイプの筋腫だった。エコーで見えた塊が子宮から垂れ下がった筋腫かもしれない、と予想してくれたのだ。

ナニモワカラナイ、から、もしかすると、まで近づくことができて少し安心できた。紹介された総合病院のO病院はH医院から徒歩10分ちょっとの所にありタクシーがつかまらなかったので徒歩で向かうことにしたけれど足取りは軽かった。
(ちなみに、H医院の先生によるとO病院の先生は診察時間を過ぎていたが症状を聞いて急遽診てくれることにしてくれたとのこと。ありがたや。)


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